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#249 待ち遠しさはあるのデス

SIDEシアン


ピクピクッ

コロコロ


「あ、ちょっと動いた」

【本当ですね。だいぶ中身ができてきたのでしょうか?】


 産卵から1週間ほど経過したころ、僕等の2つの卵は現在、ちょっとずつ動いてきていた。


 微弱に振動したり、自分から転がったりと、色々な反応を見せ始める。



「ふむ、状態的にはあと1週間以内には孵化するでしょウ」


 ワゼが聴診器のような物を当て、そう診察を下す。


「もう間もなくお姉ちゃんとして顔見せられるにょ!」

「自分の方ではないとはいえ、やはり誕生には待ち遠しいものがありますわね」


 ロールとミスティアもそうつぶやく中、卵の動きは止まった。


 動いて止まって、また動く。


 できれば早くその中身を見せて欲しいところだが、そう焦らないほうがいいだろう。


「一応気になるんだけど、インプリンティング(刷り込み)とかってあるのかな?」

「ああ、その可能性は無いようデス。データによれば、一部のモンスターを除き、きちんと親は親として認識するようデス」


 鳥とかにありがちな、初めて見た者を親として認識するようなことはあるのかと思ったが、一応その事は無いらしい。


「ただ、孵化するタイミングに関しては何とも言えまセン。時間帯にして、深夜や早朝などもありますからネ。それに、2つとも同時に出てきたとはいえ、孵化もそろうとは限りまセン」

「まぁ、それもそうか」


 見た目的には両方ともからとかの色も違う卵だし、中身の種族とかもわからない。


 孵化タイミングがそれぞれ違う可能性も大きいし、できればその瞬間に立ち会いたいが‥‥‥果たしてどうなる事やら。


【何にしても、無事に生まれてきて来るのが一番良いんですけれどね。私達の大事な子供ですし、孵化不良とかは困りますよ】

「卵の強度的に、それも怖いよね」


 孵化と言っても、それがすべて成功するわけではない。


 卵から出損ねて、そのまま命を落とす例もあるわけだし、最後まで油断はできないだろう。


 というかこの卵の殻の強度も強いそうだし、その可能性があると考えるとちょっと怖い。



「万が一の場合は、私達が手伝う事も考えなければいけまセン。その時に備えた道具も、現在作成中デス」

「うん、そうしてくれ」


 とにもかくにも、今は待つのみ。


 不安もあるが、そう言うのを吹き飛ばすような元気な子が産まれて欲しいなと、僕は思うのであった。


プルプル

ポッヨ~ン


「あ、また動いたけど、片方跳ね跳んだ」

「なんかアグレッシブな妹か弟かにょ?元気いっぱいそうで、孵化後で遊ぶ時に大変そうにょ」

【むしろ何で卵の状態で、こんな動きができるのでしょうか?】

「それを言われても、わたくしにもわかりませんわ」



――――――――――――――――――――

SIDEワゼ



「‥‥‥さてと、こちらはこちらで片づけましょウ」


 昼間の卵の話題も過ぎ去り、今の時刻は深夜。


 湖の地下の方に作った円卓にて、ワゼ、シスターズたちは集まっていた。


「ご主人様たちのお子様方の孵化まではもう間もなくとして、その前にできるだけ憂いをなくしたいところですが…‥‥うーむ、こういう時でも湧き出てくるのはなぜでしょうカ」

「ツー?馬鹿、湧き出るのは世の理」

「削いでも焼いても消し飛ばしても、また出てくるスー」


 各々αモードになって、ある程度使えるようになった言葉でそう意見を出すシスターズ。


「私、マダ起動シテ間モナイケド、愚者多イネー」

「ファファファ。そうだヨねファ」


 ゼロツーも参加しており、彼女の言葉に全員ウンウンと頷く。


 一匹消したところで30匹がおり、全てを排除できたとしてもまたどこからか生まれてしまう。


 いたちごっこのような排除は流石に疲れるところもあり、皆同じように面倒な事でもあると想っているのだ。


「何にしても、現状卵に関しての情報は、各地で少々出ていマス。こういうのを狙う面倒な収集家、鬼畜愚者なども色々出てますし…‥‥まぁ、一部は自滅してますネ」

「何もしなくとも、自爆しているシー」

「むしろやらかして消え失せているセセセ」


 裏ギルドの方にいるツェーンにも聞いて見たところ、こちらでも同じ様に狙う輩が依頼を出してきたりもしたが、すべて依頼不可としてお断り中。


 中には無理やりいう事を聞かせようとしてきたところもあったが、裏社会にもそれなりの秩序はあり、そう言う輩たちは別の方で消されているらしい。



「騎士王国の08からの連絡だと、奥様の義理の姉のようなルルさんが、情報を聞いて産まれた時に合わせて休暇申請中ですカ」

「ソノヨウナ方ガイルノデスカ?」


 ゼロツーはまだあったことはないが、ハクロの姉のような人物はいる。


 現在はヴェールヌイ騎士王国の女性騎士団第3小隊所属、団長として活動しているケンタウロスのルル。


 ハクロの幼い時の姉のような者でもあり…



「ついでに、ある程度の助言もあるようですが、忠告もありマス」

「忠告?」

「親と子は似ていることが多いそうデ」


‥‥ルルいわく、生まれてくる子供が活発な可能性を考えると、気を付けたほうがいいという。


 というのも、現在のハクロはそこまで激しく動くようなことはないが、幼少時には相当動きまくり、色々と大変であったというのだ。


 で、その子供が同じような可能性もあり、今のうちにそのあたりに関しても十分に気を使う必要があるという忠告が届いたのである。



「‥‥‥ソーナノ?」

「そーらしいデス。まぁ、ある程度であればどうにかできますガ‥‥‥‥」


 今のハクロからは想像がちょっとしにくいようなやんちゃっぷりらしい。


 その部分がもしも遺伝していたら‥‥‥それはそれで大変そうである。



 何にしても、その忠告はしっかりとワゼたちの胸に刻まれるのであった。



「っと、あとは神聖国の預言者の方からも、連絡は来ているようデス」


 神聖国ゲルマニアの預言者。


 こっちはこっちで油断できない相手でもあるが、現状はまぁまぁの付き合いで友好的と言えば友好的。


 そんな相手の方からも、いくつかの情報が彼女達の元へ届けられていた。


「ちょうどいい具合の愚者たちが狙っているそうで、できればこちらも捕縛して送ってほしいそうデス」

「‥‥‥乗っかってきているセ」

「ファファファ、良いと思うファ!」


 ちゃっかりしている相手だが、処分に困るような者がいた時に渡せるのであれば凄い便利でもある。


 あちらも得するし、こちらも得することを考えるとそう悪くはない。


「というか、ちょうどいい具合の愚者って…‥‥そこまで把握しているという事は、養殖でもしているのでしょうカ?」


 その事に関しては、誰もツッコミを入れない。


 まぁ、愚者をあらかじめ知らせてくれるの出れば情報的につかみやすいし、捕縛もしやすい。


 特に問題は…‥‥無いはずである?



「とりあえずはいくつかリストアップして、順番に対処していきましょウ」

「一部、別の国の重要人物‥‥‥でも、問題ないツ」

「シー」


…‥‥何にしても、どの様な相手であろうと、ワゼたちは平常運転で動くのであった。 

もう間もなく誕生が近い。

されども、それを狙う愚か者どもも続々と。

まぁ、全て駆逐を目指し、次回に続く!!


‥‥‥しっかりと裏からも表からも、狙う者たちをリストアップしているようである。まぁ、裏の方だとする前に消されているらしいが…‥‥これはこれでどうなのだろうか。

08も登場させたいが、まだ先になりそう‥‥‥あと09は新作の方に登場予定。もうちょっと構成練らないとなぁ。一部とかで、重なるとやりにくいし・・・・

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