69:ひさしぶりだよ、レイジさん!
リアル時間でざっくり半年ぶりですね……!
シリウスの街にダンジョンが出来てから数日。
内部からモンスターが溢れ出さないようウォルフくんや獣人族のみんなと一緒にせこせこ間引きをしていたところで、ついに『冒険者ギルド』の人たちがやってきた!
って、
「あれ、レイジさんじゃないですか!」
「やぁソフィア姫、久しぶりだね。いや、それとも今は領主ソフィア様と呼ぶべきかな?」
多くの冒険者たちと共に街に来たのは、馴染みのイケメンギルド職員・レイジさんだった。
相変わらずの優男スマイルが懐かしい。誰からも相手にされない底辺根暗冒険者だった前世では、彼の分け隔てない優しさに救われたものだ。
「かしこまらなくてもいいですよレイジさんっ、私たちの仲じゃないですか!」
「おっ、ならそうさせてもらおうかな。ギルド職員と冒険者同士、何度もみっちり話し合った仲だからね~」
そう言いながら私の後ろをチラッとみるレイジさん。
一体どうしたんだろうと振り返ると、いつの間にやらウォルフくんがめちゃくちゃ怒った表情で立っていた……! ってええッ!?
彼は驚く私を羽交い絞めるように抱き締めると、猛獣のごとくレイジさんに吼えかかる。
「テメェこの野郎ッ、俺のソフィアに馴れ馴れしく話しかけてんじゃねぇーッ!」
「ちょっ、ウォルフくんっ!?」
だから俺のソフィアとか言わないでってば!? 恥ずかしいからもうっ!
そんなドストレートすぎるウォルフくんの態度にレイジさんも呆れ気味だった。
彼は頬を掻きながら苦笑を浮かべる。
「キミは相変わらず真っ直ぐだなぁ……。好きっていう気持ちはもっとこう、さりげない言葉のやりとりから伝えていくものなんだけどね……」
「あぁ? 好きなやつにそのまま好きって言って何が悪いんだよ。俺は毎日ソフィアに好き好き言ってるぜ?」
「う、うわぁ……一周回って強すぎる……!」
小細工というものが一切ないウォルフくんのワイルドさに、恋愛慣れしてそうなレイジさんもたじたじのようだ。
彼は「こりゃぁだいぶリードされちゃったかな、オレもソフィア姫を狙ってたんだけど残念だ」と肩をすくめた。って何言ってるんですか。
「もう、ウォルフくんはともかくレイジさんまでそんな冗談言わないでくださいよ。それで、今後のことについて話したいんですけど」
「あはは、冗談じゃないんだけどね……まぁそのあたりの話はまた今度にしようか。
じゃあ領主様、これからのことについて話しつつ街を案内してもらえるかな? 他の冒険者たちもシリウス領のことが気になっているみたいだからね」
レイジさんがちらりと後ろを見ると、そこには注意深くあたりを見渡す冒険者さんたちの姿が。
まぁそりゃ気になるっていうより不安になるよね~。なんたって人間と基本不仲な亜人種たちが山ほどいる街ってことになってるんだから。中には剣の柄に手を添えている人もいるあたり、流石は身の危険に敏感な冒険者たちって感じだ。
うーん、これから彼らにはダンジョンの間引きをしてもらうために長い間住んでもらわないといけなくなるんだけど大丈夫かなぁ……?
相変わらず次から次へと問題が重なってきて、私は小さくため息を吐いてしまうのだった。
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