#87 海へ向けての準備なのデス
もうすぐサービス回。
着々と構想はできるが…‥‥ハクロの方は決めたのに、ワゼたちの方が難しい。
色々と案もあるが、こう、斜め上の発想に飛びつきたいところである。‥‥‥感想にあった案を採用したい。
SIDEシアン
海岸掃除の依頼だが、ポチ馬車で全速力で動けば1日もかからない……らしいけれども、少々ゆったり向かいたいというのもあって、1日かけることにした。
そのために、野宿などを一旦する必要性があり、その準備をしておかねばならない。
【あと、水着も用意しないといけないですよね。この間のものとは違うものを買いたいのですが‥‥‥】
「ん?良いんじゃないかな?。でも現地で販売しているのであれば、そっちを着たほうが良いかもね」
魔法ギルドの依頼の中には、それなりに川や湖などでの作業をするものがあったりするので、対応のために、水着の販売をしているところがあったりする。ずぶぬれで帰還したくもないし、その対策として依頼受注時には水着用の費用が払われたりする場合もあるそうだ。
だけど、海用のものと考えるのであれば、やはり現地調達したほうが良いだろう。一応、売っていない可能性もあるので、ここで購入することにするけれどね。
「ええ、そうですネ。ミニワゼシスターズの水中作業用のものも作りましたし、この依頼は都合がよかったデス。私も念のために、買いましょうかネ」
「【え?】」
そのワゼの言葉に、思わず僕とハクロは驚きの声を上げた。
…‥‥四六時中メイド服で、この間のプールを作った時でさえもメイド服のままだったワゼ。
そんな彼女が、水着を買う気だと‥‥‥!?
この夏、一番驚くべきことなのだろうか。いや、そう考えてしまうほど彼女にはメイド服以外の衣服を着るイメージが無かったのだろうか。‥‥‥‥ちょっと毒されているような気もしなくはない。
まぁ、メイドと言ってもさすがに海でのメイド服は…‥‥なんだろう、ワゼだとあまり違和感がない。
ああ、でも水中作業用とか言っていたし、水中で流石にメイド服は不味いか。
何にしても、どのようなものを買うのかは気になったが‥‥‥‥こういうのはその時まで楽しみにしたほうが良いと思い、女性陣に任せることにした。
ついていって選ぶことになるよりも、現地で見れた方が良いからね‥‥‥‥買い物とか長くなりそうな予感がするのもあるが。
‥‥‥と、この時僕はそう考えていたが、ちゃんと見ておいたほうが良いかもと後悔することになる。
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SIDEボラーン海岸
‥‥‥ボラーン王国は、一応海がある。
港町として栄えている場所もあれば、純粋に観光地として魅せている海岸沿いの町もある。
だがしかし、そのような海岸の中で、一か所、汚れやすい場所があった。
海流の影響か、どうもその海岸には漂流物が多く流れ着きやすく、各地のごみなどがその場に集まりやすい。
そのため、景観などを考えて近くの町などが清掃の依頼を出すのだが、ごみ掃除をそう受ける人はいない。
漁などをしたほうが儲かったりするので、本当に掃除してくれるのはわずかなのだ。
「ああ、まだまだ汚れたままか」
館の中から見えるその海岸に、近くの町に住まう領主はそうつぶやいた。
自分たちでもちょくちょく清掃していたりするのだが、なかなか片付くことが無い。
一度、本気で取り組みまくって綺麗にした時は、どこにも負けない美しい景観をこの海岸は持つのだが、それを維持するのが非常に大変なのである。
依頼を出したとしても、受けてくれる件数は少ない…‥‥
「ああ、何か名物でもあれば、いや、何かきっかけでもあればいいがなぁ…‥‥」
はぁっと溜息を吐きつつ、解決方法が見えない現状に領主は肩を落とし、書類仕事にかかり始める。
しかし、その解決方法がもう間もなくもたらされるとは、このとき彼は思いもしないのであった…‥‥
準備を進め、いざ海へ向かうシアンたち。
考えてみれば、この世界に来て初めての海になるのではなかろうか。
ミニワゼシスターズ水中用装備など気になる物もあるが、まずは海岸掃除という依頼を忘れないようにしないといけないだろう。
次回に続く!!
‥‥‥‥これで馬鹿な奴らが出たら大変だが、HWGやワゼである程度絞り込めるかもしれない。
いや、それでも0でもないのだが‥‥‥‥何かあったら色々とやばそうな気がする。
ラッキー何とやらとか、ちょっと仕掛けて見たいけれどね。




