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#296 少数精鋭とも言えるのデス

SIDE砂漠のとあるアンデッドたち


【ぶぼじゃぁ…‥‥ぐぼばぁ‥‥‥】

【ういごごごご‥‥‥】

【あぼげばぁ】


‥‥‥カンカンに照る日差しの元、その砂漠には大勢のアンデッドたちが留まっていた。


 生者を求め蠢くも、この砂漠の砂に足がとられて思うように動きにくく、腐敗が進んで動かせなくなるものもいる。


 周辺諸国へなだれ込もうとしたが、既に対策がとられていて国境を越えにくく、こうしてあちこちをなんとか動いて彷徨っていた。



 ゾンビ、グール、マッドゾンビ、スケルトン、ハーフスケルトンゾンビ…‥‥様々なアンデッド系統のモンスターを一度に大勢見られるが、当然誰も見には来ない。


 倒すには光魔法や聖魔法が効果的であり、各国の魔法使いが時々浄化させに来るのだが、量が多くて未だに全てを還すことができていない。




 そんな中で、アンデッドである彼らはある日、妙な音が聞こえ、その方向へ向いた。


 生者がやって来て襲えると思ったのだろうが…‥‥あいにくながら、そんな都合のいいことは起きない。


 

「ファー!!前方に目視20体ほどの塊ファー!!」

「さっきの100体の五分の一であれば楽勝デース!!」

「イー‥…でも気持ち悪いのが多イー!」



 ドドドドドドドドドっと土煙あげ、何者かが走ってきている。


 各自の見た目は髪色などが異なる程度であり、一見双生児とかそう言う類に見えるが、流石にそう考えるほどの思考はアンデッドたちにはない。


 だが、動いて生者のように話している時点で、彼らにとっては獲物として見る事ができ、襲撃をしようと動き出す。


【うび、ゆぼっぁあぁぁ!!】

【そぶぶぶぶぶぶぶぶ!!】

【おがぁぁぁぁぁず!!】


 それぞれが雄たけびを上げ、彼女達に手を出そうとした次の瞬間‥‥‥‥


「簡易!」

「三体!」

「合体!」

「「「まとめてドッカァァァァン!!」」」


ドッゴォォォォォォォォォン!!


 カッと光って、彼女達が一つになったと思えた次の瞬間、強烈な爆風が発生し、アンデッドたちは吹き飛ばされる。


 そして起き上ろうとしたところで、次々に何かを撃ち込まれ…‥‥十数秒もしないうちに、彼らはようやく永遠の眠りにつくことが出来たのであった…‥‥




―――――――――――――――――

SIDEシアン


「…‥‥なぁ、ワゼ。これで出来ているのか?」

「ええ、映像を観てくだサイ。きちんとご主人様が送信された光魔法を込めて、全てを薙ぎ払ってマス」


‥‥‥ボラーン王国城内、とある一室にて、僕等はその映像を観てそうつぶやいていた。


「シスターズ、05のフンフ、10のツェーン、そしていつの間にか増えていた11のエィルフ…‥‥派遣したのは良いけど、ここから僕らが動かなくてもいいのかな?」

「むしろ、ご主人様自らがあの地へ向かうのはやめた方がいいでござる」


 っと、僕の疑問に対して、その映像を多くある手のうちから、一本の手の、その手のひらから映しているフロンがそう答えた。



「悪魔グズゥエルゼの目的のためには、ご主人様を悪の魔王へ変える事も含まれているようでござるからな。わざわざ遠い地へ自ら出向かれても、その隙にこちらの‥‥‥ご主人様の大切な家族の皆様を手に欠ける可能性が非常に大きいのでござる」

「まぁ、そのためにこうして私たちがいますからネ。ご主人様はこの場でゆっくりと、彼女達から通信で送られてくる映像を観て、構えていればいいのデス」


 何も言い返せないというか、正論というべきか。


 悪魔について調べてみると、どうもあのグズゥエルゼは分身モドキのようなものが使えるらしく、別の場所で別の相手と交戦した記録があったらしい。


 で、奴の目的などを調べてみると、どうも僕も‥‥中立の魔王を悪へ堕とす気もあるようなのだ。


 僕が出向いても、ワゼたちがいるから安心‥‥‥という訳でもなく、だからこそこうやって常にみんなと一緒に入れる場所にいたほうがいいという訳で、今回は別の作戦を立てたのである。



 それは、シスターズを派遣すること。


 というか、本来は各自こうやって別個に行動し、各地で動いてもらう目的もあって、こうやって遠隔地で指示を出すのが良いらしい。


「というか、11って聞いてないんだけど。フロンが別型だからシスターズ13ではないのは分かるけど、ツェーンの後にいつの間に‥‥‥」

「ついでに12もいマス。コチラは商国へ派遣してマス」


‥‥‥うん、これ以上話す意味もないか。いつの間にか増えているシスターズを把握するのは、諦めよう。考えてもキリがないというか、魔王以上に侵略行為をしているような気がするなぁ。


「11‥‥エィルフは本当はエルフと名付けたかったのですが、種族名称で既にあり混同しますからネ。発音も変え、別任務で他国のシスターとして派遣してましたが‥‥‥今回のアンデッド戦でも、役に立つようデス」

「10のツェーンも、本来は白兵戦は得意ではないけど、暗殺系統の技術が高いおかげで的確に急所を潰せているし、05のフンフは…‥‥まぁ、あれは天性のものか」

「ドS姉‥‥‥映像を観ながら、拙者の上の者たちの動きを見つつも、あの鞭でしばいたりして恍惚しているのは、流石にドン引きでござる」

「私でも、どうしてああなったのかはわかりまセン」



 とにもかくにも現在、砂漠の小国に潜む悪魔討伐に向け、こうしてシスターズを派遣して、映像を観ながら報告を受けているが…‥‥


【にしても、なんか腐り具合が酷いですね。アンデッドでもデュラハンのララさんとは大違いですよ】

「まぁ、デュラハンの場合は砂漠だと鎧が熱され、色々と大変らしいですが…‥‥映像を観る限り、どれもこれも、かなり腐敗していますわね」


 ハクロとミスティアの言葉に、僕等は同意する。


 映像で見る限り、砂漠のアンデッドたちの傷み具合はひどく、腐敗が進行している。


 過酷な環境下だとは思うが‥‥‥それでも微生物とか自然の分解者たちは動いているようだ。



「しかも、見る限り人為的デス。あそこまで多いと、リッチやロードリッチと言った類が現れ、統率したりしますが‥‥‥意図的にそれらを間引いて産まれないようにしているとも思えマス」


 あの砂漠の蠢く死体たちは、やはりというか、人為的に生み出された者が多いらしい。


 正確に言えば、元はどれも生者であり、誰かが手をかけてアンデッドを生み出し、次々にされていったというべきか‥‥‥某ハザードか?



「試作型魔力転送システムでご主人様の魔法を送り込み、掃討にも役立ててますが…‥‥どこかの元凶を潰さないと、おそらく際限ないでしょウ」

「生者がないとだめだけど…‥‥その生者は」

「予想通り、悪魔が持ってくるでしょウ。無限に…‥‥」


 無限に生み出される蠢く死体…‥‥恐怖しかないなぁ。


 なんというか、色々なモノへの冒涜的行為に嫌悪感を抱きつつも、悪魔の捕縛のために彼女達へ指示を出して先へ進めるのであった…‥‥








まぁ、生者にも有限はあるし、無限はないとはおもうが・・・・・・調達方法って、何も攫うとかそういう以外にもあるんだよなぁ。

何にしても、砂漠を行くのはシスターズ。爆走して敵地へ向かう。

そして、悪魔のろくでもない企みも見えてきそうで‥‥‥次回に続く!!


‥‥‥某fの赤い弓兵を一瞬想像してしまった。わかる人はそんなにいないとは思うけどね。

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