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#232 蹂躙というべきなのデス

SIDEシアン


‥‥‥首都内にはびこる怪物たち。


 いくら倒しても元を絶たなければ切りが無く、このままでは籠城戦となり、負ける可能性が高い。


 ならば、その元を絶てばいいだけの話であり‥‥‥‥



「たまにはこういう大暴れもするもんだね!!『ファイヤ&アイスストーム』!!」


 ごうっと火と氷の竜巻が発生し、巻き上げ、焼き尽くし、凍りつくす。


 住民たちが避難している場所だからこそ、存分に暴れても特に問題はなく、押し寄せる怪物たちの中であろうとも無理やり薙ぎ払って進めばいいだけの話。


 しかも、普通に駆け抜けるよりも早い移動手段を僕はとっている。



「っと、だいぶ下がって来たし、また上昇!!」


 風の魔法を起こし、自身の体を上昇させ、魔力の衣を再び展開し直し、滑空する。


 普通に飛行しても良いが、魔力の消費を抑えるのであればハンググライダーとかのように、上昇と滑空維持のための翼上にするだけで良い。


 さらに、上を進むからこそ障害物も少なく、押し寄せてくる怪物たちを上から一方的に殲滅も可能であるのだ。


「『サンダーボム』!『ウォーターランス』!『ロックミサイル』!!」


 雷、水、岩など種類を問わず、槍状にしたり、普通に塊にしたり、爆発させたりする魔法を降り注げば、あっという間に殲滅し道ができていく。


‥‥‥自分で言うのもなんだが、ちょっと手ごたえが無い。


 まぁ、あの怪物たちは中途半端な攻撃は効かず、盛大なものが良いという情報があるからこそ、無茶苦茶なものばかりやってみたが、こうも吹き飛んでいく様はなぁ‥‥‥


【ギゲェェェェ!?】

【ブンガァァァ!?】

【ヘンゲラモビィィン!!】

【ナッシィィィィィィ!?】


 どかどかと降り注ぐ魔法の雨あられに、怪物たちは断末魔を上げていく。


 時折こちらの方へ攻撃を飛ばそうと、そこら辺のがれきなどを投げてきたり、口から火を吐いたりするがその度に上昇してしまえば回避できるし、力づくで潰すこともできる。


「よし、もうそろそろだったかな?」

「ええ、ご主人様。あと数百メートル手前が目的地デス」


 僕のつぶやきに対し、いつの間にか屋根を伝って飛びながらワゼがやってきており、そう答えた。




 ミスティア及びシスターズの一部を王城の方へ残して護衛させつつ、ハクロやロール、残りのシスターズは住民の避難誘導などに割り当てていた。


 で、ワゼに関して言えば敵に関しての情報をシスターズと通信して共有できるので、こうして共に着てもらったわけだけど…‥‥何と言うか、屋根へ飛び移る様はハクロの立体起動に負けていない。


 むしろ忍者っぽいような…‥‥


「ワゼってそんな動きできたっけ?」

「これも手の者からの経験なのデス」


 だから手の者って誰?




 まぁ、其の質問は後でゆっくりさせてもらうとして、いよいよ元凶がいるであろう場所へ近づいてきた。


 この辺りまで来ると、怪物たちの発生源間近故かばらけることなく密集しており、どれもこれもどす黒く、ひどい嫌悪感をもたらしていた。


「材料に人肉使われているっていうけど…‥‥あれだけの数だと相当なものなのか?」

「成分的には微量なのですが、少なくとも既に10人近くは利用されているかと思われマス」


 物騒というか、倫理的に問題があり過ぎる。


 いったん再上昇し、上空から改めて見ると‥‥‥‥爆発源と思わしき場所にはぽっかりと大きな穴が開いており、そこから怪物たちが湧き出ているようだ。


「中は暗くて見えませんが、音響調査ですと推定700mほどの深さがあるようデス」

「けっこう深いな‥‥‥‥」


 確か東京スカイツリーあたりがすっぽり入るぐらいか‥‥‥‥



 何にしても、この奥の方に元凶がいる。


「それじゃ、突っこむけど‥‥‥僕の方はこの衣があるからいいとして、ワゼはどうするの?」

「降下用装備がありますので大丈夫デス」


 なんでそんな装備があるのかと言うツッコミを飲み込みつつ、僕等はその穴に突撃することにした。


 とはいえ、怪物たちが湧き出てきているからこそ普通に飛び込むのは危なさそうだし、ここは一旦上から無理やり蓋をして押しつぶす。


「だいたいこんなサイズかな?『アイスプレス』!!」


 穴の大きさよりもちょっと小さめなサイズの氷塊を作り出し、上から一気に落とす。


【ゲッビィィィィ!?】

【ヒゲェェ!!】

【グゲェェェェェェ!?】


 湧き出てきたモンスターたちが潰されていき、潰れる音がどんどんしつつも落下は止まらない。


 しかも追加で魔法を放ち、重量を増してどんどん潰して進撃していく。


 こういうのも蹂躙というのかなと疑問に思いつつも、僕らは穴の奥底へ向かうのであった‥‥‥



注射器のごとく出てくる怪物を押しつぶし、進んでいくシアンたち。

この奥底に元凶がいるだろう。

だが、その元凶はどのようなものなのか…‥‥

次回に続く!!


‥‥‥今回の蹂躙劇を分かりやすく例えるのであれば、拳のみの相手に機関銃乱射するようなもの?

いや、でも銃弾を素手で捕まえる人とか漫画でもあるし‥‥‥‥ゲームで言うならば某ピンク玉のキャンディで突き進むようなものと言ったほうが分かりやすいのかな?

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