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#257 まぁ、念には念を押して確認のためにデス

SIDEシアン


‥‥‥王位継承の座をかけた、課題をこなしての選挙戦。


 各自に出された課題を王子王女たちがこなし、その評価を国民たちに問い、時期王を決める争い。


 だがしかし、この課題全てが制覇されてしまった場合、普段から王位を押しつけ合う全員が得できるように‥‥‥‥



「そのためにも、まずはお父様に文句を言いに向かいますが‥‥‥別に全員で向かわなくても良いとは思いますわ」

「まぁ、念には念を押してね。こういう時にこっちも巻き添えを喰らわされるのは勘弁してほしいし、抗議に向かうんだけど‥‥‥内容的に、反論し切れるかな?」

「難しい所デス。デメリットもありますが、他者から見ればこちらの方にメリットが多くあるように見えますからネ」


 ポチ馬車に乗り、現在僕らは首都を目指しつつ、今回の事について話し合っていた。


 場合によっては、ミスティアに王位継承権が復活し、下手すると王位を押しつけられてしまう事態。


 そうなると、嫁ぎ先である僕らも自動的にまきこまれ、あまりやりたくもない国家運営とかに関わらされる可能性があるのだ。


 いや、今代の魔王という立場が国政に関われるのかは疑問だが…‥‥ミスティアが女王になった場合、王配という立場になるようで、国王モドキ的な状態になるらしい。


 魔王が国王モドキとはこれいかに。




 何にしても、ミスティアにとっては国民を幸せにするために働くことはやぶさかでもないのだが、王位に就かされることとはまた別の話。


 国王という立場というのは何かと大変な事も多いようで、むしろ政治に関わりやすかった彼女からしてみれば、一番なりたくない立場なのだとか。


【まぁ、お祭りみたいなものですし…‥‥せっかくですから、ヒルドとオルトリンデも一緒に、ついでの首都観光を楽しみましょうよ】

【ふみゅ~?】

「みー?」


 車内の空気をなだめるようにハクロがそう言い、彼女の言葉に答えつつも分かってないのか、首をかしげる娘たちの姿に、ちょっとは空気が和らいだような気がした。



「まぁ、普通の馬車でも時間かかる首都だけど…‥‥先日の怪物騒動があった場所とか、直っているのかな?」


 ふと、僕はその事を思い出し、そうつぶやいた。



 先日、おそらく同郷の転生者であろう馬鹿者が引き起こした、怪物騒動。


 首都内には大穴が開き、ある程度の被害も出ていたはずだが…‥‥


「ある程度復興は完了しているようで、以前とたいした変わりはないようデス。ですが、ひとつ変わったところならばあるようデス」

「というと?」

「首都に空いた地下への大穴‥‥‥そこを今、改造して観光資源へと生まれ変わらせているそうなのデス」


 首都の大穴‥‥‥うん、いやまぁ、やらかしたのは僕だけど、その元凶となったのはあの騒動の原因野郎。


 どうこうできるわけでもないし、国に押し付ける形で気にしないようにしていたのだが…‥‥どうもその穴は現在、観光資源へと変えるための工事が成されていたらしい。


 というのも、その穴の上に元の街並みを再現しようにも、塞ぐための費用とか、下部分の空洞ゆえの耐久性などを考えると色々と困ったらしく、ならばいっその事、地下空間を利用した観光資源を作ってしまえという事になったらしい。


 穴のふちから最下層まで下りられるような螺旋階段や、魔道具を利用したエレベーターのような物などを設置して、元祖地下利用として温泉都市やその他地下を利用した場所の除法をベースにして、色々な施設なども作っているそうなのである。


「まだ工期は完了してないようですが、既に各所で地下への投資が始まっており、裏ギルドのツェーンからの情報でも、裏社会の者たちがまさしく文字通り潜り込めるという事で、隠れ家の確保なども行っているようデス」

「‥‥‥それ、行っても大丈夫なやつかな?」

「大丈夫デス。ご主人様の害になりそうな輩は既に選別しており、きちんと退去などを促し、指示に従わないものは武力行使(命で取引)をしているようですからネ」

「なんか今、さらっと物騒な言葉がでなかったかしら?」


 何にしても、現状特に問題になるようなことはない。


 でもまだ工事が終わっていないところもあり、流石に全部見る事はできないようだ。


「まぁ、それでも各地からわざわざ集めてきたものなどで形成し、国内の有名な都市などを模倣した簡易的な模型を用意して周知させるようにするなども行われているようデス」

「ちょっとした博覧会みたいなものか」


 もしくは展示会とも博物館モドキとも言えるのだろうけれども…‥‥それはそれで、面白そうな気がする。


 何しろ、考えてみたら僕らの移動範囲はまだ狭いし、特に多くの都市を訪れているわけでもない。


 自分の知らない場所の模型などを見て、ちょっと旅行計画を練ったりできそうで、興味を惹かれるのであった。


【うみゅ~、うみゅ~】

「あ、ヒルドどうした?」

「みー!」

【‥‥‥あ、馬車に乗っているのが退屈になって、動きたいようですよ】

「‥‥‥いったん停めて、軽く外に出て休憩するか」

「まぁ、流石にそこまで急ぐことも有りませんしね」


‥‥‥あ、考えてみたら、娘たちにとっては初めての首都観光にもなるのか。森で生まれたけどまだ出たことが無かったし‥‥‥楽しい思い出を作れるように、してあげたほうがいいかな?


「物体X関連は、手に持たせないようにないといけませんけどネ」

【あれ、口に入れると味覚が死にかけますからね…‥‥この間、ゼロツーさんが料理の味付けでウッカリ調味料と間違えて、爆発していたのは本当にビビりましたよ】

「ああ、あれはある意味悲惨な事故だったなぁ…‥‥」


 そう言えば、王子王女たちに出された課題の中で、第1王女の料理の腕の改善があったっけ。


 確かあの人が元々謎の物体Xの生産者だし…‥‥あれ?その課題をこなすためには料理を大量にするんだろうけれども、その分謎の物体Xも大量生産されることにならない?



 そこはかとなく気が付いていてしまったその事に、不安を覚え、思わず引き返すべきかと考えてしまうのであった…‥‥大丈夫だよね、多分?




―――――――――――――――――

SIDEゼロツー


「‥‥‥私モ、連レテイッテ欲シカッタナー‥‥」

【シャゲェ‥‥‥】


 ハルディアの森、シアンの家改め城の一角、中庭に作られた縁側にて、黄昏ているゼロツーの言葉に対して、ドーラはポンッと肩に手のような葉っぱを置きつつ、同情すべきかちょっと迷っていた。


 現在、シアンたちは何やら用事で出かけてしまい、他のシスターズも一緒に出て行ったのだが、ゼロツーとドーラだけは、ここに残っていた。


 ドーラは単純に、この城の花壇や畑、改良場での色々なところでの作業があるし、別に向かう必要性もないので留守番しているのだが、ゼロツーは違う。


【シャゲ、シャゲ】

「エエ、ワカッテマス。流石ニコノ状態デハ無理デスカラネ」


 あははっと乾いた笑いをしながら、ドーラの言葉に彼女は答えた。




 現在のゼロツーの状態は今、バラバラになった身体の再生途中であった。


 ちょっと失敗どころか大失敗を起こし、自身のプログラムにあったらしい保護システムの影響なのか、自爆したのである。


 一応、自己修復機能があるので直せるのだが、ワゼの試作型とあってか、再生能力は低い方。


 うんしょよいしょと、生体部品もあったせいでR18G的な部分も修復しているのだが、流石にシアンたちの旅路に共にできないと判断し、やむを得ずにお留守番となったのであった。


「マァ、ゴ主人様ノ留守ヲ守ルノモメイドノ嗜ミデス」

【シャゲ】


 その状態で守れるのかとツッコミを入れるドーラ。


 どっちにしても、ドーラ一人でも十分な戦力であるし、ココへ訪れる者は特にいないので問題は無いのだが‥‥‥‥



【‥‥‥シャゲェ】


 流石にR18G的なものを見るのは、ドーラでも精神的にきついものがあったので、修理の手伝いを行い始めるのであった。


「アレ?私ノ修理、デキマシタッケ?」

【シャゲ、シャ~ゲ】

「‥‥‥エ?ナンカ嫌ナ予感シカナイヨウナ‥‥‥」

【シャゲ!】

「チョットチョット待ッテ!?ゴ主人様ノオ子様方ノ情操教育ニ悪影響与エカネナイソレハヤメテェェェェェェ!?」



‥‥‥その日、森中にゼロツーの艶めかしい悲鳴が響いたそうだが、偶然にもその日、森にいたすべての動物たちは何かしらの事で離れており、その声を聴く者は誰もいなかったそうである。


娘たちを連れての首都観光兼抗議。

まぁ、流石に止めることはできなさそうなので、諦めたほうがいいのかもしれない。

取りあえず、家族一緒の旅行とでも考えたほうが気が楽かもなぁ。

次回に続く!!


‥‥‥フラグ建築というか、その前の何かしらというべきか。

ドーラよ、ゼロツーに何をしたのだろうか。いや、聞かないほうがいいか…‥‥ノクターン行きはしたくないもんね。いやまぁ、していた作品はあるが、現在連載停止状態…‥‥流石に不定期投稿とは言え、そろそろ再開させないと不味いよなぁ。ネタも溢れてきたし、消化しないと面倒なことになる。

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