表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
390/459

#365 ちょっとは落ち着けるのdeath

SIDEシアン


…‥‥油断していたが故の、神の強襲。


 神の名はロキ、ワゼの調査では色々と不安定というか、面白がり屋というか、トリックスターというべきか…‥‥いや、そんなことはどうでもいい。


 今はただ、一つ言えるのは野放しにせずに、家族に手を出そうとしたことを後悔させるのみである。



「ふ~ん、この世界の中立の魔王か‥‥‥力としては、歴代よりも上か、っと!!」

「…‥‥」


 鋭い一撃で、大きな火の球を打ち上げたが、ギリギリで交わされた。


 ふざけたような話し方をしているが、ワゼお手製のトラップを詰め込んだところから抜け出した分、実力はそれ相応にあるだろう。


「おおっと、危ない危ない。まさか最初から全力で行かないと不味そうなぐらいとはねぇ」


 にやぁっと笑みを浮かべつつ、虹色に光る眼と髪の色が一瞬にしてさらに輝きを増し、どことなく威圧感を増大させる。


‥‥‥が、その手の威圧なんぞ、正直こっちには効かない。


 物理的に圧力もかかっているようだが‥‥‥怒りを持っているとはいえ、ここでやらかせば被害が出るのも目に見えているし、場所を移させてもらう。




「‥‥『トルネードブラスター』!!」

「おおうぅ!?」


 風の魔法を全力で放ち、特大の縦方向に突き進む風の竜巻。


 今度は直撃し、そのままロキの体を一気に王城の上から突き飛ばす。


 後を追って、魔力の衣を変形させつつ、火の魔法で加速してさらに出力を上げ、一気にかなりズレた地点までふっ飛ばした。



「っとっとっと!!押し出したってことは、大体ここで戦えば良いってことかな?」


 勢いよくある程度ふっ飛ばし、海上まで来たところで風の魔法を解除し、ロキとの戦闘場所をここに定める。


 海の上であればドッカンバッカンやっても誰も文句は言わないだろうし、いざとなれば氷の魔法で足場も作れる。


「とりあえず、この地点で‥‥‥全力で潰させてもらおう」

「ふふん、面白そうだね!やっぱり今の時代の、この世界の魔王は楽しめそうだ!」


 にこやかに言いつつ、輝きを増し、身を何か鎧のようなもので纏わせ、防御を固めるロキ。


 こちらも衣で自身を覆いつつ、ワゼお手製の様々な道具などを懐に持っておく。



「それじゃ、いっくよー!『シューティングスター』!!」


 掛け声を上げるかのようにロキがそう口にすると、魔法陣のような物が空中に現れ、大きな☆の形をしたものを打ち出してきた。


「『メテオストライク』!!」


 こちらも負けずに、大きな岩の塊を生み出し、ぶつけ合う。




 ズゥゥン!!っと超重量同士の物がぶつかり合い、衝撃波が発生。


 沿岸部に津波被害が出た可能性もあるが、そこまで気を回せるわけでもない。後でどうにかしたいところではあるが。


 まずは互に一撃をぶつけ合い、つつ、続けて二撃、三撃とぶつけ合い、更に無数の魔法をぶつけ、相殺しあう。


「なるほど、魔力量も魔法の質も桁外れ・・・・・なら、近接戦はどうかな!!」


 っと、ここでロキの方が素早く動き、剣をどこからか取り出し、こちらへ一気に接近して斬りつけてくる。


 生憎、こちらには剣の心得は余り無いのだが…‥‥武器に対しての武器であれば、所持はしている。


ガキィィン!!

「っ!?そっか、その衣って変化できるのか!!」

「さっきから見ていただろ!!」


 翼に変えたりして飛んできているところを見ていたくせに、剣に変形させて防御したところに驚くとか、どこに着眼点があるのだろうか。


「だけど、受け止めても剣の扱いは‥」

「一つなら無理だが‥‥‥これならどうだ?」


 そう言うのも分かっているので、コチラらとしてもすぐに対策はとれる。



「‥‥‥うわぉ」

「‥何も一つだけしか、剣を出せないとは言ってないからなぁ」


 無数の剣の形に変形させた衣を見て、阿保のように口を開けるロキ。


 だが、呆けている隙は無く、そのまま無数の剣の雨を降らせ始める。


「おととととととと!?流石に反則じゃないか!?」

「最初に家族を狙った不意打ちをしてきたお前が言える立場かぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 相手が神の類であろうとも、僕の家族を狙ったことは容赦しない。


 ただ剣の形にさせているだけではなく、刀身に炎や雷、氷などを纏わせて威力を上げていく。


 その剣の雨を受け切っているようだが‥‥‥‥一つ、言わせてもらおう。



 中立の魔王とも言われており、普段そこまで戦闘しない僕自身、こういう戦いの場になれているとはいいがたい。


 ゆえに、今は勢いだけで押しているが、相手の様子を見ると余力があるようで、徐々に押してきているようである。


 魔王であれども、相手は神。力の差はそれなりにあるかもしれない。



「あはははは☆。中々面白いほど出てきたけれども、所詮これだけかな?最初は辛かったけど、楽になって来たね!!」


 笑い声をあげ、対処してくる神ロキ。


 だが、奴は気が付いていない。



「そうか、割と早く対応できるのか」

「そうだねぇ!面白い戦いだけど、慣れてきたら意味もないよね?」

「じゃぁ、ついでに言っておこう。最初から、誰が一人で(・・・)相手すると思った?」

「ん?‥‥‥んん!?」


 その言葉の意味に気が付いたのか、慌てるようにばっと後ろへ下がるロキ。


 その動き自体は、警戒のために様子を見やすいようにしてという狙いがあったのだろうが‥‥‥残念ながら、その動きは計算済みだ。



ジュドオオオオオオン!!

「どべっせぇぇぇい!?な、なんだ今の!?」

「ちっ、回避されたか」


 突然上から降り注がせた光線に気が付き、慌てて動いて回避されてしまったが‥‥‥まぁ良いだろう。


 この程度、予想の範囲内。


「魔法のそぶりもなかったけど‥‥‥そうか、助っ人がいるのか!?」

「ご名答」


 今の攻撃は、はるか上空で待機していたシスターズが放った光線。


「と言っても、正確には武器を遠隔操作してもらっただけだけどね」


 使用されたのは、ワゼお手製『魔導砲』ではなく、太陽光を収束させて放つ『ソーラーカノン』。


 本来の使用方法としては、適度に弱めて地上に照射することで植物の成長を促すのだが、わざと威力をおかしく弄ってしまえば、一瞬で下にあった海の一部が蒸発するトンデモ兵器になる装置である。


「ついでに言うなら、まだまだあるよ」

「…‥ハイ?」


 あっけにとられた顔をするが、そうさせる余裕を作らせない。



ジュドオオオオオオン!!

ジュドオオオオオオン!!

ジュドオオオオオオン!!

「ぎぇぇぇぇぇ!?なんかいっぱい降って来たんだけど!?」

「一回だけで、終わらせはしないからなぁ」


 そもそも一機だけではそこまでの範囲を照射できないので、多数用意されていたりする。


 正直、ワゼから聞いたこの装置だが、やりようによっては今のような扱い方ができるのでちょっと頭が痛くなったが‥‥‥相手にはこれぐらいでちょうどしい。


「おっと、上からだけで良いかな?」

「ひぃ!?」


 その言葉に気が付き、下に注意を向けたロキは、間一髪で打ち出されていた特大の針にビビった。


 上から光線、下から針。そして真横からはこちらの魔法。


「さてさて、どの程度持つのか…‥‥神なら、楽しませてくれるよな?」


 そう口にして、ワゼたちに任せずに、こちらも魔法をどんどん連射しまくり、ロキを追い詰め始めるのであった…‥‥




…‥‥まぁ、ついでに言うのであれば、まだ光線と針はステージ1ぐらいだったりする。


 物体Xガトリングとか、香辛料爆弾とか、糸張り巡らせ地獄とか、この後も無数に用意はしているのである。電撃、砲撃、氷結、爆炎‥‥‥‥等々ね。


 怒っていても、冷静に対応しつつ、相手を適度にじわじわと追い詰めましょう。後悔するのも遅いだろうけれども、そもそも後悔をさせる間も与える気はないからねぇ…‥‥はははははは。



絵面だけ見れば、どっちが悪なのかちょっとわからない状態。

でもまぁ、相手が先にやって来たんだし、こちらがしっかりと制裁すればいいだろう。

手段は選ばなかったが…‥‥お前もワゼの作ったヤバいモノの実験台である。。

次回に続く!!



…‥‥海の上でやる意味は無かったかもしれない。火山の上とかだったら、噴火も利用できたからなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ