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#377 深くは考えないようにしつつもデス

SIDEシアン


【おー!こっちが白チビが新しく産んだ娘たちか!ノルンにエイル、良い感じの名前だな!】

「ふふふ、続けて妹が出産したラクスにレイアも負けてないわねぇ~。ねぇ、ポーラン」


 ボラーン王国王城内にて、本日はハクロの義姉でもあるケンタウロスのルルに、ミスティアの姉であり、先に出産を終え、産んだ子供であるポーランと共にアルティアが訪れていた。


【ふふふ、二人ともこの人があなたの叔母にあたるとも言えますよ~】

「こっちは完全に寝てますわね。熟睡する図太さは、ちょっと将来気になりますわ」


 ルルとアルティアに見せ付けるように、仲良く娘・息子たちを持ってハクロたちがそう答える。




 先日の魔王に続け、本日は彼女達の姉であり、関係上僕の方にとっても義姉となった人たちだが、娘たちに関しての知らせは嬉しかったようで、今は昼寝しちゃってぐっすり寝ている娘の寝顔を見つつ、和気あいあいとしていた。


 なお、アルティアの夫である王太子‥‥‥いや、あの国王が隠居し国王となった人は、現在自国で留守番中。


 流石に色々あり過ぎたのもあって、まだ少々ごたつくことも多く、彼女しか出ることができなかったようである。


 ついでにルルの同僚のララとかも、実は有休をとって見に来ようとしていたらしいのだが、こちらはこちらでどうも別件で呼び出され、泣く泣く有給が潰されたのだとか。


 何にしても、家族そろって娘たちを見るのもいいもので、本日の天候も穏やかなものである。


「でも、寝ているなぁ‥‥‥起きていたらより元気な姿を見せられたのにね」

【まぁ、さっきまで遊んでましたからね…‥‥ワゼさんの作った新しい遊具内で全力でしたもの】

「まだまだ増設予定ですが、成功しているかと思われマス」


 そう、今娘たちが寝ているのは、昨日完成したワゼお手製の箱から進化した珠、更にその中に多数の遊具を取り揃えつつ、飽きることが無いように工夫した遊び場で遊びまくっていたからである。


 ラクスにレイアはまだ人間の赤子なので遊ばずに寝て起きての繰り返しに近いが、ヒルドたちは普通に動けまくってしまうので、その暴れっぷりを抑制するために、目の届きやすい空間で遊ぶようにしたのである。


 まぁ、それでも行動範囲が凄まじかったが。


 あらかじめ予想して、そうとう内部を広くしてもらっていたはずだが…‥‥それでも、とんでもないほど動き回ったからな。


 もはや野生に戻る気もない子フェンリルのクロも一緒になったせいで、より広く動いていたからなぁ‥‥‥正直、今の時点で足が疲れて動けなかったりする。まぁ、休めばすぐに回復するけれども‥‥‥


【うーん、でもゆっくり寝ているようだけど、全員白チビの幼い時のように相当動き回っているようだな】

【見ただけで、分かるのでしょうか?】

【だてに面倒は見ていない。それに騎士でもあるから、相手の状態を見てどの程度の身体能力を有すのか見る鑑識眼も必須だからな】


 ハクロの問いかけに対して、自信満々に答えるルル。


 ハクロの幼い時もそれ相応の凄まじさがあったようだが…‥‥ちょっとその時代にいなかったのは残念かもしれない。


 でも、娘たちの暴れっぷりを見ると、心労とかもすっごいありそうだよなぁ‥‥‥遺伝ってやつか。


「ふふ、ポーランもお休みのようですし、横で寝かせるわね~」

「いいですわね、姉様」


…‥‥ミスティアたちの方も、アルティアの産んだ子を並べ、ちょっと赤子3人がそろった光景は微笑ましい。


 でもちょっと違うとすれば、あちらの方が先に生まれたので、ちょっとこっちの方が小さいぐらいか。


「そう言えば、この子の名前ってポーランなんですね。名前の意味とかは?」

「故郷のこの、ボラーンに似た感じが良いなぁと考えて、名付けたのよ。夫も賛成してくれたし、この子女の子だから似合う感じもするわよね~」


 そういうものかなと思いつつ、そろって寝る赤子たちを見るとやはり微笑ましく想えてそんなことは気にしなくてもいいように思えてしまう。


「ああ、それとミスティア。貴女の方にはもう知らせは来ていたかしら?」

「え?知らせって何ですの?」

「マイーナ兄様から、最近子供が生まれたという手紙があったのよね~」

「へぇ、兄様から…‥‥え?マイーナ兄様?」

「ああ、その情報は昨日、掴んでマス」


 アルティアの言葉に対して、驚愕した顔になるミスティアに、報告を告げ始めるワゼ。


…‥‥マイーナ・ザ・ボラーンとは、ミスティアたちの兄であり、ボラーン王国の第1王子であって、ミスティアよりも継承権が高かった人物。


 何事もなければ王になっていたかもしれないが、色々とあり過ぎた事件以来第2王子共々行方不明になったらしいのだが、一応生存は確認されており、密かに賭け事が行われていた。


 というのも、その第1,2王子たちはなんというかひたすらモテ、ストーカーが白昼堂々参上するほどであり、色々と大変だったそうである。


 で、いなくなった原因も彼等に好意を示す女性たちが決起して一致団結して襲撃し、そのまま拐われたことが原因であったはずだが…‥‥



「海も超えた先で、今は暮らしているそうですわね。ただ、半分軟禁のハーレム生活らしいのよね~」

「それって大丈夫なのか…‥?」

「国際問題になりかねないかと思われましたが、調べたらどこかの無人島に定着し、現在は自給自足の生活で生き延びているようデス。中々優秀な女性たちが多かったようで、現在もたくましく海を越えての貿易などに励み、ちょっとした小国が出来上がったようデス」


 あの軍団からは逃れられず、観念して性的な意味で捕食されたらしいが、それでも幸せは何とかつかみ取ったらしい。


 だがしかし、数が多すぎて自由になりにくく、半ば軟禁状態なのだとか。


「‥‥‥大丈夫じゃないような気がするんだけど」

「女性たちの方で色々取り決めが決められ、それなりにルールなどもしっかりして運営し、なんとか持っているらしいですからネ。ちょっとしたアマゾネスの国とも言えるでしょウ」


 関係上、義兄となる人たちの現在の境遇にどういえばいいのかが分からないが…‥‥まぁ、僕たちには何もできないし、幸せであればそれでいいかと思う。


 人知れずに血縁者が増えていた事実には驚きはしつつも、継承権の問題なども放棄しているらしく、そこまで気にしなくてもいい類らしいので、そうさせてもらう。


 というか、何十人どころではなかったはずだが…‥‥懐でかいなぁ。


 驚きつつも、それで良いならそれでいいと、僕らは全員そう思うのであった…‥‥


【‥‥‥まぁ、私もそろそろ夫が欲しいんだがね。白チビが子をなしたからこそ、私の方も探しているのだが‥‥‥いないんだよなぁ】

【姉様ってモテそうなのに、何ででしょうかね?】

【理想なども特に絞ってはないはずなんだが…‥‥精々、家事ができて、優しい夫が欲しいと思う位だぞ】

「それだと探せばいそうなものだよね?」

「あ、でしたらついでに、完成した試作品がありますが…‥‥それでちょっと試してみますカ?」

「「【【え?】】」」


‥‥‥何だろう、また知らされずに聞いたんだが。


 都合のいい試作品というらしいけれども、なんかこう、色々とやらかされそうな気がするのだが‥‥

新しく出来たらしい、ワゼお手製の試作品。

何と言うか、不安しかないが…‥‥彼女が作ったものだし、信頼は‥‥‥あるのか?

まぁ、解決できそうならそれはそれで良いのかもしれない。

次回に続く!!


‥‥‥意外に理想はまとも。ルル自身悪くもないはずなのだが‥‥‥男運がないのだろうか。

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