表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/233

犬女ちゃんと海水浴(2)

「私はなんてラッキーなのでしょうか。

ハーレム加入早々、サービス回、

水着回に出くわすなんて。」


「あの美しいお姉ちゃん達の麗しい水着姿を

こんなにも間近で拝見できるなんて、

幸運と言う他、言葉もありません。」


「ここは海イベントを充分に堪能しなくては。」


愛ちゃんは一人でぶつぶつ言っていたが、

早速行動を開始することにした。



まだレジャーシートを敷いたり、

ビーチパラソルを立てたりと

みなの準備が終わったばかりのときである。


まずは一番乗ってくれそうな

夏希のところに行く愛ちゃん。


「夏希お姉ちゃん、ここはチャンスです。」


なぜか愛ちゃんは、

年上女子達をお姉ちゃんと呼んでいた。

純心がお兄ちゃんだから、

彼女達はお姉ちゃんなのだろうか。


「お兄ちゃんにサンオイルを塗ってと頼んで、

海イベントのフラグを立てちゃいましょうよ。」


「なるほどー、

なんか海の定番イベントっぽい感じするねー」


夏希もそういうノリは結構好きだ。


-


「純心、オイル塗ってよー」


純心が振り返ると、

レジャーシートにうつ伏せに寝転がり、

肩紐を下ろして、背中を広く開けている夏希が。


『これは、もしかして、

いつものパターンのやつか?』


夏希がこういうことを言い出すと、

だいたいお決まりの展開になるのを

さすがに純心も学習していた。


犬女ちゃんと純心母は、

ちびっ子達と砂浜で遊んでいる。


まぁ、夏希はまだいい。

小学校の頃は一緒に

お風呂に入っていた仲だ。

未だに兄弟のように

思っているのも嘘ではない。


「お前、もうすでに焼けてるのに、

オイル塗る必要あんのか?」


夏休みの間、

部活で日焼けしている夏希は

すでに小麦色の肌だ。


「やだな、焼きムラにならないようにだよ」


兄弟みたいなものとは言え、

やはり年頃、夏希の柔らかくも、

しなやかな筋肉がついた肌に、

ドキドキしながらオイルを塗る純心。


-


ここまではまだいい。


すでに愛ちゃんにそそのかされたお嬢様が、

顔を真っ赤にして次の順番を待っていた。


「とっても恥ずかしいですわ…。

私は日焼け止めでお願いいたしますわね…」


これはやばい。

上ビキニの紐をほどいて、恥じらいながら、

胸の前でビキニを手で押さえる佇まい。

これは男子高校生が見ていいものでは決してない!

こんな光景を見慣れた男性高校生がいるのなら、

俺は断じて許さん!

無駄にいきり立つ純心。


「美しく透き通るような白い肌。

きめの細かい、デリケートで繊細な柔肌。

触れるとなんとも柔らかく、

心地良い感触が手にまとわりつく…」


純心が思っていたことを、

愛ちゃんが横で声に出して代弁していた。


「お前、横で解説するんじゃないよ」


「あ、あの、なんなんでしょうかこれは…」


おそらくお嬢様はまだ

羞恥プレイいう言葉を知らないのだろう。


-


「お兄ちゃん、

生徒会長お姉ちゃんも、

お願いしたいそうですよー」


そんなことを自分で言えるはずがない

生徒会長に代わって

愛ちゃんが純心にお願いする。


その時点で生徒会長は、

顔を真っ赤にして動かなくなってしまっていた。

ちゃんと息をしているか心配になるぐらい、

すっかり魂が抜け切ってしまっている。


「わ、私の胸を触ったぐらいなのですから、

せ、背中ぐらい大したことではありませんでしてよ…」


「い、いずれ責任を取っていただかなくては

なりませんでしてよ…」


生徒会長はもはや熱に浮かされているみたいに、

うわ言を呟いている。


おそらく、キレて生徒会長の胸ぐらを

つかんだときのことを言っているのだろう。


『お前はいつの話をしているんだ』


純心はそう思ったが、

実際にはまだあれから

半月ぐらいしか経っていない。



結局、中二の愛ちゃんに、いいように

翻弄されてしまう女子高生トリオだった。


-


「次はいよいよ私の番ではないですか。

私もようやくお兄ちゃんとのイベントですね。」


寝っ転がって、ビキニの紐をほどいて、

次の自分の番を楽しみに待つ愛ちゃん。



『ちゅ、中学生の肌に俺が触れるだと?

ぜ、絶対ダメだ、

男子高校生の俺が、

中学生の肌に触れるとか、

これ通報されるパターンだ、

捕まるパターンの奴だ、これ』


純心は焦る。



「お兄ちゃんの手、ずいぶん小さくないですか?」

「それになんでいくつもあるんですかね?

まさか、もしかして触手ですか?」


愛ちゃんが横を見ると、

純心は犬女ちゃんと母親の背中に

交互にオイルを塗っていた。


愛ちゃんの背中にオイルを塗っているのは、

可愛い四人の妹ちゃん達だった。


「でも、でも私はめげませんよー!」

「お兄ちゃんとの海イベント

必ず成功させますよー!」


ある意味、純心母と同じぐらい

ぶっ飛んでいる愛ちゃんだった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ