表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/88

58:私のために争わないで、サイフくんと借金彼氏!!!




 エルフ族、獣人族、ドワーフ族のみんなに仕事を任せてから数日。作業のほうは順調と言えた。

 今日も『シリウス』の領主として各亜人種たちの仕事ぶりを見回ることにする。

 まずは農園で霊草類を育てているシルフィードさんたちのところだね~っと。


「おや、これはソフィア殿。今日もサボっていないかチェックですかな?」


「って普通に見に来ただけだよ、シルフィードさんっ! それで霊草のほうはどう? 昨日から何か変化あった?」


「ふふふ、見てください。ほら」


 彼が示したほうを見ると、そこにはちっちゃな芽が何百と並んでいた……!

 って、全部の発芽に成功したの!? 王国からの報告だと、ダンジョン以外の場所では芽を出させることすら難しいってあったのに!


「すごい……すごいよシルフィードさんっ! 一体どうしたの!?」


「いやなに、わたくしはただ植物たちの声に耳を傾けただけですよ。

 赤子を育てるようなものです。適切なタイミングで肥料を与えてやれば、これこの通りというわけで」


 別に大したことはしてませんよ~って感じを出しながらも、口元がちょっぴり自慢げに跳ね上がっているシルフィードさん。相変わらず表情に出やすい人だ。

 そんな彼にはもちろんのこと、私は農園で働いてくれているエルフの子たちみんなに頭を下げた。


「ありがとうね、みんな。もしも回復薬の原材料になる霊草が大量栽培できるようになったら、国の医療は大きく進歩するわ。

 セイファート王国に苦しめられたみんなにとって、この国のために働くのはきっと複雑だろうけど……それでも頑張ってくれているアナタたちに、心からの感謝を」


「ちょっ、頭を上げてくださいってソフィアさんっ!? ボクら、結構楽しくやってますから!?」


 わたわたと慌てるエルフの子供たち。本当にみんないい子ばかりだ。

 でも全っ然気にしなくていいからね!!! だってみんなが霊草を大量栽培してくれたら、それと栽培法を国に売っぱらってめちゃくちゃ大金が入るだろうから!!!

 もう稼ぎ頭であるエルフさんたちには、喜んで頭を下げまくっちゃうよッ! ありがとうございますみなさま、お財布ホックホクになりそうで嬉しいでーーーす!


 そんなプライドもクソもない私に、シルフィードさんがフッと微笑む。


「やれやれ。農民に……しかも亜人種に頭を下げるだなんてどうかしてますよ、アナタは。

 ――顔を上げてください、ソフィア殿。アナタはわたくしたちの領主なのですから、もっと堂々としていないと駄目じゃないですか」


「シルフィードさん……うん、ありがとうね」


 優しげな声色でシルフィードさんは私の肩に手を置いてくれた。

 彼らと過ごすようになってから約一週間。とにかく下手したてに出まくってきたおかげで、警戒心もだいぶ解けてきたようだ。暗殺される心配はもうなさそうかな? 特にシルフィードさんとは仲良しだし。


 ただ問題が一つあって……、


「――うぉおおおおおおおッ! 嫌な予感がしたからすっ飛んで来たらやっぱりこれだッ! おいシルフィード、俺のソフィアから手を放しやがれッ!」


「おやおや、これはウォルフ王子! 獣人族としての仕事をほったらかしてまでわたくしのところに来るなんて、異文化交流に熱心ですね~~~~!?」


「んだとぉおおッ!?」


 ガルルルルっと唸りながら農園にやってきたウォルフくんと、嫌味全開で細目の奥の瞳をギラつかせるシルフィードさん。

 私とシルフィードさんが仲良くなるたびに、ウォルフくんは彼と(ダメな意味で)見つめ合うことが多くなっていったのだった。


 もうっ、二人とも仲良くしなさーーーいっ!

 


『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』

と思って頂けた方は、「ブックマーク登録」をして、このページの下にある評価欄から評価PTを入れて頂けると、「出版社からの待遇」が上がります! 特に、まだ評価PTを入れていない方は、よろしくお願い致します!!!


↓みんなの元気を分けてくれ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
\デデドンッ⭐/
「底辺領主の勘違い英雄譚」発売中。漫画やってます❗
「貧乏令嬢の勘違い聖女伝」も発売。こちらも漫画やってます❗
↓画像をクリックすると書報ページを経由してAmazon予約ページに行けますよ~⭐
「底辺領主の勘違い英雄譚」の表紙~!
「貧乏令嬢の勘違い聖女伝」のソフィアちゃんで~す!
最新作「魔物の言葉がわかる俺は、彼らと共に国を出る~俺は魔物たちと国を作って幸せになるから、俺や魔物を虐げたやつらは悪いが勝手に絶滅してくれ~」もどうぞー!
― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすいし、面白いです。
[一言] ソフィアがウォルフとシルフィードの腐の本を書けば仲良くなるかも?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ