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この環境からの卒業〜生まれによって優遇冷遇される俺〜

作者: 黒イ卵
掲載日:2024/12/30

 同じような姿形で生まれたのに、生まれた環境が違うだけで、扱いが変わる。


 わかったような気になってはいたけれど、俺が体験するとは思わなかった。


 ()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()


 三度目にして、今回の俺は、冷遇されているとわかった。

 姿形は、たいして変わらないのに。


 「くさい、くさいわ。あーあ、こんなところにいなければ良かったのに。」

 「こんなに大きいなんて! 早くいなくなって欲しい。」


 女達は、俺の生まれた環境に敏感だ。

 一度目は、あんなに褒めてくれたのに。


 「なんて、セクシーなの。素敵!」

 「たくましさの象徴だわ……。」


 うっとりと、撫で付けられのを思い出してしまう。


 二度目は、大勢の中のひとりだった。

 何十万とひしめき合う中、必死で日々を生き延びていた。


 二度目の終わりはあっという間だった。

 ほんの少し、体の色が白く変わっただけ。

 それだけで、掻きむしられ、追い詰められ。


 ぷつん。


 そこで、二度目の俺はお終いだった。


 ああ。振り返ってる間に。


 あの光が俺を照らし出す。


 「ふふ。全部、焼き払うから。」


 三度目は、地獄の業火に灼かれながら、一瞬で命が刈り取られた。



 ふっと意識を向けた。


 ここは……四度目、か?


 周りに俺の仲間は……いない。

 俺ひとりだけの、限られた場所のようだ。


 ひっそりとした場所で、ゆっくりと日々を過ごす。


 体が白くなることもなく、充分な時を経た頃。


 「おじいちゃん! 足の小指に、毛が生えてるよ!」

 「抜いていい?」


 ああ。今回は、ここまでか。

 長く生きた。

 他の場所で生まれた仲間の話も、ずいぶん聞いた。

 あるものは忌み嫌われ、あるものは優遇され、持て囃される。

 ほんの少し、生まれた場所が違うだけで、同じものなのに。


 「抜くのは、やめておけ。死ぬまで、ずっと一緒にいるんじゃ。」


 小指の先の方まで声が届き、俺は、ほっと息をついた。


 翌朝、爪切りの時に間違って切られ、そのまま細くなっていた俺は、するりと抜け落ちた。

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― 新着の感想 ―
拝読させていただきました。 頭ならいいんですけどね。
あらぬトコロの宝ゲのワキ藹々とギャランドゥ〜♡w  お久しぶりて〜す♪
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