【木の家】
初めての【木の家】に大興奮なサラ。
「ケロナお姉ちゃん見てみて!! 木の上なのにお風呂も洗面所もある!!」
そう言われて中を見てみたのだが、確かに本格的だった。
「これは...凄いな」
私達のはしゃぎっぷりにむふふと自慢げなレイナ。
「どうですか? すごいでしょう? でもこの魔法はすっごく魔力を消費する上にかなり疲れるのでできれば町にある宿屋に泊まりましょうね」
「でもこれだと無料だよね?」
私の問いにレイナが答える。
「確かにただですけど、生活は全て自らの魔法で補わなくてはなりませんよ? お風呂とか洗面所はありますけどこれはあくまで形だけなので」
彼女の言う通り風呂にも洗面所にも魔石は埋め込まれていない。
と言う事は自らの魔法で生活用水や料理用の火を起こさなくてはならないと言うわけだが、その点は大丈夫だ。
「なら大丈夫、私が水を出してサラが炎で温めたらお湯ができる、レイナにはこの家を作って貰ったから私達がお湯を作ろう」
「そう? ありがたいし助かるからお願いしようかな」
彼女もそう言ってくれたので私はお風呂に水を貼りました。
「んっ、このくらいかな、じゃあサラ後はお願い」
「うんっ、【生活魔法・火】」
程よく温かくなるまで水の中に火を生成し続けます。
サラは時々湯に手を入れて程よいお湯加減を探しながら調整する事数分。
「うん! 丁度いいよ!」
サラの言葉と共に湯の準備ができました。
「じゃあお風呂に入ろっか」
結構な距離を歩いて汗をかいているので早く入りたいと思います。
私達がその場で服を脱ぎ始めるとレイナが注意してきました。
「あなた達! なんて所で服を脱いでいるんですか!」
かああっと顔を真っ赤にしながら「脱衣場で脱ぎなさい」と声を上げる彼女の手を取る私。
「女同士だしそんなのどうでも良いでしょ、そんな事よりもレイナも入るよ」
「へっ? 私は後でいいですからどうぞ先に2人で楽しんでくれれば...」
そこまで言いかけたレイナに妹の言葉が炸裂する。
「皆で入った方が楽しいよね? だからレイナさんも一緒に入ろっ!」
「風呂場も程よい大きさだし3人で入っても大丈夫だろう」
私もサラの後押しをした結果。
「うう.../// 分かりました! そこまで言うなら私も入りますよ!」
意を決した様に服を脱ぎ去るレイナを見て私はふっと笑うのでした。




