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#303 じょきじょきっとデス

SIDE 05(フンフ)10(ツェーン)11(エィルフ)


「ふぅ…‥‥無事に出れたファ」

「疲れたデース」

「うわぁ、見るとグロイー…‥‥」


 合体を解除し、改めて周囲を見渡すフンフたち。


 キメラの腹をぶち破って脱出したのは良いが、外の光景は悲惨なことになっていた。


 ありとあらゆるものを溶解し、腐食する液体を持つ怪物だった故か、腹から出た際にその液体が大量に外部へ放出されてしまい、周囲がドロドロに溶解し、腐食していた。


 アンデッドも集まっていたようで、原型を留めない死体から、まだ辛うじて痙攣している者など、まさに地獄絵図。


 いくらシスターズの彼女達と言えども、この惨状は精神的に吐き気を覚えそうであった‥‥‥‥。





「‥‥‥ファ?あ‥‥‥まだ絶命していないファ」

「イ!?」


 っと、ここでキメラのほうを見たフンフのつぶやきに、慌ててエィルフが見ると、キメラの死体になっていると思われた物体が、まだ蠢いていた。


 破いた腹の部位、その縁から泡のようなものがジュクジュクと出てきて、徐々にその穴をふさぎ始めている。


 再生しているようであり、心臓を殴り抜いたというのに、絶命していない様子。


 その生命力の高さに、彼女達は驚愕する。


「このまま放置したら、また動き出すのデース?」

「間違いないファ。この様子だと、復活するファ」

「しぶとイー…‥‥」


 ならば改めて、フンフメインの合体フォルムで対処すべきかと考えていたところで‥‥‥


『その必要性は無さそうでござるよ』

「ファ?」


 通信が入って来て、フロンの言葉がかけられた。


「必要性がなイ?」

『その通りでござる。計算上、そのキメラは神獣を無理やり複合させた、合成された怪物。けれども、今ならまだ、その生命力を活かして分断する方法があると計算できたでござる』

「本当デース?」

『うむ』


‥‥‥フロンいわく、この合成された怪物は、複数の神獣の合成。


 何かしらの薬品やら道具などで無理やり合成した怪物であり、混沌となっているのでもう二度と治せないかと考えていたようだが‥‥‥計算してみると、救う手立てはあったようだ。


『無理やり混ぜられつつも、再生能力はあるようでござる。そもそも、生物の治癒はその形を覚え‥』

「単純に話すファ!」

『‥‥‥あー、要は、こちらからの指示で、じょきじょきっと切除して、縫い合わせれば良いでござるよ。混ざっているとはいえ、つぎはぎのような物。そのつぎはぎを正しい状態へ縫い合わせてしまえば、後は持ち前の再生力で綺麗に分裂して元の神獣個体に戻るはずでござる。もちろん、エィルフの癒しの力や、念のための緊急用医薬品セットを使用しつつ、混ざりけなく、きちんと正確に切除して縫い合わせるという難しさはあるでござるが‥‥‥少なくとも、正気には戻るでござろう』


 要は、つぎはぎなのだから、個々の状態に改めて切断・縫合し、適切な治療を行うことで、元の神獣たちに戻すことができるかもしれないという事である。


 一応、メイドゴーレムである彼女達は裁縫はお手の物であり、その程度の作業など造作もない。


 ただ、一つ問題があるとすれば…‥‥


「再度、合体してエンジェになれば、溶解液の不安などもないけど…‥‥絵面、相当グロイファ」

『‥‥‥あー、作業工程の指示はするけど、映像中継は切らせてもらうでござる』

「イ!?逃げるなー!!」


…‥‥怪物とは言え、きちんと内蔵も色々とあり、れっきとした生物。


 それの切り貼りなどどう考えても悲惨というか、酷い光景になるのは間違いない。


 通信でどうにかこうにか交渉しつつ、あちらにいるシアンの子供たちが見て、悪影響を受ける可能性を考慮し、フロンの内部への画像投影に切り替えて、指示を出してもらうことにしたのであった。


『ううっ、ぐ、グロイでござるよ…‥‥』

「提案、そっちファ」

「一蓮托生だイ」

「まぁ、そこまででも無いデース。裏社会の方がもっとえぐい事があるのデース」

『「「……え?」」』


‥‥‥まさかのツェーン、グロ耐性持ちであった。

「でも、きちんと皆で行うのデース。耐性あってもきついですし、道連れデース」

また相手にするのは大変なので、神獣たちを救うことにしたシスターズ。

悪魔捕縛までに時間がかかってしまうが、再度応戦するよりも楽である。

だがしかし、その切り貼りする光景はちょっと絵面にできず、R18G指定を受けるので表現もできなかった。

次回に続く!!


‥‥‥一応、救う方針。でも、痛覚とか、その辺考慮…‥‥しているのかこれ?

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