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#406 分かっていたのに自然すぎる時もあるのデス

SIDEシアン


‥‥‥いい加減学習しておけよ、と自分にツッコミを入れたくなる時はあるだろう。


 だがしかし、こうも自然な流れというべきか、最初は普通っぽくしておいて、徐々にずらされても分からないというべきか…‥‥うん、何とも言えないだろう。


 そう思いつつ僕は今、ボラーン王国内に作られ、早数年が経過したワゼお手製の学び舎から、校庭のその光景を見ていた。



 校庭にいるのは、ただ今体育の授業を受けている生徒たちであり、運動をしている光景のはずである。


 だがしかし、その授業内容が‥‥‥



「木を軽く飛び越えたり、裂け目を飛び越したり、飛び出してくるゴム弾を難なくかわしまくったり…‥‥何でみんなの身体能力が色々とおかしくなっているの!?」

「授業のたまものデス」

【さっき工作室で、工作の授業をしている光景を見ましたけれども…‥‥そっちはそっちで、それぞれワゼさんレベルは無理でも高度なミニゴーレムを作っていたのは何でしょうか?】

「それも授業のたまものデス」

「国としては良い事なのかもしれないけれども‥‥‥‥詩文とか数学とかもありえないレベルになっているのは何故ですの?」

「そちらも授業のたまものなのデス」

「【「回答になってなーい!!」】」


 ワゼのその説明に、僕等は思わず揃ってそう叫ぶ。






…‥‥数年前に、ワゼがこの学び舎‥‥‥名称は普通にボラーン王国学園を建設した時は、まだ内装なども普通だった。


 授業レベルも確かにその年代の子供たちが学ぶには適している類であり、そこまで変ではないなぁと思っていたが‥‥‥年月を経て、色々ツッコミどころ満載になっていた。


 廊下は自動歩道となって、遅刻しそうな生徒には間に合うように補助しつつ、運動不足にはならないように体育の運動量を増やす。


 数学や国語などに関しては、最初は適している状態かと思えば気が付けばミレニアム懸賞問題レベルの奴へ。


 工作の授業などもあって、これは普通に遊び心的な物かと思いきや、だんだん学年が上がっていくにつれて作る物がとんでもないものへ。


 給食などもこちらは栄養バランスが考えこまれつつ、家庭科の授業にも組み込んで生徒たちが全員フルコースセットまで作れるように‥‥‥‥っと、まだまだあるが、どう考えても前世の時の学校以上とんでも学園に変貌していたのである。



「何をどうしたら、こんな自然にとんでもない生徒たちを生み出す学園へ変貌させるのだろうか‥‥‥」

「ワゼさん、数年前の建設時には、09などからのデータをとか言ってましたけれども…‥‥それ、本当に使ってますの?」

「使っていマス。まぁ、09のデータからは先生方の教育熱心な姿ぐらいですが…‥‥その他は別の方々に教授を願い、組み合わせたのデス」


 ワゼいわく、この数年の間にさらにシスターズも増やし、情報収集のために手を広げていく中で、より高度な授業方法を会得し、ここで実践してきたらしい。


 この学園を担当する教員シスターズには生徒や授業に対する熱心さも組み込みつつ、生徒たちに各自の技術を伝えられるように教育プログラムも入れ、その結果が今の生徒たちのようだ。




…‥‥なお、この学園には娘たちも入学済み。


 最初は普通に学び、教えたりして勉強等を楽しめていたが…‥‥数年ほど経て、内容が明らかにぶっ飛んで来たので改めて見に来たらこんなことになっていたのである。


 定期的に見に行けよと思うかもしれないが、ワゼだから流石に危険な事はしないだろうとちょっと油断していたし、評判自体も街中で聞いたりして悪くは無さそうだったのだが…‥‥これはもう、何とも言えない。


「というか、これでまだ小学校ぐらいだからなぁ…‥‥‥」


 数年経ったが、卒業まではまだ時間があるだろうし、その頃合いになると新しい学年向けの学び舎の建造予定もあるらしい。


 どんどんとんでもないものになっているとは思うが、毎日をここで過ごす生徒たちにはその変貌は実感しにくいようで、気が付いたら他国よりも進み過ぎていることになっているだろう。



「…‥‥悪くはないのは、まだ良いか」


 学校という場では、いじめとか成績不良、引き籠りなどの問題が起きる可能性があった。


 けれども、この学園が作られたあとは落ちこぼれなどもおらず、いじめなども引き起こされていない。


 というのも、教師陣営が常に生徒たちを気にかけ、何か自信がなければ別の場所で自信を付けさせ、r近いできないようであればより創意工夫を凝らして理解させ、生徒たちの関係に関してもしっかり目を光らせている。


 生徒たちは生徒たちで、自発的な考え方などもしっかりするようにしており、互に友情や努力などで競い合い、いい関係を自然と築き上げるようにしているようだ。


 一応、貴族・平民などもあるので権力関係などでのトラブルも想定していたが‥‥‥暗黙の了解として多少の差はあれども、互にその差を感じさせないほどの団結力を持たせたり、あるいは出来ないことを補い合い、絆を深め合っているようである。


 教育機関にありがちな問題が、ここでは一切ないのはすごいが‥‥‥‥何だろう、こういうところで学びたかったと前世の自分が行っているような気がする。


 なお、数年経た今、他国からの留学生も検討しているようだが…‥‥このレベルになっているが、大丈夫なのか?精神的な意味で。


「そこもきちんとケアできるようにしていマス」


 サポート体制も出来上がっているらしく、他国からの留学生で有ろうとも平等に扱い、教育を真面目に受けさせる。


 問題児だろうが何であろうがここで必ず教育し、問題を失くしてしまうようだ。


 

…‥‥やり過ぎているような気がしなくもないが、悪い事もない。むしろいい事も多いのだが…‥‥生み出す生徒たちを超人化していくのはどうなんだろうか。


 何とも言えない後悔もしつつも、将来を考えるとこういう学び舎によって馬鹿者とかも駆逐されていくだろうし、長期的な目で見ればいい事なのかと、僕たちはそう思うようにするのであった…‥‥



「というか、普通はこうなる前にどこかで気が付きそうなものなのになぁ‥‥‥」

「わたくしたち、何処かでワゼさんに毒されていて、異常を自然に関していたのかもしれませんわ‥‥‥」

【ワゼさんお手製教育機関…‥‥恐ろしいですよ】


‥‥‥でもこういう学び舎の方が良いのかも知れない。もれなく超人社会大量発生するだろうが。




 

考えて見れば、こういう学び舎があったほうが世のためでもあろう。

悪人も作らず、生徒たちを学ばせ、個性を引き延ばし、どんどん良くしていく。

そう思うと悪くもないが‥‥‥‥やり過ぎ感あるなぁ。

次回に続く!!




…‥‥正直、こんなことを言うのはどうかと思うが、ファンタジー世界ならばこういう超学び舎的なものもあっておかしくないんだよなぁ。でも、あまり見ないので思い切ってやらかしてみた。

これ、将来的にはとんでもない生徒たちをどんどん出すが‥‥‥‥その時はその時で。

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