63:異変の幕開け
われ復活ッ!&底辺領主の表紙とソフィアちゃんのキャラデザを公開しました!
毎話の評価ポイント入れるところの下あたりに貼ってありますよ~!
「うふっ、ふふふ、ふふふふふふふふふふふふ……!」
執務室の椅子に腰かけてクルクル回りながら、私は上機嫌に笑っていた。
ドルチェさんが言うことを聞いてくれるようになってから数日。王国は私の功績を認めて、なんと三十億ゴールドもの報酬をくれたのだ。街の運営資金にするなり遊ぶ金にするなりして、これからも頑張ってくれってね!
正直なところ私はドルチェさんを好き勝手に放置させてただけなんだけど……まぁよしッ! ちょっと悪いなぁって思う気持ちもあるけど、だからって減額してって言えるほど余裕はないからね。
五百人くらいしか人口のいない『シリウス』の街だけど、雑貨品やらを取り寄せたりするのにかなりお金がかかるのだ。
働いてくれている人には給料をあげないとだしね。しかも私の場合、月に五十万くらいは渡してるからさ。
たまに「こんなにもらっていいんですか!?」「奴隷だったときは、ほぼ無賃でこき使われてたのに……!」と感動されたりもするが、勘違いもいいところだからね!?
だって私、未だに私兵はウォルフくんだけだもん! 反逆されたら終わりなんだよぅ!
「……これも王様から任された実験の一つだからねぇ。『亜人種たちを武力で脅して無理に言うことを聞かせるのではなく、率先して働いてくれたらどれほど生産力を上げられるか』って」
そのことを思い出して小さく溜め息を吐いた。
パワハラ王のジークフリートがパーティーの時にも言っていた通り、シリウスの街は私の人徳だけで円満に治めないといけないのだ。ゆえに兵士の大量派遣は願えなかった。
「まぁみんなとは仲良くやってるつもりだから大丈夫だとは思うけど……爆薬が量産されつつある今、反乱なんて起きたら堪ったもんじゃないよねぇ。これからも気を付けていこっとっ」
頬をパンパンと叩いて緩みかけていた気分を引き締める。
貧乏な故郷を豊かにできるくらいのお金は手に入ったけど、だからって「じゃあ辞めます」が通るほど無責任な仕事じゃないからね。
せめて亜人種たちが人との生活に慣れ、私以外の領主に代わってもトラブルが起きないようになるまでは頑張らないと。
「よし、今日も一日働きますか~!」
気合を入れなおして私は元気に立ち上がった。なんだかんだと思いつつ、やっぱり大金を手にしたことで気分は最高潮だ。
ちなみに進捗は順調そのもの。ドワーフ族による新爆薬『ニトロ』の調合と、それを誰でも作れるようにするための計量器作成はもちろん、エルフ族による霊草の栽培や獣人族による猛獣の軍用化も着々と進んでいた。
領主である私は仕事場回りだ。みんなの作業風景を覗かせてもらいつつ、リーダーである三人からデータを貰っていく。
そうして亜人種のような特殊な感覚を持たないヒト族にも同じ仕事ができるよう、マニュアル作りをしていくわけだ。
たとえ百点満点の仕事はできなくても、『こう作業すればだいたい上手くいく』『こういうトラブルにはこう対処する』って道筋だけがわかれば、八十点の仕事位は出来るようになるからね。あとはどんどん経験を積んで精度を上げていけばいいだけだ。
まっ、色々と頑張らないといけないこともあるけど……、
「いやー今の仕事はいいねー! 冒険者をやっていた時みたいにモンスターに襲われる心配はないし、それにお金もいーっぱい貰えちゃったから!」
昔よりかは今のほうが幸せかな! この調子でトラブルも起きることなくお金を貯めて、早く仕事をやめて結婚しましょーそうしましょうっと!
そんなことを考えながら私が執務室から出ようとした時だった。不意に扉がバーンッと開けられ、血相を変えたドルチェさんが飛び込んできた! え、なに!?
「大変じゃー領主殿! 何千人もの貧民たちが、金をよこせと街に攻め込んできおったぞーーーっ!」
は……はぁあああああああああああッ!? なにそれどゆことぉッ!?
なんで国から大金を送られたタイミングで、そんなことが起きるわけーーー!?
愕然とする私だったが、突然のトラブルはそれだけじゃなかった。
続いてシルフィードさんが息を切らしながら飛び込んできて、こう言ってきたのだ。
「大変ですよソフィア様ッ! 街の中心部に、『ダンジョン』が発生しました! モンスターの群れがあふれ出してきましたよッ!」
は、は、はいぃいいいいいッ!? いやいやいやいやいやいやっ、せっかく冒険者業をおさらば出来ると思った時に、なぜいきなりのダンジョン発生ッ!? 私の運勢、どうなってるのーーーーー!?
いきなり連続して起きたビッグトラブル二つに、私は本気で神を呪うのだった……!
『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『↓ソフィアちゃんイラスト神すぎ!』
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