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#165 郵送できたら便利なのデス

SIDEシアン


「ふぅ、間に合った……」

【シアン、あと数分でどうやら試合が始まるようですよ!】


 ごたごたしていた捕縛劇(地獄祭り)もなんとか終え、僕らが観客席に戻ってきた時には、試合まであと1、2分しかない状態だった。


 結構ギリギリだったというか、思っていたよりも人が多かったせいか…‥‥なんにしても、処分できた問題なのだからもういいや。


 いや、正確にはこの手間暇をかけさせられたお礼として、捕縛したやつらを丁寧に包装(箱詰め)にして、とある場所へ送っただけなのだが…‥‥まぁ、後は送った先次第であろう。



 

 とりあえず、試合が間もなく始まるという事で僕らは席につき、開始を待つ。


『それでは試合ですが、今度の対戦はこの者たちだぁぁぁ!!』


 休憩時間を挟んだとはいえ、司会の人のテンションはそのままのようだ。


『右から来るのは、先ほど激戦を魅せてくれた騎士団長の片腕ともされる、ヴェールヌイ騎士王国の女性騎士団副団長、アンデットモンスターの中でも有名な、デュラハンのララだぁぁぁ!!』


 わぁぁぁっという声援と共に現れたのは、ルルの次に務めている副団長らしい。


「デュラハン?」

「アンデッドモンスターでは有名な部類のようですが、どうやら騎士タイプの方のようデス」



――――――――――――――――

『デュラハン』

……名のある騎士や、何か無念を残した騎士の死骸が意思を持ち、モンスターと化した存在。

通常のアンデッド系のモンスターであれば理性が無いのが多いのだが、デュラハンの場合は、騎士道を重んじる高潔な志が残っているのか、理性が非常に優れている。

ただし、昼間よりも夜間の方が活動が活発なようで、その本領を発揮するには様々な条件が必要。

また、騎士の死骸がモンスターと化した存在だが、その種類は亜種も含めるとやや多いらしく、首の有無、馬の所持の有無、騎士道の精神があればいいのか、騎士ではなく稀に御者など、細かい種類の区別がある。

―――――――――――――――


 今回出て来たデュラハンのララは、首があるタイプの騎士らしい。


「首の無い馬もないタイプでもあるのか」

「いえ、それは分からないデス。デュラハンの場合は相棒の馬を自在に召喚して出せるらしく、騎馬戦でも行わない限り不明とされていマス」

【姉さんの試合の感想を述べに行った時に、寝ている姿を拝見しましたが…‥‥そこでも馬は無かったようですよ。ただ、一つ気になる事がありまして…‥‥まぁ、後で話しましょう】


 ハクロが何やら気になる事があるらしいが、どうやら続けてフィーアが出てくるらしいので今は試合に集中することにした。


『さて!!一方でこの方の対戦をするのは、本邦初公開!!第2王女ミスティア様の影の護衛をされているという陰の者、いや、東方にいるとされる武士道を持ったフィーアだぁぁぁ!!』


 そう言って司会者が紹介し、指さした先に彼女は現れた。


 他のミニワゼシスターズと合体し、その等身は最初の合体の物と似てはいるだろう。


 だがしかし、違うのは銀色の期待ではなく、こちらはフィーア主体の合体のせいなのか、その髪の色と瞳は彼女の色‥‥‥それよりもやや濃いめの深い緑である。


 髪も伸ばされてポニーテルにまとめられており、腰に帯刀するのは2本の大太刀。


 わかりやすく言うのであれば、女侍のような格好であるというべきだろうか‥‥‥‥ただ一点を除けば、ワゼの姿に近いとも言えるだろう。



「『合体フォルム「ワゼMK=2」』が対軍基準の合体であれば、あのフォルムはフィーア主体の剣技に長けた対人基準の合体、『合体フォルム「翡翠」』デス」


……以前、どこぞやの国の軍と戦闘した時の姿は、大人数・軍兵器と対等に打ち合えるように想定された合体だった。


 けれども今回は、試合という事もありつつ、フィーア自身の意識をしっかりと保たせた彼女の剣技を魅せる合体フォルムらしい。


 なお、あの腰の大太刀は合体時に各自の部品が合わさってできるモノらしく、ただの大太刀ではないようだ。


「ちなみに言語機能も改善してますので、あの形態であればまともな言葉となりマス」

「普段からできないの?」

「合体して並列稼働できるからこそ可能な技デス。個性の問題などもありますので、普段は各自の言語となるのデス」


 何にしても、これは面白そうな組み合わせである。


 片や、西洋の騎士の格好をしつつ、その実態はアンデッドのデュラハン。


 片や、東洋の武士の格好をしつつ、その実態はメイドゴーレムのワゼの分身のようなミニワゼシスターズ。



【ふむ、相手としては不足無さそうやなぁ…‥‥むしろ、楽しめそうや】

「‥‥‥フ」


 互に目が合い、火花が散ったように見える。


 両者とも戦闘する前から、実力を予想したらしい。


……というか、関西弁モドキのような話し方の気がするな。



 すっとお互いに剣を抜き、構える。


『それでは、試合…‥‥開始!!』


 試合開始の合図と共に、動き始めるのであった‥‥‥‥

 

MK-3とかではないが、合体フォルム公開。

騎士にすべきか侍にすべきか、少々悩んだりした裏話もあるが、今は試合を見るのみ。

勝者はどちらなのか、次回に続く!!


…デザインとかは小説で表現するのが難しいが、出来るだけ伝えやすいように考えていた。

まぁ、スタイル的にワゼの願望が少々出ているような気がするが…‥‥ツッコミはやめておこう。

全身鎧、着物、軽装、重装備など、色々とあったけどなぁ…‥‥やり過ぎた格好もあったが、まぁ、それは没になった。でもいつか出してみようと考えていたり……

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