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第1章 New Hope(新たなる希望)Act14闇に堕ちし友 Part4

魔女の前に身を晒す3人に、銃口が向けられる。


絶体絶命のピンチにチアキは?


魔法少女は如何に切抜けるというのか?

見下ろす紅き瞳。

長い髪を靡かせ、空中に佇む姿にミークが叫ぶ。


「魔女っ!現れたなっ。ラル姉の魂を返せっ!」


紅い瞳でミークを見た魔女が言った。


「王女よ、皇太子姫こうたいしひめの魂を返して欲しくば。

 条件を呑むというのか? 

 この国に居る全ての魔法使いの魂を我が主に差し出すと言うのだな?」


薄ら笑いを浮かべる魔女が、無茶な交換条件を今一度告げた。


「そんな事、出来る訳が無いのを知っていて、言っているのだろうが!」


ミークの怒り声が拒絶する。


「ならば皇太子姫の魂は返せんな。

 それにお前達2人の魂をも受け取りに来た。

 我が主は気が短いのでな。

 返事をせぬお前達に御立腹なのだ。

 さあ、今よりお前達の魂は我が主のモノだ!」


腰に下げたフォルスターに手を伸ばし、魔女が一方的に命じた。


「オスマン帝国3姉妹が生きるしかばねと化せば、

 この国はあの者達が牛耳る事となろう。

 それが我が主の狙い、この地を約束の地と定めた我が主の望み」


フォルスターに納められた銃のグリップに手を掛けて、魔女が言い放った。


「さあ、諦めるがいい小娘共。その魂を貰い受ける」


銃を抜き放ち突き付けた先は。


「先ずは我が下僕を滅ぼした魔法使いを始末せねばな。

 邪魔立てされてはかなわん。一発で動けなくしてやる」


構えた銃口をチアキに向けた。


「くっ!」


身構えたチアキは魔法石を手にするが、魔力を先の戦いで使い切ってしまっていた。


「命の恩人を撃たすな!」


7人の魔法使い達が王女達を庇って攻撃を掛ける。


「馬鹿め・・・」


銃口を7人に向けた魔女の指がトリガーを引いた。


     <バシュッ>


弓を引く物が、光の弾に射抜かれる。


     <バシュッ>


槍を投げようと構えた者にも当る。


     <バシュバシュバシュバシュバシュッ>


連続した射撃音が広間に流れた。


     <バタ>


最期に立っていた魔法使いが、床に倒れ込んだ。

チアキの瞳には、7人の魔法使い達が倒れて動かなくなる姿が映る。


「なんてことをっ!」


ミークが魔女に叫ぶと、


「弾の無駄使いをさせおって。

 さあ!今度はお前の番だ小娘!」


チアキに構え直して捨てセリフを言った魔女が言った時。


ーチアキ・・・大丈夫よ。彼女が来てくれたわー


守護天使ミハエルの声が脳裏に届く。


「え!?ミハエル様・・・誰の事ですか?」


思わず聞き返したチアキの耳に響いたのは女性の凛とした声。




「お待ちなさいっ!銃を降ろすのよ!」


魔女の瞳が広間の入り口を見る。


「さあ!銃を降ろして私を見なさいっ!」


声の主は、黒いスーツを着て魔女に指を差していた。


「誰だお前は?邪魔すると言うのだな?」


魔女が銃をスーツ姿の女性に向けてトリガーに指を掛ける。


「邪魔するも何も・・・やめなさいって言ったのよ!」


凛とした声色こわいろで女性が言った。


「ふっ、ならば貴様もこの銃の前に倒れてしまえ!」


魔女が指をトリガーに掛けて言い放った。


「あ~ら、私が魔法使いだって知っていたんじゃないのかしら?」


銃口を向けられても動じない女性が腰に手を当てて、


「私に銃を撃っても当てられるものなら撃って御覧なさい!」


魔女を威嚇した。


「当らぬ訳がない。この銃は魔法使いを倒す為に造られたのだ。

 この魔鋼銃に狙われて倒されぬ者などいない!」


魔女がトリガーを引き絞る。


    <バシュッ>


光の弾が女性に向けて飛ぶ。

女性は避けもせず魔女を見詰め、


「残念だわ・・・」


一言呟く。


    <バンッ>


挿絵(By みてみん)




女性の身体に弾が当たったと思われた時。


「ぐっ!?」


呻き声を出したのは魔女の方だった。


「えっ!?」


チアキもシャルもミークも、固唾を呑んで観ていたが、その光景に息を呑んだ。


「ホント・・・残念だわ・・・」


女性はなんともない様に呟く。


「きっ、貴様っ!どこから出したのだ!?」


魔女が驚きと怒りの混じった叫びをあげる。

その瞳に映ったのは、女性が何処いずこからともなく出した<板>。

その<板>に光の弾が当たり、貫くことも出来ずに弾け跳んだのだった。


「あらぁ、私が魔法使いだと知っていたのではなかったのかしら・・・あなたは」


スーツ姿の女性が凛とした声でたずねる。


「くそっ!ならば連射を受けてみろっ!」


魔女が再び銃を構える。

だが、スーツ姿の女性は首を振る。


「無駄よ。何発撃ったとしても防いでみせるわ。

 ・・・あなたも知っている筈でしょ」


やや悲しげに瞳を伏せて、


「そう・・・あなたの記憶に私は残っていないの?

 あなたと共に闘った事さえも・・・」


   <ピクリ>


魔女の手が停まる。


「ならば・・・思い出させてあげる。

 記憶を取り戻させてあげるわ・・・< リ  ン  > !」


   <ブ  ワッ>


「うわぁっ!?」


驚きの声をあげたのは、固唾を呑んで観ていた3人の娘達の方だった。


スーツ姿の女性から数本の手が現れて、それぞれに<板>を持って魔女に翳す。


「どう?リン!これでも解らないの?

 私が <マ ジ カ>だという事が!」


凛とした声を出すスーツ姿のフェアリア皇国大使。


碧い瞳のマジカは、魔女<リンカーベル>を指差し名乗った!

あ・・・ああああっ!?


ナにこの人?

こんな嘘みたいな魔法があるなんて!


チアキ・・・この人がお前の祖国フェアリアの・・・大使閣下だ


「は?」←眼が点・・・


次回 闇に堕ちし友 Part5


君は闇に堕ちた友の魂を取り戻す事が出来るのか!?

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