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#345 以前とは違って、万全にデス

SIDEミスティア


「ふむ‥‥‥お父様からの手紙ですわね」


 女王としての仕事をひと息終え、休んでいたミスティア。


 そんな彼女に、フィーアがある手紙を持ってきた。



「フー?」

「ええ、どうやら温泉都市ネオ・オルセデスに浸かりに来ないかって話ですわね。あの人が政治をこちらへ押しつけて逃げたのですが…‥‥」


 元々、王族という立場は仕事が多く忙しい。


 今はシアンと婚姻を結び、ワゼのシスターズの協力を得られるようになって仕事の処理は早くなったのだが、それでも増加する時はあるのだ。


 しかも、先日ディングルア王国へ行って以来、どうもワゼの方がインスピレーションでも受けたのか様々なモノを作製し始め、それらに対応する各書類も流れ始め、やや忙しくなっているのである。






…‥‥とは言え、疲れてきた体を癒すのに、温泉都市へ向かうのも悪くはない。


 隠居した元国王の様子を見に行くこともできる上に、以前は向かう暇もなかったが、それでも現在はちょっと頑張りどころを見せれば、余裕をもって迎えるのだ。


「そう考えると、わたくしも随分と慣れましたわね」


 以前はそう簡単に終わらず、泣く泣く断念したことがある温泉都市。


 今は、余裕を持っていくことができると考えると、自身の成長に我ながら驚いてしまう。


「そう言えば、温泉都市には様々な湯がありましたっけ?」

「フー!」


 ミスティアの問いかけに対して、どこからか温泉都市のパンフレットをフィーアは持ってきた。


 それも、つい最近改修が入り、新たに増設された温泉などがぎっしりと詰め込まれたものである。


「効能がちょっとありえないのもありますけれども、大体気になる湯もありますし‥‥‥」


 一覧を見てそうつぶやきつつ、とある湯の存在に彼女は目を付ける。


 効能自体はシアンたちから聞いており、効果がありそうなとある湯。


 流石にそろそろ女王という立場上、早めに民も安心できるような、後継ぎを作りたい身としては、入りたい湯。


「‥‥‥よし!頑張って終わらせて、向かう事に致しましょう!」

「フーフー!」


 そう宣言するミスティアの言葉に、フィーアは応援するのであった。



――――――――――――――――――――――――

SIDE温泉都市ネオ・オルセデス



…‥‥あちこちから温泉の湯気が噴き出し、幻想的な光景を創り出している温泉都市。


 年々、いや、日ごとに新たな湯が採掘され、調査されては、入浴され、人々が癒しを求めている地。


 その盛り上がりは一国にもなりそうだが、この都市自体はあくまでもボラーン王国の都市の一つであり、独立する気もない。


 


 その上さらに、一応温泉ダンジョンという名目もあり、ダンジョンコアが人前に出るようになり、都市全体を治めつつ、沸せたモンスターたちを使役して、より人々をもてなしていた。


 一度は誰もが向かい、夢のような時間を過ごせる温泉都市。


 テーマパークにちょっと似た温泉も出ており、人々の往来はますます増加し、にぎやかさを増していた。




【‥‥‥そしてさらに、人以外も多くなったのぅ】


 そんな中で、神獣用の湯に浸かりながら、温泉都市に住まう神獣ファフニールのシグルドはそうつぶやいた。


【まぁ、この地の湯はどの神獣たちも求めるようになった】

【あの悪魔に漬けられた傷を癒す目的もあったが、ここの癒しはすごいからな】

【中には交代で、巣を離れてはこっそり来る奴らもおるからなぁ…‥‥】


 シグルドのつぶやきに対して、同じ湯に浸かる他の神獣たちはそう口にする。


 人々が多くなった分、どうもそれ以外の業界の間でもこの温泉都市は有名にあったようで、その一例として、以前はそれなりに知っていただけの神獣しか来なかったのに、今では神獣界隈で知る人ぞ知る名湯ともなっていた。


【まぁ、ココのダンジョンコア、いや、今は女将殿というべきか?あの方のおかげで、この温泉は発展しているからな。我々が浸かるのにも非常に都合がいい】

【ああ、そうだろうな。それなりに良い雰囲気もあるし、疲れも何もかも癒せるからなぁ…‥‥】


 だらーんっと神獣たちは力を抜き、湯に浮かぶ。


 一応、体質上毒を出す者や虚無に還す者、大雨を降らせる者などもいるが、そちらはそちら用に会った湯が用意されており、この場にいるのは、比較的まともに湯に浸かれる者たちである。


 もし、前世の知識があるシアンが見たら、某温泉映画の光景かよとツッコミを入れていただろうが‥‥‥生憎、そのようなツッコミを入れる者は、この場には不在であった。



【しかし、最近では物騒な噂もちらほらあるよな】

【ああ、温泉目当てから、よこしまな野望を抱く者たちか】


 発展し続け、活気づいている温泉都市には、大抵温泉を愛する者たちのみが集い、悪しき者たちが入らないようにしている。


 だが、外部からその温泉都市で得られるであろう利益を求め、手中に収めるようと動く者たちもいる事を、神獣たちは知っていた。


【だが、大抵の場合未遂だな‥‥‥いや、自爆して終わっているところが多いようだ】

【汚職、賄賂の証拠がばらまかれたり、色々と不都合なことが起きて、手が出せなくなるという話か】

【性転換させられたり、腹を下して迎えなくなったり、挙句の果てには盛大に空に打ち上げられたりと、摩訶不思議なことが起きているようだなぁ】


…‥‥知っていたが、それらすべてが相手の情けないような自滅劇が起きてしまい、誰も彼も成すことができていないという事も伝わっていた。


 噂によれば、ダンジョンコア自体が動いたともあるし、コアに協力するメイド服の者もあるが、真偽は定かではない。


 けれども、確実に温泉を悪しき目的で利用する輩を潰せているのであれば、どうでもよかった。


【何にしても、いまはゆったりと浸かるだけでよい】

【ああ、人々のそんな些事など、気にすることもないからなぁ‥‥‥】


 温泉の癒し効果で脱力し、堪能しまくる神獣たち。


…‥‥彼らもまた、温泉に影響を与えているのだが、そんなことも知る由もなく、今はただ単に、温泉好きの腑抜け神獣へと堕落するだけであった‥‥‥‥

さてさて、どうやら久しぶりに向かえそうな、温泉都市。

以前の向かった後は、シアンたちは子宝を授かり、娘たちを得た。

今回の場合は、どうなる事やら‥‥‥‥

次回に続く!!



‥‥‥温泉都市、結構久しぶりに書くんで、ちょっとダンジョンコアの設定の見直しと、色々自壊までの成長ぶりを見せようと思ってやったのは良いが…‥‥どうしようこれ。

某fでgoみたいなやつに似てしまった。いやまぁ、容姿自体はそれが出る前に描きもしたが、結構にているのは不味いような…‥‥

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