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犬女ちゃんと東京(9)/山手線一周ウォーキング

※この物語はフィクションです。

実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。


と言いつつ今回は山手線の路線図置いておきます。

https://jp.piliapp.com/japan-railway/yamanote/


『山手線一周ウォーキング』

というイベントに参加して欲しいと

生徒会長から純心は言われた。


その名の通り、

日本の首都である

東京の都心部で

環状運転を行っている山手線、

その全二十九駅を歩いて一周する

というイベントである。


なんでも理事長の

知り合いが開催するので

犬女ちゃんと一緒に参加して欲しい

と言われたのだ。


『それ大学訪問ですら

なくなってますよね?』


大学から言われるミッションが

多様化してきており戸惑う純心。

このままどんどん雑用を

やらされることになるのではないかと

少し不安でもある。



それに山手線の周囲を

一周するなんて

素人がフルマラソン走るような

ものではないのかと

最初純心は思っていたが、

案外そうでもないらしい。


山手線の周囲は

ルートにもよるが

約三十五~四十キロメートル、

徒歩で歩いて回った場合

かかる時間は約十二時間前後、

もちろん昼食や休憩時間を入れて

それぐらいの時間だから、

高校生ぐらいの若さであれば

十時間ぐらいで回れるかもしれないし、

中には八時間を切る人もいると言う。


サイトを見ると運動不足の

お腹が出ている中年お父さん達も

参加して普通に完走しているようだし、

なんとかなりそうな気はする。


それに今回なんと言っても

ちゃんと犬女として

犬女ちゃんの参加を

認めてもらっており、

犬女ちゃんにとっては

いい経験になるかもしれないと

純心は思っていた。

身体能力的には完全に

犬女ちゃんのほうが上なのに、

純心はそんな上から目線で

いいのだろうか。


-


集合場所は新宿にある

中央公園という場所だ。

新宿駅から少し歩くが

土日はそこまで人が

多いわけでもなく

スタート地点としては

いいのかもしれない。


ここまでは、

ウオーキングに参加する予定の

夏希と一緒に来たため、

あの新宿駅地下巨大ダンジョンを

迷わずに来られた。

純心は相変わらず

よくわかっていなかったので

夏希にはダンジョンマスターの

称号を授けたいぐらいだ。


現地ではさらに

お嬢様、生徒会長、

図書委員と合流する。


今回は愛ちゃんは部活で、

小夜子先生は出張で

欠席ということだった。



純心達が到着したときには

すでに数百人レベルの人が

集まっていた。


『この人数が一同に移動したら

パニックになるだろこれ』


純心が心配するまでもなく

その辺りはきちんと

配慮されていて、

時計回りと逆回りの

二手に分かれて、

数分置きに数名ずつが

スタートする仕組みのようだ。


-


純心達は反時計回り、

山手線でいう内回り組になって

新宿をスタートする。


代々木駅を過ぎて、

原宿駅が近づいて来ると

犬女ちゃんは猛烈に

ダッシュしはじめる。

どうやらまたクレープを

食べる気まんまんのようだ。


『はじまってすぐに

いきなり休憩かよ』


純心が心配していると

犬女ちゃんは三口ぐらいで

ペロリとクレープを平らげた。


他の女子はそんなに早く

食べられるわけもないので、

少しお行儀が悪いが

歩きながら食べることに。


この先どれぐらい疲れて、

どれぐらい休憩が必要なのか

わからないから、最初から

あまりゆっくりしている

わけにもいかないのだ。


-


次は早速ターミナル駅である

渋谷駅に到着と

いうことになるのだが、

人混みが予想され

犬女ちゃんが

四つ足で歩いていると

邪魔者扱いされる

可能性があるため、

ここは二本足で

歩いてもらうことにする。


念のため、犬女ちゃんには

帽子を被ってもらい、

その周りを純心と女子四人で

囲むようにして歩いた。

場所も場所だけに、

護衛にガードされて

街中を歩く芸能人のように

見えたかもしれない。

ここまででざっと

一時間ちょっと経過した

というところだ。


そう、渋谷、新宿、池袋の

ターミナル駅は意外に近い。

普段でも頑張れば

歩いていけない距離ではない。

人混みが多くて疲れるため

歩いて移動するような人も

ほんとどいないが。


-


恵比寿、目黒と

お洒落な感じの街が続いて、

五反田あたりから

若干雰囲気が変わってくる。


女子校生四人の様子を見ながら、

途中で水分補給などの休憩を挟む。


「あー、犬女ちゃん、

ちょっとぷにぷにさせてー」


「私もぷにぷにさせて

いただきたいですわ」


「私もでしてよ」


「私もいいかな?」


いつの間にか、

疲れて休憩したときには

犬女ちゃんの肉球を

ぷにぷにさせてもらって

回復するというのが

お約束になっていた。


今回欠席の小夜子先生は

またしても犬女ちゃんの

肉球をぷにぷにする機会を

逃してしまっていた。


『どんだけ癒し効果あんだよ』


そう思いながらも

もちろん純心もぷにぷに

させてもらうのだった。







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