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長島攻略の真相

実質的な今川海軍により壊滅させられた伊勢長島一向一揆であったが、滅ぼすまでに入念な計画があったのは言うまでもない。


元々今川家はそれなりに強さを誇る今川水軍があったが、この度は令和の知識を生かして拿捕した海賊船団の船を修復して使用している。


この時代の海賊どもは拿捕した商船や民間船、海軍船なども利用できる限りは利用する為、八隻のガレオン船の大船団であり、嵐にあったのか無傷な船体はないもののかろうじて全ての船が沈没を免れていた。


しかし長きにわたる漂流の為に、水や食糧が尽きた船内は皆が瀕死で阿鼻叫喚図だったのである。


前世で多国籍語が話せた俺が今川海軍の船に乗って現地に訪れたからこそ拿捕、懐柔が出来たのは間違いない。


ガレオン船八隻のうち1番状態が良いものを他の船から部品を流用して早期に今川水軍から今川海軍へと編成して旗艦にしたのである。


旗艦の名前は、源氏の名家中の名家の今川家にあしらって竜胆丸とした。


竜胆丸はガレオン船なので大きく、早いだけではなく大砲を装備している為に海沿いに位置する城や砦は狙われたらひとたまりもないのである。


今川家単独でも悠々と滅ぼすことができた長島城だが、名目上今川家、北条家、武田家の三国同盟が維持されている為に今川家が武田家と姻戚、同盟関係にある本願寺家を攻撃するのは、武田家というより武田信玄を刺激する為、上手くない。


なので俺は岐阜城の織田信長が、同盟関係にある今川家、今川家の属国であり個々にも同盟を許されている徳川家の徳川信康に熱田周辺での利権を守る為、西国との貿易の妨げになる長島一向一揆の殲滅の応援を徳川家にする形をとらせてある。


織田信長と言うか織田家は以前より長島一向一揆には頭を悩ませており、貿易の際の重荷となっていたので苦々しく思っていたのである。


また、実際に織田家から援軍を送られてはいたが、今川海軍の船にも木瓜紋の旗をはためかせて、主軸が織田軍であることを偽装した。


服部半蔵による忍びの手による長島城内部への潜入、逃がせられる女子供の避難も抜かりが無い。


最終的な切り札は、根来衆と手を組み根来衆を長島城攻めに投入したことである。


根来衆には今川家、徳川家、織田家での真言宗の布教の自由と保護、長島城を攻め滅ぼした暁には城の一部を割譲して真言宗の寺を建てて寄進することを約束したのだから。


高野山の開祖空海こと弘法大師の真言宗の影響力は日の本でもかなり上位であり、長島一向一揆を滅ぼした際に仏敵扱いされない為の弾除けとしては最適な勢力だ。


結果攻め滅ぼした長島城は陸側の半分を真言宗に寺として寄進して石上寺とし、海側は海洋貿易の施設とした。


長島一向一揆が滅ぼされた後は、本願寺と武田信玄は激怒して抗議したが、真言宗取り込みの件もあり寺社勢力は本願寺以外は静観をつらぬいた。


また、織田軍は領土など実益は得られなかったが戦場での名誉や手柄を全て譲られた為、織田家は名声を得て、徳川家、今川家は実利を得た。


新興勢力である織田信長は名誉や名声を望み、日の本一の名家である今川家が実利を望むのは当然だ。


織田家は寺社仏閣や武田家から恨みを買うかも知れないが、他国とのやりとりしかり、朝廷とのやりとりしかり、幕府とのやりとりしかり、商人とのやりとりしかりで信頼を得られるのだから宗教からのバッシングは安いものかも知れない


まあその宗教の仏罰や神罰がなんだが一般人は怖くて手を出せないのであるが、それを克服する織田信長はやはり常人ではなく天才だ。


最後にある意味利用されているのかもしれないが、漁夫の利と言うか派兵をした根来衆と真言宗が一番得をしたのかもしれない。

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