#416 手を出すところは何気に多くデス
SIDEシアン
‥‥‥正直、こうなる可能性も考えてはいた。
何しろ彼女は箱の中に世界を作り出したり、トンデモ技術でトンデモ道具を作り出したり、色々シスターズを増やしたり…‥‥
「‥‥‥あれ?今やっている事よりも、そっちの方がはるかにすさまじい事のような気がするような?」
【そう考えると、今目の前で行われているのはまだ小さい事なのでしょうか?】
‥‥‥ああ、うん、僕らちょっと毒されてないか?
そう思いつつ、目の前でがががっと音を立て、海の中から湯気が上がる光景を見る。
そしてゆっくりと、何かが浮上してきて…‥‥真っ赤な溶岩がぶっばんっと溢れ出した。
海底火山が噴火し、新しく島が産まれているこの光景。
だがしかし、この海底火山の噴火は自然のものではない。
「‥‥‥良し、計算通りできましたネ。教育用自然の仕組み用映像教材にもなりますし、新しく開発が可能ですネ」
「計算通りって‥‥‥島作り出すこともか?」
「ハイ」
工事現場などにあるような安全用のヘルメットを気分的にかぶりながら、僕の問いかけに対してワゼはそう答える。
そう、目の前に今着々とできている新しい島には、思いっきりワゼが関わっていた。
なんでも、新しい技術などを着々と集めている中で、ふとこれらをフル活用した特殊な施設を作りたくなったそうで、そのためにわざわざ新しい島を今、創り出しているのだとか。
めったに見られない新島生誕という事で、僕らも見学には来たのだが…‥‥こうやってみると、改めて彼女の技術の無茶苦茶さに度肝を抜かされる。
「でも、そういう施設を作りたいのなら、箱とか球があるよね?何でそっちで作らなかったの?」
「あれも一応、道具の類ですし、保管場所が必要になりますからネ。ある程度の場所の確保は可能なのですが、それでも置く場所などを考えると万能と言い切れないのですヨ」
色々と作り出せる道具は多くあれども、最終的な保管場所に悩んでもいたらしい。
なのでこの際、全部まとめてできるような場所も作るために、こうやって島を作っているようだが…‥‥
「まぁ、海底火山を利用しましたので、地下からのマグマが危険ですが…‥‥そちらの方も対策できましたし、土台ができれば工事を行いますネ」
「あくまでも、あの新島誕生は土台になるだけなのか‥‥‥‥」
なお、こういう新しい島誕生などに関して周辺諸国の領土問題が起きそうなものだが、この海域は特にどこの国のものでもないし、問題ないのだとか。
あとは一応、通達はしているようで、そんな簡単に手を出せないようにもしているらしい。
「ふふふふ…‥‥今まで色々とやってきましたが、島を作って0からの大改造は腕が鳴りますネ。ご主人様用の新規別荘作りもちょっと兼ねまして、本気で取り組んでみましょうカ」
「別荘ねぇ…‥できれば景色が良い場所とかお願いするよ」
「了解デス」
今さら止めることもできないし盛大に島を作るという事をやらかしている時点で、そもそも止める気もない。
とはいえ、技術力に慢心しすぎずにしっかりと気を付けるように言っておくのであった…‥‥まぁ、何かというのを諦めているとも言えるけどね。
「慢心はしまセン。それで破滅する方々を記録してますし、便利さの裏での危険も熟知してますからネ」
「記録?そんなことしていたっけ?」
「学習教材用に各地で記録を集めているのデス。とは言え、中には面白い冒険活劇や伝承、悲恋にミステリーなども集まってしまいまして…‥‥なぜこうも、人というのは何かとできる者なのでしょうカ?」
「んー、そんなの尋ねられても分からないんだけどなぁ…‥‥」
‥‥‥でもなんか、気になるな。今度それら全部、見せてもらおう。
「ついでに悪魔ゼリアスさんからも、いくつか本にして欲しいという話もありましたしネ」
「それは僕も欲しいかも」
【私も読んでみたいですね】
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SIDE ハルディアの森・湖の地下室
…‥‥何かと盛り上がっている丁度その頃。
その話しもまた、しっかりと記録されていた。
その場に残されているのは、今後移動予定の様々な道具や記録であり、今もなお新しいものがどんどん保管されていく。
その中で、今行われている会話内容すらも記録する道具が稼働し、着々と記録を積み重ねていた。
カタカタカッっと音を立て、用紙に文字を移しているかと思えば、その映像を絵にして並べていたり、あるいはその映像そのものを記録していく。
何もかも着実に積み重なり、どんどん増えていく記録の数々。
溢れ出さないようにしてはいるのだが、その保管場所に関してそろそろ限界が来ているので、移動の時を待っているのであった‥‥‥‥
盛大にやらかす気はしていた。
けれども許容範囲と言えば範囲なので問題ない・・か?
まぁ、それはそれで面白そうなので別に良いか
次回に続く!!
‥‥‥やらかすとは思っていたが、どう改造するか。




