3階層目
「う、嫌な感じがする」
2階層目の探索を終え、3階層目へと階段を降った通路で不意にユイリちゃんが呟いた。
広い通路が一直線に伸びているだけなのだが、確かにユイリちゃんの言うように、妙な圧迫感が通路の先から感じられる。
「あんなにいたアンデッド達が、全くいませんね」
メリカちゃんのその言葉に、ユイリちゃんもリリルちゃんも冷汗を浮かべていた。
確かに、2階層では鎧の擦れる音やゾンビやグールの足音が聞こえていたが、今は全く聞こえない。
気配感知にすら何も表示されないあたり、この階層には魔物がいないようだ。
しかし、通路の先から感じられるこの圧迫感は――。
「ボスがいるかもしれないな」
「どうしましょう、進みますか?」
「う〜、行ってみたいけど……」
ここまで快進撃を続け、2階層を無傷でクリアしているユイリちゃんも、流石に通路の奥から伝わってくる気配に腰が引けているようだ。
それで良いと思う。
勇気と無謀は紙一重と言う言葉はよく聞く。
ここで勇み勇んで進んで負けて、慢心から命を散らすなんて事はさせたくない。
「一旦、進む前にここで休もう、食事と睡眠を摂ったうえで進退を決めたい」
「セツナさんの意見に同意します、一度ゆっくり休みましょう」
「そうね、魔力も体力も余裕はあるけど、万全というわけでは無いものね」
というわけで、用心のために結界を張り、敷物を敷いて食事を摂る。
ここが草原とかならピクニック気分にでもなるんだろうが、結界を張って先程までの圧迫感は無くなっているが、この城の地下通路のような雰囲気ではそれも叶わない。
「この後、睡眠の際の見張りはどうしますか?」
「この結界の中なら魔物の大群の中でも眠れるわよ」
「皆で一緒に寝よう!」
「心配なら俺が見張りやろうか?」
「「駄目です!」」
ええ? メリカちゃんとユイリちゃんに怒られたんですけど……。
まあこの結界を破れる敵なんてほぼいないし大丈夫か。
食事の後片付けを終え、インベントリから寝袋を出して敷く。
俺の横にメリカちゃん、反対側にユイリちゃんが寝袋を敷いて2人に挟まれる形になる。
さて、俺はゆっくり眠れるのだろうか。




