高級宿屋に来ました
いつも通り、リリルとユイリに先導してもらい、俺達5人は件のお高い宿へとやって来た。
いや宿というか、これはホテルに近い店構えだな。
リリルとユイリが泊まっている宿は木造建造物でいかにもファンタジー世界の宿という感じだった。
でも、今俺達が見ているのは石造建築の宿だ。
大理石とまではいかないが、綺麗に切り出された石のフロアに赤い絨毯が敷かれているのがガラスの大扉越しに見える。
「へえ、こんな所があるんだなあ」
「あ、主様、何もこんな高そうな宿でなくても」
「いや、今日はここで宿泊だ」
という訳で、大扉へと向かうとスーツを着た店員が扉を開いてくれた。
本当に高級ホテルみたいだ。
「ようこそお越しくださいました何名様でしょうか」
「5人なんだけど、一泊出来ないだろうか」
受付カウンターの店員さんが俺と後ろにいる4人を見る。
「丁度一部屋開いております。
ベッドがクイーンベッド2つになりますがよろしいですか?」
クイーンベッド2つ!
大人二人が楽々眠れるベッドが一部屋に2つ!
結構広い部屋なんじゃないか?
これは期待できるなあ。
「じゃあそこで頼むよ」
「かしこまりました。
お一人様一泊金貨1枚でございます」
うお、1人一泊10万か、いやまあ店構えから考えればそんなもんかもなあ。
店員さんに金貨を渡す俺の傍らでスミレがオロオロしてるのがちょっと面白い。
「ではこちら、お部屋のカードキーになります。
お部屋の入り口の紋章に翳してご使用下さい。
客室は3階になります、それでは良い一時を」
「ありがとう一泊世話になるよ」
受付を離れ、魔力で動くエレベーターに乗り3階へと上がり、カードに書かれた番号の部屋を探す。
思ったよりも部屋数は少ないな。
扉と扉の間がかなり広い、という事はやはり一部屋がかなり広いのか?
あっこの部屋だ。
カードに書かれた番号の部屋の前、入り口にカードを翳すと静かに扉がスライドして開いた。
200年前には無かった技術だ。
なんだかんだ発展してるんだなあ。
部屋に入って、まず驚いたのが広さだ。
一体何畳あるのか、ローテーブルを挟んで3人掛けのソファが2つ。
クイーンベッド2つが間を開けて並んでいるが、圧迫感は感じられない。
「ベッドふかふかだあ、気持ち良い」
「ちょっとユイリ、はしゃがないの」
「セツナさん、こっち来てください!
大きなお風呂がありますよ!」
普段大人しいメリカが随分楽しそうだ。
楽しそうな皆の姿を見られただけでもここに来たかいはあったな。
「あ、主様、ピアノが、ピアノがあります」
予想以上に豪華な部屋だ、皆なんだかんだはしゃいでいる。
ホテルや旅館に来たときの、なんとも言えないワクワクするこの感じは地球もこっちも同じみたいだ。




