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#338 それなりに長い付き合いでもあるので、分かっていたりもするのデス

SIDEシアン


「‥‥‥まぁ、あっちはあっちで終わったか」


 まだ月明りもあり、星々が見える真夜中。


 僕はそうつぶやきながら、何となく収まった騒ぎに対してそう思った。



「ぐ、ぐげ、」

「っと、こっちもね」


 ビクン、ビクンッと痙攣して倒れている不審者に対して、魔力の衣で包み上げ、その声が漏れないようにして気を失わせる。


 軽い酸欠での気絶なので、後で後遺症が出かねないとも思うが…‥‥容赦する必要はないだろう。


 何しろここは、大事な妻や娘たちが寝ている場所なのだから。



「しかしなぁ、まさか他国内でこうも堂々と来るとは思わなかったな」

「フー」

【シャゲェ】


 僕のつぶやきに対して、同じく不審者に対して関節技を決めて落とし終えたフィーアに、縛り終えて壁の隙間から顔を出す、ちょっと数時間ほど前に植えたばかりのドーラの子株(?)のようなものが同意するようにうなずく。





 現在、深夜なのだがどうも襲撃者が出てきちゃったらしい。


 僕等よりもまずはワゼ狙いだったようで、彼女は外の方におびき寄せたようだが、こちらにもどうも狙う者たちがいたようだ。


‥‥‥とは言え、こういう時にワゼやシスターズ任せという事もない。


 魔王としての能力とも言えるこの魔力の衣が自動的に反応し、その動作で目が覚め、不審者共を僕は撃退したのである。


 まぁ、締め上げるよりも、あらかじめワゼからもらっていた護身用の丸薬タイプ物体X(強化型)を口へ放り込むだけのお仕事ではあったが。


 荒業苦手だしなぁ…‥‥寝ているハクロたちを起こさないように、静かに殲滅するのが大変だった。



「さてと、ついでにこういうやつらにはお約束というか、口の中に毒物を仕込んで自害とかもあるし、それが無いか確認しないとね」

「フ!」

【シャゲ!】


 シスターズのフィーアもしっかりと相手を確認し、植えていたドーラ(子株)も本体の方での記録があるのか娘たちへの襲撃へ対して、怒りを覚えていたらしい。


 しっかりと相手の口をこじ開け、自害されるような仕掛けが無いか確認した後、新型物体X‥‥‥のさらに改造された、最新型謎の物体トリプルデラックスとやらを仕掛けていく。


 仕掛けがないところに仕掛けを入れるのはどうかと思うが、狙ってきた相手なので、このぐらいの仕置きは良いだろう。


 しかし、一応僕らは今、このディングルア王国に来ている他国からの客でもあるし‥‥‥この襲撃者たちの黒幕って、国際問題になりかねないのを理解しているのだろうか?


 その事に関しては、後でしっかりとしておくか。


「‥‥‥ご主人様、手間をかけてしまったようですネ。申し訳ございまセン」

「いや、別に良いよ。何時もワゼがこっそり片付けたりするし、僕だって動きたい時は動きたいからね。謝られることはないし‥‥‥今はそれよりも、この親玉とかはもう判明した?」

「すでに吐かせまシタ」


 流石ワゼというか、どうやってやったのかは聞かないでおこう。


 うん、背後の方で縛り上げられている襲撃者たちの何割かは赤い泡を吹いていたり、赤い染みがあったりするが‥‥‥見ない方が良いか。取りあえず、ハクロたちへ見せないように処分して欲しいな。











‥‥‥翌朝、ハクロたちが起床し、僕等は彼女達に真夜中にあったことを告げておく。


【‥‥‥シアン、それ本当ですか?】

「ああ、間違いない。一応、綺麗に洗ってそこに縛り上げられているけどね」

「本当ですわね…‥‥これは少々、面倒なことになりますわ」


 僕ら、他国のものでもあるからね。


 ミスティアがこの国の王太子妃の妹であるし、彼女の寝台にも潜り込んでいるともいえるから、王族を襲撃したとも同じ。


 ついでに、中立の立場である魔王とされる僕の家族へ害をなしたともいえるし‥‥‥場合によっては大きすぎる国際問題となる。


 とはいえ、あの王太子夫妻に警備の責任を追及するような事はしない。


 王城内の警備があったとしても、何処かに穴がある可能性はあっただろうし、そこまで長期滞在をする気もなかった分、厳重にし過ぎる事もなかったからだ。


「ワゼいわく、おそらくそれがこの雇い主とかの狙いにあるらしいけれどね」

「狙いと言いますと…‥‥その責任追及をすることかしら?」

「そういうこと」


 王太子夫妻の責任追及を僕らはするつもりもないが、仮にしたとした場合、彼らは責任を問われることになるだろう。


 となれば、その隙を狙って利益を得ようとする輩もおり、今回の襲撃はその輩が原因でもあるようだ。


 まぁ、もう一つ別の目的を盛ったやつがいて、それと利害の一致があったようでもあるが…‥‥何にしても、こうして手を出してきたという事は、覚悟をしているんだよね?してなくても問答無用だよ。



「狙って来たのは相手だし、ここは一つ、他国だけどちょっとだけ暴れてみようか」

「‥…ほどほどにお願いしますわ。やり過ぎますと、それはそれで問題ですもの」

【シアン、すっごく悪い笑みですよそれ】


…‥‥中立の魔王という立場だけど、魔王に手を出したからには、しっかりと相手に知らしめよう。


 僕自身、家族を狙ってきた点に関して許すこともないし…‥‥地獄を見てもらわないとね‥‥‥‥



ワゼが動いている時に、いつも寝ているわけでもない。

しっかりとこういう時位、時分でも動くのだ。

‥‥‥さてと、それはそうとして、相手には地獄すら生ぬるいかな?

次回に続く!!


‥‥‥平然としているようで、内心滅茶苦茶怒っているなこれ。家族でゆっくり過ごして、皆で眠っているところへの襲撃だからな‥‥‥シアンじゃなくても、誰だって怒るわ。

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