表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
396/459

#370 のほほんっと過ごしたいのデス

SIDEシアン


‥‥‥ミスティアの出産により、産まれた赤子たち。


 娘ばかりになるかと思いきや、男の子も生まれたので、ボラーン王国では第1王子・王女の生誕に対してお祭り騒ぎとなっていた。


 今はまだ赤子とは言え、それでも今のミスティア女王体制下での初めての王子王女誕生に喜ばない者はいない。


 国中総出で祝いにかこつけたお祭りが開催され、慶事という事もあって観光客なども増えたようであり、全体的に好景気を迎えていた。



「というか、すごいなこのお祭り騒ぎ状態‥‥‥」

「大々的に行われすぎて恥ずかしくも思えますが、それだけ喜んでくれているのでしょう」

【すごい騒ぎですよね】


 王城の窓から見下ろせるところでは、城下街で人々があちこちで笑顔でその騒ぎを楽しんでいるのが眼に見て取れる。


 騒動などはこれまで結構巻き込まれることが多かったとはいえ、こういう喜び合えるものは貴重であった。



「ふえ~ん!!」

「ぴえ~ん!!」

「あ、いけませんわね。二人が泣き出してしまいましたわ」

「騒ぎすぎるのも、問題だったか」


 外の祝い事の声に驚いたのか、寝ていた赤子たちが鳴き始め、僕等はあやしはじめる。


【ぴゃーい!ぴゃーい!】

「みー!」


 っと、娘たちの方もようやく姉という立場に立てたので自覚を持ったのか、加わり、泣き止ませようと色々してくれている。


「考えてみたら、ヒルドたちって結構成長早いけれども、この子たちの場合はどうなるんだろうか?」

【んー、どうなんでしょうかね?】


 ハクロから生まれたことたちは、全員人外と言っても良い。


 けれども、ミスティアとの間に生まれたこの新しい赤子たちは、ワゼの検査ではほぼ確実に人間らしく、ちょっと予想が付きにくいのである。


 成熟が早いか、それとも普通の赤子と同じとすべきか…‥‥そこが今、気になる点であった。


【にしても、シアン。またいい名前を付けましたよね】

「ああ、そう思うか?」

「思いますわね。この二人‥‥‥ラクスにレイアって、しっくりきますもの」


…‥‥第1王子となる男の子には、ラクス。第1王女となる女の子にはレイアという名を付けた。


 もちろん、ただ名前を付けただけではない。


 先日の神ロキの襲撃もあり、もし似たようなことがあっても確実にぶっとばせるような強い子に育ってほしいと思い、ちょっと良いのがないのか考え込んだところ、ロキのことでちょっとヒントを得た。


 目には目を、歯には歯を、ならば神には神をぶつけるような者で良いんじゃないかと思い、自分の考えられそうな、有名な神話などに出る神とか英雄のの名前をちょっともらったのである。


 ラクスの場合は、ヘラクレスから。神話の英雄の一人でもあり、色々と強いイメージが大きな存在。


 その名前からちょっと3文字ほど貰って、ラクスと名付けたのだ。まぁ、その英雄の逸話色々と物騒なものというか、変なモノも混じっていたりするが…‥‥そう言うことにはならないように、気を付けたいところ。


 レイアの場合は、美しい女の子に育ってほしいという想いから、有名な美の女神の名前の内、フレイアからもらったものでもある。


 ついでにちょっと悪魔ゼリアスに問い合わせて、それぞれの存在がいないか確認したら、実は該当する神々はいるらしいが‥‥‥詳しく話すとややこしいようで、深く考えない方が良いとも言われた。


 というかまず、あのロキが特例的な物であり、普通の神々が降臨することはないので、似たような名前をこっそり付けていても問題は無いそうだ。むしろ、成長の手助けをしてくれる場合もあるそうなので、それもちょっと打算に含めていたりもする。



 何にしても、新しく生まれたラクス、レイアの二人は、ミスティアから母乳を貰い、無事にスヤスヤとまた眠るのであった…‥‥


【寝て飲んで、寝て飲んでが多いですね。ヒルドたちも最初はそうでしたのに、なんでこうも違うのでしょうか?】

「やっぱり、成長が早いからじゃないかな?」


 そもそも普通の赤子、一年も経過しないうちに勝手に動かないと思う。考えて見たら、これがある意味人とモンスターの大きな違いとも言えるのか…‥?


「とはいえご主人様、問題もありマス」

「どうしたのワゼ?」

「ハイ。この国の新しい第1王子・王女が産まれた慶事は既に他国にも広がり、祝いの品々が届いていマス。ですが、それと同時にこちらが‥‥‥」

「‥‥‥‥見合い書?いや、まだ赤子なのにおかしくない?」

「政略的な意味合いとかで、即座に動く輩がいるのはわかりますが…‥‥我が子にそう言うのが来るのはちょっと嫌ですわね。いえ、女王という立場上、考えなければいけない部分もありますが‥‥‥」


‥‥‥何にしても、そんな違いがどうこうと話す前に、問題が山積みになっているようであった。


「ついでに奥様方に、こちらの手紙も」

「あ、姉様が産まれた子を連れて海を渡って来るようですわね」

【こっちも、同じようですよ。義姉さんが騎士王国で有休をとったので来るらしいですよ!】

「忙しいなぁ…‥‥」


できれば穏やかに過ごしたいのに、もう色々と来ているようである。

祝い、お見合い、姉来訪‥‥‥忙しいことこの上ない。

何にしても、騒動としては嬉しい方なのだが、落ち着きたいなぁ・・・・

次回に続く!!


…‥‥何気に赤子の名前決めに時間かかった。読者にわかりやすく、なおかつイメージ的にこうなってほしいと思うものを考えるのは大変である。本当にね、神話からあやかろうとは思っていたんだけど、調べるとちょっとアレなのが多いからなぁ…‥‥宗教的なモノとか考えたくないから色々やったけど、やらかす神々・英雄って多いな!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ