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神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~  作者: 葵はるか
ダンジョン探索編

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養老渓谷ダンジョン地下16階層へ

 俺は即時、否定する。

 アラブの王様は、特権階級で税金を払う必要がないから成り立っているようなもので、日本みたいな税金搾取構造だと働けば働くだけ税金を取られるので、アラブの王様にはなれないだろう。

 某白い犬の携帯電話会社や、倉庫だからという理由付けで法人税を払わない某国の密林みたいな某国人を彷彿とさせる恥知らずな企業だったら話は別だが。


「なんでだ?」

「税金」

「あー」


 それだけで弟の浩二は理解した。

 冒険者オンリーで企業間の取引をしなければ税金は換金の時点で引かれるから、そこまでではないが、それが企業を通した場合、アホほど税金を払う必要が出てくる。

 俺が150億円近く稼いだ後も口座に金を残している理由は来年度の確定申告時に半分は税金で持っていかれるからだ。


「そういえば、兄貴。今年は税金大丈夫なのか?」

「来年だな。税金で持っていかれるのは……。木戸商事から紹介された税理士の人と話したけど、とんでもない税金だから、間違いなく税務署が出てくる」

「そりゃ大変だな……」

「ほんとだよ。日本は税金が高すぎる」

「まぁ、世界一税金が高い国だもんな」

「ほんとそれ」


 思わず同意する。


「旦那様、いまの国はどの程度の税率なのですか?」

「6割は持っていかれるな。昭和までは3割か4割だったらしいが……」

「ウガヤ王朝時代よりも、倍は高いですね」

「古代より高いとはこれ如何に……。それにしてもいつの時代も税金というのはあったんだな」

「それはあります」

「人間の営みと同じような社会構造が存在している限り税金はあるということか……。そういえば、江戸時代は一部の藩以外は税金が3割だったらしいな。そして住民税はなかったと大学で習った事があったな」

「神々を敬わっていた時代の江戸時代の方が現在よりも統治機構が優れているという事ですね」


 ミツハが俺の話を聞いて頷いている。

 そう考えると江戸幕府を取り仕切って日本の政を行っていた藩主や徳川幕府は為政者としては、現在の政治家と比べてはるかに優れていたと言えるのだろう。

 200年前から400年前の為政者と比べて、現代の為政者や統治機構の方が劣化しているとは考えれば考えるほど溜息が出るな。




 翌日からは、ダンジョン攻略に手を出すことにする。

 パーティ編成は、俺とミツハと弟の浩二。

 つまり3人組。

 

「浩二!」


 ドンドンとドアを叩きながら俺は弟の名前を呼ぶ。


「何だよ……、兄貴」

「早くダンジョンにいくぞ」

「ういー」


 浩二が住んでいるのは、予備で購入したモデルハウス。

 まだ電気どころか全てのインフラが開通していないのでインターホンすら鳴らない。

 そんな浩二のモデルハウスは、俺が購入した土地の敷地内。

 伊達に1万坪という広さを購入したわけではないのだ。

 浩二と合流したあと、アイテムボックスから乗用車を取り出して養老渓谷ダンジョンの手前まで移動する。

 時刻としては、すでに午前10時を回っていた事もあり朝食を済ませたであろう冒険者が列を成して養老渓谷ダンジョンに入るゲートを潜っていく姿を見ることが出来た。


「こうして見ると、9割近くが普段着なんだな」


 弟の浩二が呟くが、


「そりゃそうだろ。何が悲しくて地下11階層以下の命の危険がある階層へ行く必要があるんだ?」

「だよな……。でも、おばさんの方が重武装なのは……」

「あれは若返りの薬を手に入れる為だと思うぞ」


 実際、以前と比べて40代から50代のおばさん達の重武装ぷりが目立ってきてる。

 おそらく本格的に地下31階層を目指すグループなのだろう。

 女性は、いつの時代も若さを目指すものだ。

 

「女は強しと……」


 後ろで弟の浩二が何か呟いているが、こちらを睨んできている女性の方々がたくさんいるので、そろそろ年齢関係から話題を変えてくれ。


「旦那様。何人かの冒険者が殺意を向けてきています」

「それは、ミツハが綺麗だからだと思うぞ」


 ミツハを連れていると、氷河期世代の男たち諸君から殺意が込められた視線を向けられることがあるが、その視線はすぐに消える。

 消える理由は、養老渓谷の日本ダンジョン冒険者協会が注意をするからだ。

 まだ死にたくないでしょう? という注意喚起。


「あっ、殺気が消えました」

「ほら、日本ダンジョン冒険者協会の職員が注意をしてくれたようだ」

「少しはマシになりましたね」

「まぁ、俺関係だけで養老渓谷の冒険者協会は3回くらいトップの顔が変わっているからな。職員クラスになると何人死んだか分からないし」


 冒険者達に注目されている中、俺とミツハと浩二は、ダンジョン入り口へ進むためのゲートを潜る。

 そして階段を降りて地下1階層に到着したところでエレベーターに乗り込み、地下10階層へ。

 地下10階層からは、ダンジョンツアーがいくつもあるので、それを横目にさっさと地下11階層まで降りたあと、周りに誰もいない事を確認しスキル【ワープ】を使い、地下16階層のミツハと出会った階層まで移動した。



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― 新着の感想 ―
年収4000万以上の最高税率が56%で世界第三位、平均だと33%くらいで普通。つまり累進課税がきつい国で低所得者層の税率は低めの国だよ
職員から死神とか裏で言われてそう
ちなみに密林は10年以上前から日本に納税してますよ。
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