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犬女ちゃんと文化部

以前、

体育会運動部の

部活体験に行った

犬女ちゃんと純心。


そのとき、純心は

文化部はどうであろうか

と考えたことがあった。


文芸部、演劇部、英語部、

吹奏楽部、軽音楽部、

美術部、茶道部、

他にもいろいろあったが、

文化部と犬女ちゃんの

相性の悪さに軽く絶望出来た。


人間の文化というものが、

いかに言語と道具の上に

成り立っているものなのか

改めてよくわかった。


言語に関しては、

文芸部、英語部はもちろんだが、

他の数学研究部、歴史部、地学部、

すべて言葉が理解出来なくては、

お話にならない。

生物部は違った意味で、

歓迎してもらえそうではあるが。


一方道具という面では、

吹奏楽部、軽音楽部、

美術部、茶道部など、

すべて指で道具を扱うものばかりだ。

筆を口で咥えれば、

美術部はまだいけるのかもしれない。


複雑な人間の言葉が理解出来ず、

指が短過ぎて道具が使えない、

言葉と道具の重要な二つが

封じられてしまっている犬女が

社会的には犬と同じ扱いを

受けてしまうのは

仕方ないのかもしれない。


そんな話を図書委員に

話したことがあった。

図書委員は、

本が大好きな文学少女だし、

そういう話をしたら、

関心を持って聞いてもらえる

のではないかと思ったからだ。


実際に図書委員は、

ただならぬ興味を

示してくれたし、

文化部寄りの人間としては

なんだか残念なことだ

とも言ってくれていた。


-


新学期がはじまってからずっと

学校のみなは文化祭の準備に

追われている。


文化祭、

その名の通り文化の祭りだ。

文化部と絶望的に

相性が悪かった犬女ちゃんが

果たして文化祭を

楽しめるのだろうか。

純心は少し心配ではあったが、

展示はともかく、

模擬店などもあるから、

食べ歩きするだけでも

それなりは楽しんでもらえるだろう。


去年さほど文化祭の

ノリに乗り切れず、

それほど楽しめなかった純心は、

自分のことを棚に上げて

そんなことを考えていた。



純心がいるクラスは文化祭では、

メイド喫茶をやることになっており、

純心も店内装飾の係として、

文化祭の準備を行っている。


一応は犬女ちゃんも

クラスメイト扱いなので、

当日はお客の呼び込み係を

やることになっている。


お約束だが、犬女ちゃんにも

メイド服を用意してくれると、

白ギャル、黒ギャルが張り切って、

犬女ちゃんの寸法を計っていた。


「やっぱー、犬女ちゃん

おっぱい、すげーでけーしー、

あーし、自信なくすしー」


「これ、胸周り合うのないしー」


ギャルの見た目と言葉づかいに反して、

いい奥さんになれそうな感じもする。


この調子であれば

犬女ちゃんもそれなりに

文化祭を楽しんでくれることだろう。


また、最近までミスコンと

称されていたコンテストが、

最近の流行りに乗って

スクールアイドルコンテスト

と改称され、開催されるそうで、

一部の女子はそちらの大会にも

参加するらしい。

それに犬女ちゃんも出ろと

白ギャル黒ギャルから

誘われているようだ。



文化祭まで後一か月ちょっと、

学校全体が文化祭に向けて

盛り上がって来ている。

お祭りっぽい熱気があって

こういうのも高校生らしくていい、

そんな風に純心は感じていた。







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