表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/459

#81 向こうは向こうで動くのデス

活動報告にも書きますが、8/22~8/23の2日間は、少々用事がありまして、更新ができません。

下手するともう1日できない可能性もありますが、どうかご了承ください。

一応、不定期更新で、毎日更新という訳ではありませんが‥‥‥ストックができれば、それで何とか更新しようとも考えてます。

SIDEシアン


‥‥‥フィーアがミスティア王女の護衛となった翌日、僕らはいつも通り魔法ギルドにて依頼を受けていた。


 先日、ヌルダニアン王国軍が攻めてきたとはいえ、あれは都市外で叩きのめしたので、結果として都市の内部の被害はほとんどなく、住民たちもすぐに帰還していつも通りの光景となっているのである。


 まぁ、「ほとんど」となっているのは、少々流れ弾が飛んでしまって……一件潰れた。


 バレないようにワゼたちが力を合わせて復元工事をやったので、被害0と思っていいだろう。


「うわぁぁぁ!!我が家がなんか前よりも豪華になっているぞぉぉ!?」

「あんた!!まさかとは思うが勝手に改築工事をお願いしたとかはないわよね!!」

「知らん知らーん!!愛人を招き入れようとしたことはあったが、そんなことは‥‥‥あ」

「ほぉぉぉぉう?今、何か滑らしたねぇ?」

「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


‥‥‥うん、被害はなかったかもしれない。精々、何処かの夫婦の仲が悪化した程度だから、良しとしよう。


 何にしても、いつもどおりの光景であるのだから、放置で良いだろう。




「とりあえず、今日はどの依頼を受けるべきかな?」


 どこかで断末魔が聞こえたような気がしたが、とりあえず無視をして、僕らは今日の依頼をどれにするか考え始める。


【一応、軍が攻めてきた関係での避難準備があまり意味をなさなかったとかで、備品整理などがありますね】

「携帯食の管理、保全、消費など…‥‥備えについて見直すことに関する物が多いデス」


 今回の都市からの避難もあって、その前もっての準備などにどうやら不手際が見られたらしく、その部分の改善を行うための依頼が多い。


 避難経路の修繕工事や緊急時の誘導員契約、消費物の整理、食料類の確保など、災害時の前後にありそうな内容ばかりだ。


 こうしてみると、案外世間の流れが見えるようで面白いが、万が一を考えると笑い事では済まないような場合もあるだろう。




 ひとまずは、どれが良いかと考えた結果、今日はこの中でも「都市外周部の修繕」を行うことにした。


‥‥‥と言うのも、この修繕作業は少々他人事ではない。


 というか、忘れていたというか‥‥‥‥



「あー、どこの誰がやったのかは分からないが、地面が滅茶苦茶だろ」

「おい、ここに何か泡が‥‥‥ぎゃふぅん!?唐辛子がぁぁぁぁ!!」



…‥‥うん、ヌルダニアン王国軍との戦場跡地でもあるんだよねココ。


 死体の処理などはきちんとやっていましたが、えぐれた地面などはそのままであった。


 しかも、軽くトラップのように残っている物もあり、少々面倒な事になっていたのである。‥‥‥ワゼたちを見れば、全員そろって「ついうっかり」とした顔だった。わざとではないのだろうけれども、ちょっとハリセンか何かですっぱぁんっと叩きたくなったような気がした。



「とは言え、やらかしたミニワゼたちの主としても、ここはやっておかないとなぁ‥‥‥」

【都市周辺の景観の問題もあるらしいですからね。大変ですけれども、頑張りましょう!】


 ぐっとハクロが気合いを入れるためか、鉢巻きを捲き、こぶしを握ってそう言った。


「ところでハクロ、宙に色々スコップとかが浮かんでいるけれど、どうやっているのそれ?」

【糸を結び付けまして、操っているのですよ!】


 ひょひょいっとハクロが指を動かすと、浮いていたスコップなどが勝手に動き出し、地面を埋め戻したりし始めていた。


 よく見れば、持ち手の部分に細い糸が何本か巻き付いており、マリオネットなどの要領で操っているらしい。


「ハクロって、こんなこと出来たっけ?」

【ふふん、私だって一応それなりに役立てますからね!】


 自信満々に言ってはいるが…‥‥どうも先日のミニワゼたちの活躍ぶりを見て、ちょっと自分が役立っているのか不安になっただけのようである。


 そこで考え、今回のこれをやるための練習をしたのだろうけれども…‥‥案外努力家というか、こういうワゼにちょっとでも対抗できそうな作業があると頑張る処が、彼女らしい可愛さでもある。


 糸で工具を操って、汗をかきながらも頑張る様は美しく、他にも同じ依頼を受けた魔法屋などがその姿を見て、張り切っていた。



 ‥‥‥中には汗でちょっと濡れた彼女を見て興奮した輩もおり、少々いら立ったので軽く土魔法でこけさせたりしたが、問題ないだろう。何でいら立ったのかは良く分からないが、とりあえず地面に埋めないだけはマシだと思いたい。



【ところで、こういう時にワゼさんは?】

「ああ、ワゼとミニワゼシスターズなら……あそこだよ」


 僕が指さした方向にある光景を見て、ハクロは苦笑いを浮かべた。



「シーシシシシ!!」

「ツー!」


 ミニワゼたちの手足が変形し、ロードローラーのような形状となって爆走し、荒れた地面を舗装している。


 一方で、他のミニワゼたちは‥‥‥


「ファァァ!!」

どっしぃぃぃぃん!!

「セーセー!」

ずっしぃぃぃん!!


 何処からか木々を持ってきて、釘打ちのように地面に突き刺して景観を修繕し、


「ススススススス!!」

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

「目が回るぅぅぅ!?」


 作業している魔法屋たちの、ちょっと邪魔とか休憩のために置いた荷物を盗もうとしていた人たちをつかんで、振り回したりなど、色々な光景が広がっていたのであった。


「一応、皆自立稼働できていますからネ。個性も少しづつ出るのでしょウ」


 そう言いながら、ワゼが休憩のためにお茶を持ってきてくれた。


「自立稼働か…‥‥それでも真面目にやっていることは‥‥やっているのかな?」


 ちょっと自信ない。


 というか、ミニワゼシスターズの仕事ぶりを見て、対抗心を燃やしている人たちや、むしろ何やら絵を描き始めた人もいるのだが、良いのだろうか。


「ええ、それでもいいのデス。遠距離であろうともつながりはありますし、経験を共有できますからネ」


 さらっと何か重要そうなことをワゼはつぶやいたが、それってもしや、フィーアの方にもあるのではないだろうか…‥‥



 とりあえず、持ってきてくれたお茶を飲んで少し休憩しつつ、作業に集中しようと気を取り直すのであった。


―――――――――――――――――――――――

SIDEミスティア


‥‥‥第2王女であるミスティアは今、ミニワゼシスターズの一体であり、シアンたちから護衛としてもらっているフィーアの仕事ぶりに驚愕していた。


「フ、フフーフ」

「ええ……これ全部、周辺にいた間者たちですの?」

「フー!」

「え?暗殺者も2,3人混ざっている?…‥‥無茶苦茶過ぎますわ」



 他の護衛達も顎が外れそうになるほど驚愕している理由としては、今目の前に積み重なっている人の山が原因であろう。


 何しろ、これ全部がどうやらミスティア王女についていた間者……諜報員など要はスパイと言われる類の者たちや、どこからか‥‥‥おそらくは過激派などから派遣された暗殺者たちだからである。


 都市アルバスから離れ、王城へ戻る前に他の貴族の領内視察も兼ねて、別の町で宿泊していたのだが、出発しようとしていたところで、ちょっと目を離した隙に、フィーアがどこからともなく、この人の山を創り出してしまったのであった。



「フ!」


 褒めて!というように、ニコッと笑うフィーア。


 その様子が可愛らしく、要望どうりに撫でると「フ~♪」と可愛らしく笑うので、ちょっとミスティアは内心悶えかけつつも、この人の山をどう処理するべきか考える。


 暗殺者たちの方はしかるべきところに引き渡し、出してきたところを叩きまくるために利用できるが、間者の方は厄介である。


 どうもフィーアは、いつの間にかきちんと全員しばき倒しつつ、情報を引き出していたようで、その情報を載せた書類も持ってきたのだ。


「フーフ!」

「ええ、全員情報を引き出してくれたのは良いわね」

「フ」

「でも、これが同機体のフンフという子?であればドMが誕生しまくった?…‥‥それは危なかったかもしれないわね」


 とにもかくにも、鞭で敵をしばき倒せるというフンフとやらの同機体の情報は置いて、渡された書類の内容を読めば、この国の貴族からという者や、王城からの者、はたまた他国からの者など、多種多様。


 人の口には戸が立てられないとは言うが、どうもミニワゼシスターズの話も漏れてきたようで、そこから接点のあるミスティアを調べに来たのが大半のようであった。


…‥‥容姿も悪くないせいか、ストーカー案件などがあった。ひとまずは、これらは叩き潰しておこうと決定しておく。


 何にせよ、これだけの人の山というか、ミスティアがフィーアを護衛にしたがゆえに発見されてしまった哀れな者たちの処理に頭を悩ませつつも、これだけの者たちがいる事にミスティアは溜息を吐く。


「まだそんなに情報が広まっていないはずとは言え、現時点でこれですものね…‥‥時間が立てば、さらに増えそうで怖いわね」

「フ?フー!」

「あら?でも命令としてしっかり守るように言われたから、きちんと護衛する?ふふふ、ありがとう」

「フー!」


 やる気満々のフィーアに、ミスティアは少し和まされる。


 

「‥‥‥でも、お父様の判断も正しかったですわね。護衛を増やすよりも、ミニワゼ…‥‥この子を護衛として付けてもらえるようにというお願いをして、無事につけてもらえて、これだけの不届き者があぶりだせたものね」


 とにもかくにも、その重要性というか、有能性が物凄くありがたい。


 処理に少々手間がかかりつつも、ミスティアはフィーアを褒めるのであった。



…‥‥結果として、さらにやる気を出したフィーアが、不届き者たちをどんどん捕縛し、連れてくるのは言うまでもなかった。


 『まるで、獲物を捕まえて持ってきて、褒めてと言うような猫のように見えた』と、後にミスティアは日記にそう書くのであった‥‥‥‥



フィーア、小さくともワゼみたいにやり過ぎた。

性能としては劣化しているが、それでもそんじょそこいらの者たちよりも能力はあるんだよな‥‥‥

何にしても、元気にやれるのであればいいだろう。

次回に続く!!


‥‥‥猫と聞いて、ふと思った。そう言えば、アラクネとか出している割には、人間以外の種族描写が少ないなと。

その為、できれば早々に別種族を出したいと思います。一応予定はあるけれども、メインをほのぼのにしているので、全体的にゆっくりになってしまうんですよね‥‥‥

あ、夏だしサービス描写もやりたいが、この間プールネタやったしなぁ‥‥‥

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ