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#58 首都内観光日和なのデス

蚊に刺されたところがかぶれているのか、薬塗ってもかゆみあり。

地味に嫌な、夏の風物詩(?)であった。

なんかかこう、モノの数秒で蚊を屠ってくれるものがないかなぁ?

SIDEシアン


 模擬戦も終え、後は都市アルバスの魔法ギルドで依頼終了の手続きを終えれば、今回の依頼は達成される。


 だがしかし、せっかくこの国の首都ボラーンまで来たのだから……


「今日一日、とりあえず首都観光を楽しもう!」

【楽しみます!!】

「ええ、十分楽しむのデス」


 こういう時こそ、あまり来ないようなところを観光したくなる。


 そもそも、この世界に来て、森の中と都市2つぐらいしか見ていないのだし、人口が多いこの首都内を楽しんでみたいのだ。



 とは言え、この世界の季節的に夏が近いのか、気温が高い。


 そのため、今日は風通しの良い衣服に切り替えていた。


 ハクロは今日は新しいワンピースのような衣服を着ており、染めていないので純白だが、よく見れば刺繍が施されており、シンプルながらも美しい仕上がりである。


「でも、帽子まで糸って‥‥‥これどうやったの?」

【縄状に編んで、薄切りにして、貼りつけ、縫い合わせ‥‥‥色々な工程を経て作ったのですよ。麦わら帽子よりも通気性は良いので、ここ最近の暑さにも対応済みです!】


 ぐっと指を立て、自信堂々と宣言するハクロ。


 姿は美しいが、そのそぶりがちょっと残念感がある…‥‥まぁ、ハクロだし良いか。



 一方で、ワゼは黒地のメイド服のままだが…‥‥実は少し風通しのいいものらしい。


「まぁ、私はメイドゴーレムですので、暑かろうと寒かろうと大丈夫なのデス」

「本当に?」

「エエ」


 ロボットとゴーレムは違うので、冷却とかそういうのは関係ないようだが…‥‥でも、考えてみれば、ワゼって汗をかいていたことがあったっけ?いや、ないかな?


 何にしても、今日はたっぷりと観光を楽しむべきだろう。


 楽しみに思いつつ、まずはこの首都内の中でも賑わいが多そうな方へ、僕らは向かってみるのであった。








「へいへーい!!安いよ安いよ!!今日はお値段が銀貨レベルのものが、銅貨になっているよー!!」

「いーや!!あのインチキよりもこっちの方が良いぞぉ!!産地直送、偽装なしの鮮度良好!!」

「ほーいほ!今なら南方で取れたウルトラドスコイアンを銀貨3枚の価格だぁ!!臭いは強烈すぎるが、モンスター避けも兼ねられて一石二鳥だ!!」

「腐腐腐!!本日は新しい書籍が10冊入荷した!!騎士団長と魔導士長の者が多い腐腐腐腐腐!!」

「やぁやぁやぁ!!何やらこの数日で急に必要となったらしい血止め、滋養低壮があるぜ!!」


 首都内の市場と思われる場所に来てみたのだが‥‥‥何と言うか、都市以上の活気である。


「うわぁ、色々と呼び込みもやっているな」

「おお、なかなか見られないようなものが多いデス」

【何かものすごく臭うものが…‥‥あれからは離れましょう!!】


 活気が良いのだが、漂う腐臭にハクロが鼻を抑えているが、たぶんあのウルトラ何とやら…‥‥ドリアンみたいな果物のせいだろう。


 よく見れば、モンスター避けともあるし、ばっちり効いている証明がなされたようだ。


 でも、人間にも効いていないかな?あの店だけ思いっきり人が離れているじゃん。何を考えて出したのだろうか…‥‥あ、周囲の店が怒って殴り込みにいったな。



 何にしても、こういう市場には何か面白いものがありそうだ。


 とりあえず、色々と回ってみることにした。


「この店は魔法屋用の道具もあるのか」

【へぇ、帽子とか‥‥‥ああ、これマジックアイテムですね】


 魔法屋用の店もあって、どうやら魔法屋に役立つ様な品物が豊富である。


 魔法の威力を上げたり、魔力の消費を抑える様な道具など、面白いのが多い。


 というか、魔女のような恰好一式ってのもあったが、どう見ても露出多くないか?



 首都内で冒険者も多かったせいか、武器屋もあった。


「こっちには弓矢など、武器もありますネ。まぁ、私の場合は内臓武器にいくつかあるので、いりませんが‥‥‥それでも、ちょっと欲しくなりマス」

「え?そうなのか?」

「こういう弓を、メイド服に仕込めるように改造すれば、いざという時に扱えそうですカラネ。内蔵武器があれども、外部からも使えるようにしたほうが都合が良かったりするのデス」

【それはそれで、余計に厄介になりませんかね?】

「むしろそれってメイドとしてはどうなのだろうか…‥‥」


 これ以上、戦闘力を上げてどうするというか、何と戦う気だろうか?


 いや、そもそも電磁砲モドキみたいなオーバーテクノロジーの塊を搭載しているよね?



「おお、これは新しい調味料か。‥‥‥コショウ、塩はまだわかるが…‥‥なんだろう、このヘドロみたいなやつは?」

「ああ、ダッシーンという調味料のようデス。ただ、これは変わった調味料なのデス」

「どういうやつなの?」

「正確には出汁を取るためのものですが、普通のは茹でますが、ダッシーンは搾るのデス」

【どういうことですか?見た目的にはどう見ても液状で、搾れなさそうなのですが‥‥‥】

「データですが、どうも水に入れると固形のような性質となり、搾れるようになるらしいのデス」


 なんというか、不思議な出汁との取り方をするものもあるのか…‥‥やっぱりこういう場は面白いな。




 っと、ある店の前を通ったところで、ふとワゼがある店の前で足を止めた。


「っと、これは中々‥‥‥」

「どうしたのワゼ?って、人形屋?」


 どうやらこの店は、小さな人形をいくつも売る店らしい。


【ワゼさんは人形に興味があるのでしょうか?】

「いえ、正確にいうならば‥‥‥まぁ、ゴーレムなところがデスネ」


 え?これゴーレムなの?


 よく説明を読めば、小型のゴーレムと書いてあった。


 とは言え、ワゼのような精巧なものではなく、子どもが遊ぶときに決まった返事を返すだけのおしゃべり人形のような物らしい。



「‥‥‥そうです、ご主人様。3体ほど購入しても良いでしょウカ?」

「別にワゼが買いたいなら良いけれども、買う意味あるのかな?」

「ええ、ちょっといい案を思いついたのデス」


‥‥‥なんだろう、今すごい不安を覚えたんだけど。


 でも、ワゼがこうも買おうという意思があるのは珍しいので、せっかくなので購入することにした。


 ワゼが買ったのは、3体セットの人形…‥‥メイド服を着た、小さなものである。


 メイド同士の共感があったのかは分からないが、購入後ワゼは丁寧にそれらを自身のメイド服のポケットの中にしまうのであった。


 後で何かに利用する可能性もあるが‥‥‥まぁ、ワゼの好きにすればいいか。




‥‥‥ただ、この時僕は思っていなかった。


 ちょっとワゼがある実験を行うために、人形を購入していたという事を。


 とは言え、悪い事ではないのだが…‥‥ツッコミ要員が欲しくなるのであった。




ほのぼのと観光を楽しむシアンたち。

とは言え実は、その裏では色々動いているのだ。

知らない方が良い事なのだろうけれどね

次回に続く!


…‥‥デフォルメ、ゆるキャラ化、ミニバージョン‥‥‥色々とね、あるんだよなぁ。

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