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#421 ちょっとしたロマンは欲しいのデス

SIDEシアン


 ワゼの手による島作りもいよいよ大詰め。


 あちこちに必要な施設は建設し終わり、住み着く人たちも何かと出てきてにぎやかではある。


 神獣たちも各々好きなように住まい、温泉が湧き出て皆が癒されつつ、島自体が動く試験運転もうまくいった。



「というか、普通に島が海を進んでいくのは何処か違和感があるなぁ…‥‥」

「一応、海を進む分海水の抵抗もありますし、そのあたりも調整済みデス」


 海の天気は気まぐれなところもあり、暴風雨が吹き荒れているところもある。


 そう言う場所も回避して進めるようにしつつ、むしろ突撃しても島全体が大丈夫なように潜航するなどの芸当を見せられた。


‥‥‥島が海の中に沈むって、安全性を確保してやっていても、実際に見ると結構怖い。


 なんか住んでいる場所が沈没するような映画とかあったが、あの沈没地域の人の気持ちが分かったような気がする。



 何にしても、航行、潜航などもうまくいき、島の稼働自体はおおむね成功らしい。


 エネルギーを行き来させる配管などはまだまだ調整する部分があるようだが、ここまでくるともう完成と言って良いほどだ。



 だがしかし、こういう島作りの完成のためにもやらなければいけない作業があるようで‥‥‥


「船であれば進水式があるけど、それの島版を行うの?」

「そうデス。とは言え、流石に最初から海の上に浮いている島なので進水式とはちょっと違いマス」


 船の場合、造船所から出る際に進水式という儀式があったりする。


 前世の知識もあったが、この世界にも似たような物は存在しており、船を作る際にはその儀式は一応やるらしい。


 やることによって沈没しないようにだとかそう言う意味合いの儀式らしいが、この島にも似たようなのをやる予定だとか。


 とはいえ、島なだけに船とは違い、最初から海に浮かんでいるものに瓶を当てるのは意味がない。


 なのでこの際、島作りと同時並行している作業があって、それが終わると同時にまとめて宴を催す予定なのだとか。


「まぁ、そちらの作業は後一月ほどかかるので、それまで時間がありますけどネ」

「並行作業って、何をしているんだよ…‥‥」

「海に島を作るのであれば、陸地と空にも似たようなのがあったほうが揃って良いかもしれないという案が出ましたので、そちらの方を建造しているのデス」


‥‥‥空と陸?


 要は、水陸空とひとまとめにして見たいのだろうか。というか、その言葉が出るってことは‥‥‥


「この島のように、滅茶苦茶とんでもない類を作っているってことで良いよね?」

「ハイ」


 まぁ、事後承諾になる感じがするが、このぐらいなら文句は言わない。


 ちょっと前にあった彼女達の命の危機になるようなことを言われるのはともかく、そう言う類ではないのであれば、ある程度許容範囲である。


 とはいえ、海に浮かぶ島でこれだが、空はまぁなんとなく某天空の城のイメージがあるのでわかりやすいが、陸地の方が謎だ。


「というか、陸の島って言い方になるような‥‥‥いや、それだと何か違うような」

「一応、島とは違うと言いますか…‥‥動く城みたいなものですカネ」

「空の方に城が付くイメージがあるのに、陸のほうに動く城?」


 どういうことだと分かりにくくなったような気がするが、まぁ建造が終わったら見ればいいかもしれない。


 不利益を被るような類でもないようだし、水陸空でそろえるのはちょっとしたロマンがある感じがするから問題ないか。


 そう思いつつ、とりあえずは完成するその時まで待つことにするのであった‥‥‥‥





――――――――――――――――――

SIDE預言者


…‥‥久し振りというか、あのメイドが神聖国に訪れてから数日が経過した。


 とあるプロジェクトというものを立ち上げたらしく、神聖国内でもそれはいいかもしれないという賛同がなされ、予言して見たところやってみても悪くはないという結果が得られた。


 なので、それに本格的に参入し、協力に応じて見たのは良いのだが…‥‥



「…‥‥何と言うか、これはこれですさまじいというか‥‥‥これ、陸地で動いて大丈夫な類か?」

「大丈夫デス。ディングルア王国デノデータヲ参考ニ、陸地稼働テスト済ミデス」


 預言者の問いかけに対して、この地にやって来たメイドの姉機というか、試作機体という類でもあるゼロツーはそう答える。


 現在、神聖国の一角を借りての建造作業を行っていたが、こちらでも空の上で行われている作業同様に様々なモノたちが取り組んでいた。


「使ワレル事モナク次元断層落チシタ機体ヤ、一時期計画サレテイタ姉妹機デノデータナドモ含メ、フロンタチノ方デ詳細ナ計算モシテオリ、陸上デモ問題ナク稼働デキルデショウ」

「さらっととんでもない計画が漏れ出たような気がするのだが…‥‥」


 ゼロツーの言葉の節々にあった不穏な言葉に、思わずそうつぶやく預言者。


 まぁ、彼女達が行う事であれば問題はないとは思うのだが…‥‥それでも、完成予想図を見ると本当にこれが動くのかどうかが疑問に思ってしまう。


「一応、騒ギニナラナイヨウニ、特殊迷彩ナドモ施シマス。要ハ内部ニイナケレバ見エナイヨウニスル移動スル巨大透明箱デス」

「箱という割には作っているのは城なのだが…‥‥これが見えなくなるのかぁ」



 まぁ、見えないほうが都合が良いというものもある。


 そのものが形としてそこに存在しているからこそ、それを目指す者も当然出るだろうし、狙ってくる輩も出るだろう。


 だからこそ、そう言う輩たちから守るためにも、ある程度の防衛機構があってもおかしくはない。


‥‥‥そもそも、襲った時点で多分死亡が確定してこの世から消されるとは思うのだが、そこにはツッコミを入れないのであった。


「しかし、こうもあちこちから人材というか、その手の人が来るというか…‥‥そちらの上のメイド、どうなっているんだい?」

「サァ?私ヲ元ニ生ミ出サレタ妹デスガ、不明デス」


 この目の前のゼロツーを試作機として、その後に生み出されたメイドのワゼ。


 何処をどうしてああなったのかはわからないし、元となったゼロツーでも完全な把握は出来ないそうだ。


 それでもまぁ、敵対さえしなければ頼もしくもあるので文句はない。


 しいていうのであれば、時折送ってくるものに関しての味付けがどんどんうまくなりすぎるので、元の味を忘れないような素朴な物も頼みたいと思うぐらいだろうか。



 何にしても、どんどんと建造されていくそれを目にしながら、預言者は完成予想図を見ながら本当にこういう風に出来上がっていくのかと疑問を抱くのであった…‥‥


「チナミニ預言者ノ義体ヲ参考ニシタ部分モアリマス」

「どの部分が?」

「ココノ稼働領域ニ使用スルモノデス。常人ガ見レバ発狂確定ナノデ、ソノカモフラージュ壁モ厚クスル必要ガアリマス」

「‥‥‥発狂素材を使うのはどうなのだろうか」

「義体ノモデルトナッタ方モキテマスノデ、ソチラノモザイクガ大変デスケレドネ」

「モデルとなったって…‥先ず来た時点で色々終わるような気がするのだが」


‥‥‥ここで働いている人たちが、まず大丈夫なのかという疑問が大きくなるのであった。

預言者の義体の一つのモデルって、クトゥルフ系だったりする。

まぁ、それは置いておくとして、なんか海だけだったのにいつの間にか増えていた。

全部そろってようやくひとくくりするのだろうが…‥‥大丈夫かなぁ?

次回に続く!!




‥‥‥なお、ゼロツーはドジっ子な部分もあるが、流石にここでは発揮しない模様。

改修されたか、はたまたはその名状しがたき来てはならぬような類がいるせいなのかは、読者の皆様のご想像にお任せします。

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― 新着の感想 ―
[一言]  エネルギーを行き来させる配管などはまだまだ調整する部分があるようだが、ここまでくるともう歓声と言って良いほどだ。 「もう歓声」 → 「もう完成」 でしょうか?
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