熊退治に行こう
「お待たせしましたあ」
と、ウエイトレスが林檎ジュースと苺オレを持ってきたタイミングとほぼ同じくして3人が一緒に戻ってきた。
「戻って来る時にヴィゼルさんとすれ違って『彼は良い人だねえ』って言われたのですが、何かありましたか?」
「メリカちゃんをよろしくって言われたよ」
端折りに端折ってるが間違いではない、よな。
「そう言えばさ――」
俺の隣にメリカちゃん、前の席にユイリちゃんとリリルちゃんが座りながら聞いてきた。
「2人って付き合ってるの?」
「付き合ってるよ?」
ユイリちゃんの質問に俺は即答した。
アワアワしながらユイリちゃんと俺を交互に見るメリカちゃんを3人して微笑ましく眺める。う〜ん、和むなあ
「良いなあ、私も格好良い彼氏欲しいなあ」
「冒険者って厳つい人多いからね」
ため息を吐くユイリちゃんとリリルちゃん、二人の容姿なら問題なく良い人が見つかるとは思うけどなあ。
「あ、そうそう。
本題、クエストの件なんだけど、支給品の用意があるから出発は明日お願いします、だって」
「明日か分かった」
じゃあ今日はどうするかなあ、クエストする気で来たからこのまま帰るのもなあ。
「あの、セツナさん、よかったらこの4人で今からクエストに行きませんか」
「あ! 良いねえ! 明日のクエストに行く前に私達の戦い方を見てもらって、連携とれるようにしたいしね!」
「あ、はい私も、そう思って」
確かに、初めてのパーティーだし実力を知らないと連携も戦略もあったもんじゃない。
「うん、クエストを受けよう」
リリルちゃんも頷いている、決定だな。
「どんなクエストを受けるか」
「さっき鎧岩熊の討伐依頼あったよ?」
クマさんか。
鎧岩熊。
たしか、魔物化した熊が属性変異を起した個体だったなあ。
体の一部、特に腕周りと頭部が硬質化してるデカい熊。
肉が旨いんだよなあ、あの熊。
「良し、今日の夕食は鎧岩熊の焼肉だ」
「お肉」
メリカちゃんもやる気十分だな。
と、言うわけで会計を済ませた俺達は再び依頼掲示板の前に行き、件の熊退治の依頼書を引っ剥がして受付けに向かった。
「討伐対象は南の森にいるみたいね」
南の森、俺が転生した時にいた森か?
グレートボアに鎧岩熊。
あの辺り結構危ない森だったんだな。
「この時間なら馬車が出てるから乗せて貰おうよ」
馬車で行く距離、という事は俺がいた森よりもっと南なのか。
いつか生活が安定したらメリカちゃんとあちこち行ってみたいなあ。




