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転生冒険者の異世界生活  作者: リズ


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98/207

決勝です

 控室に帰ってきたは良いが、とくにやることもなく、大会運営が控室に用意してくれたお茶を啜って出番を待つ。

 

 「次で最後かあ」


 「あっという間、でしたね」


 いやほんとだよ。

 君達一切容赦しなかったもんね。

 メリカを筆頭に、皆ここまで無傷の大勝利。

 最後の俺が苦戦するのは格好悪いなあ。

 頑張るか。


 アースラ君の気持ちは分かるが、嫁達の前で、とくにメリカの前で醜態は晒したくない。


 悪いとも思わん、勝たせてもらう。


 「ステラの皆様、準備整いました。

 会場にお越しください」


 お茶を楽しみ、小説を数ページ読み終わった頃、係員さんが扉の向こうから声を掛けてくれたので、俺達は観客の待つ試合会場へと向かった。


 会場に近付くにつれ観客の歓声が大きくなる。

 ああ、まただ。

 口角が釣り上がってしまいそうだ。


 会場に姿を表した俺達を見てか、一層歓声が大きく上がった。

 目立つのは嫌いじゃない。

 嫌いなら今日この場にはいないだろうな。


 「皆様長らくお待たせしました。

 Aランク昇級を掛けた闘技大会。

 いよいよ!決、勝!です!!」


 アナウンサーさんも気合い入ってるなあ、流石はプロ、盛り上げ慣れている感がある。


 「ステラからは遂に唯一の男性冒険者、セツナ選手の登場だ!

 なんと彼、私が手に入れた情報によるとパーティメンバー全員と婚約しているそうです、羨ましいですねえ」


 おいい!

 余計な事言うんじゃないよ!

 

 ああ、ブーイングが、一部歓声に混じってブーイングが聞こえる。

 せっかくの決勝なのに、俺の時だけ……なぜなのか。


 「ここまで圧倒的な戦力を見せてきたステラ!

 決勝ではどんな戦いを見せてくれるのか!

 まさか決勝も一人で勝ち抜いてしまうのか!?」


 こんな時、どんな顔してれば良いのだろうか。

 ドヤ顔しとくか。

  

 「そして相対するは我等が王都のギルド本部から出場するパーティ!アルバ!

 こちらも圧倒的な実力差で勝ち上がってきています!!

 流石は本部で次期Aランクパーティと話題になっていただけはある!

 泣いても笑っても次が最後の戦いだあ!!

 この決勝見逃せません!!」


 「セツナさん、頑張ってくださいね」


 「主様、ご武運を」


 「セツナ君ファイト!」


 「アナタが負けるところなんて想像も出来ないけど、まあ頑張ってね」


 「ハハハ、勝利の女神四人の激励とはありがたいね。

 これで負けたら恥ずかしいし、決めてくるよ」


 勝利の女神か、正確には5人いるな。

 この現状をニヤニヤしながら見てるんだろうなあ女神様。


 空を仰ぎ、位相を超えた先にいる女神様を見る。

 いや、もちろん見えるわけは無いが、間違いなくあの女神様は俺を見ている筈だ。 

 今度会ったら礼を言わないとな。

 今回の転生が1番楽しかったって。

 それが何時になるかは分からんがね。


 なにはともあれ今は、目の前でこっちを睨むアースラ君との戦いに集中するか。


 「それでは決勝!第1試合い!!始めぇえ!!」


 遂に決勝開始の銅鑼が鳴った。

 

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