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#176 特大地雷用意なのデス

SIDEシアン


「…‥‥で、報告書がこれか」

「ハイ」


 流行り病が人為的なものであると発覚した翌日、ワゼに調査を命じたところ、直ぐに実施され、細かい部分までの報告書が出来上がった。


 内容を軽く見れば、びっしりとあるが‥‥‥‥読みやすいので問題なし。


 とは言え、理解しやすい分、どのような者が原因だったのかを知って嫌気がさした。


「ヌルダニアン王国の残党的な奴らか…‥‥」

「少々、処分をし損ねていたようデス」


 



 ヌルダニアン王国。それは、以前このボラーン王国を攻めてきた国であり、ミニワゼシスターズ全員の力を見るために犠牲になった国でもあった。


 聖女とやらを呼び、宣戦布告して責めてきたとはいえ、あまりにも脆かった軍隊。


 いや、ミニワゼシスターズが強すぎたというのもあるだろうけど、見事に敗北し、撤退していた。


 

 その後、国内で何やらもめごとが起きて、色々な輩が一掃されたという噂があったが…‥‥


「ギリギリとどまっていた奴もいたのか」


 すべてが清廉潔白にというのはなかなか難しく、辛うじて生き残った腐敗した者たちがいたらしい。


 けれども、その生きのこるために金に糸目を付けずいろいろやっていたせいで、今では極貧生活を過ごしていたようだ。




「そして、その極貧生活に嫌気を指し、借金してまで過ごしている方々がいたようですが…‥‥その中に、変わった金の流れ方をしている者がいまシタ」


 生活水準を下にするのは耐えられないような者たちが多かったようで、大半が借金に苦しみ、自ら自爆する末路が多かった。


 だがしかし、むしろその借金を利用して、とある研究機関に投資をしている者がいたらしい。


 その研究機関が成果を出せば、その金が戻って来て、返せるとふんでいる周囲に思われているそうだが‥‥‥その実態は違う。


 借金を返すのではなく、返済する場所そのものを消し去るつもりのようだ。


「それが、この病気を感染させるウイルス型モンスターを研究している場所か…‥‥」

「とは言え、不十分のようで、殺傷性が今一つのようデス」



……でも、まったくないわけではない。


 それに、どうやら技術面ではまだ不十分というのであり、足りるだけの技術があれば…‥‥それこそ、史上最悪のバイオテロと化していただろう。




「不十分とかなんだろうが‥‥‥‥偶然とはいえ、家族に手を出されたような形だしね。許せることではない」


 研究者の方も研究馬鹿なだけのようだし、出資者の方も単純に借金を消し去りつつ、ろくでもない目的があるようだが……何にしても、罪はある。


「ワゼ、直ぐに向かうとしてどのぐらいかかるかな?」

「国境付近に滞在中なのを確認。ポチ馬車でも楽に向かえますが…‥‥ご主人様としては、より早く制裁を下したいですヨネ?」

「ああ、そうだ」

「でしたら、新しい移動方法として一つやって見ましょうカ」


 そう言い、ミニワゼシスターズを合体させていくワゼ。


 どのような合体フォルムが出てくるかは別に良い。


 ただ、今は大事な家族たちに‥‥‥‥ハクロに対して、害をなした馬鹿共を制裁するのみ。



 静かな怒りが魔力と共に漏れ出て、その影響なのか天気が崩れ、暗雲が出てきたこと二、シアンは気が付かないのであった…‥‥。





――――――――――――――――

SIDE神聖国ゲルマニア:神殿内部



「‥‥‥あ、ちょっとどこかで誰かがやらかしたね」


 神殿内のとある一室。


 本日の義体は普通の人型を利用していた預言者は、ふと空の状況を見てそうつぶやく。


「この程度ならば、まだ良いとは思うけれども…‥‥どこの誰が、あの魔王の逆鱗に触れたのやら」


 やれやれと呆れる様なそぶりを見せつつ、預言者は攫って仕えさせているスアーンを呼びだす。



「ねぇ、あの空を見てごらん」

「ん?…‥‥なーんか、思いっきりやばそうな気しかしないんですが」

「ええ、その通り。どうもね、ほら、あの魔王らしいというか、だいぶ確定してきた彼が相当激怒しているようで、思いっきり影響が空に出ているようなんだよ。あの魔王を激怒させた存在ってどんなのか気になって…‥‥愚か者として魔王恐怖味になりそうだから、持ってきてほしいんだよね」

「‥‥‥‥ちょっと待って?え、魔王激怒?‥‥‥それってその場所、非常に不味いんじゃ」


 預言者の言葉に、スアーンは冷や汗がドバっと出て来たが、断る事ができない。


 どう考えても非常に不味そうな場所へ無理やり向かわされ、魔王を激怒させた者たちへ思いっ切り文句を言ってやろうと思うのであった…‥‥


「絶対行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「ダーメ☆。元の世界に変えるためのエネルギー、たまらないよ」

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


……その心からの叫びは、何となく離れた地にいるポチへ届き、密かに同情されていたのであった。


ちょっとずつ出てきている魔王要素。

というか、冷静に見えて内心かなりの怒りがあるようだ。

怒らせた相手、流石に同情・・・・・する必要あるかな?

次回に続く!!


……そしてとばっちりのごとく、そんなやばそうな場所へ向かわされる者1名。魔王激怒制裁の場へ無理やりとは、哀れであろう。しかし、これもまた運命なのかもしれない。

なお、預言者のために腐った人物回収班、こういう時に駆り出されるスアーンに感謝するもよう。危険地域には近寄りたくないし、楽できるのであれば良いからね。

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