閑話34 とある配信者のビート・ザ・トップアスリート同時視聴(コメント付)④
・今北産業
おっけー。
5回表、プロ野球選手チームが恒例の土下座……は未遂だったけど、試合継続。
5回裏の芸能人チームの攻撃はランナーを2人出したものの、追加点はなし。
試合は現在、芸能人チームが1点リードのまま延長6回の表に突入。今ここ。
以上!
・3行で振り返り助かる
・ちなみにスコアは1-2
・試合はここからが本番。仕切り直しだ!
うん。そして、プロ野球チームの攻撃は5番バッターの瀬川昇二選手から。
ここは何としても出塁して、同点のランナーを出したいところだけど……。
瀬川昇二選手も秀治郎選手と同じく、ここまで無安打に抑えられてるんだよね。
・まあ、大リーグ級の球をそう簡単に打てたら苦労せんわな
・茜選手や倉本選手と違って守備に阻まれてる感がないのがな……
・他の選手に比べて、何か早打ちし過ぎな感じしない?
うーん……。
少なくとも、昨シーズンはこんな感じだったと思うよ?
多分、積極的なだけじゃないかな。
・そうなんか。私営リーグは結果しか追ってなかったから知らんかった
公営リーグのファンの人みたいだね。
でも、村山マダーレッドサフフラワーズは派手な試合が多いから、ファンじゃなくても観戦するのは結構お勧めだよ。
・ほとんど圧勝か馬鹿試合のどっちかと言う
・ホント毎試合、誰かしら打つからな
・秀治郎選手申告敬遠からの昇二選手、倉本選手で得点ってシーンはよく見たわ
クリーンナップだから当然っちゃ当然だけど、後ろに確実性の高い倉本選手が控えているからか、昇二選手は特に長打狙いの傾向が強いんだよね。
あのパワーそのものも本当に脅威だけど、何よりも秀治郎選手との勝負を避けた後だと相手も勝負せざるを得ないってのがもう。
本当に鬼畜な打線だよ。
・微妙に影が薄い5番バッターの崎山選手も好打者だからな
・塁上を埋めても不利が拡大するだけなんよ
・ある意味、敬遠対策の答えだよなあ
っと、初球マン振り!
スプリットで空振り!
風を切る音が聞こえてきそうだね。
・相変わらずスイングスピードがえげつないわ
・やっぱ振るんやな、初球から
・瀬川昇二選手は優男な雰囲気に反してガンガン振っていくタイプだからなあ
いや、あのガタイだとむしろフルスイングの方がイメージ通りじゃない?
……可愛い顔してるのは確かだけど。
等身高くてムキムキだから、引きで見ると脳がバグりそうになるんだよねえ。
・この6人で並ぶと、完全に頭1つ飛び抜けてるしな
比較的小柄な茜選手も同じ画面に入ると、尚のこと際立つんだよねえ。
もうアメリカ代表の中に紛れ込んだ方が自然なぐらいだよ。
まあ、それはともかくとして。
ピッチングマシン相手だと待球作戦をしたって全く意味がないからね。
少なくともV&R野球盤なら早打ちも悪くはないんじゃないかな。
・機械は疲れないからな
・人間以上のコントロールだし
このピッチングマシンに関して言えばボール球は100%意図的なものになる訳だから、相手の考えを読むことの重要度が特に高くなってるよね。
運の要素が更に減ってるような気がして、私は今回の方がより好みかも。
・より選手自身の技術や心理的な駆け引きに勝敗が依存する勝負が好き、と
・まあ、守備のシミュレーションはちょっとアレだけどな
そこはあくまでもバラエティ番組だからね。
けど、逆にそこを完全に公正に判定するように設定しておけば、一般で大会も開くことができるんじゃないかな。
・バッティングにだけ自信ニキネキの活躍の場になるかもな
・やろうと思えばソロでもやれるし
・規模がでかくなればプロリーグも作れたりするんじゃね?
・ランキング制にして異なるランク帯の場合はハンディキャップを入れたり?
うんうん。それも面白いかも。
っと、2球目。高速スライダーを……打った!
打球は右中間! これは長打になりそう!
判定は……?
・ツーベースヒット!
・これで4打数1安打。秀治郎選手に先んじたな
・昇二選手、あからさまにホッとしてて草
・可愛い……食べちゃいたい……
え!? あ、えっと……。
昇二選手のファンの人って、何て言うか凄く熱心だよね。
・Don’t Touch!
・あそこは濃ゆい連中の集まりだからな……
・ガチ()勢だぞ
その括弧、何なの……。
ううん、答えなくていいからね!
それより、ノーアウトランナー2塁で6番正樹選手。
弟を得点圏に置いて気合十分だね。
・アマチュア時代を知ってるとグッと来る光景だ
・来シーズンは何度もこういう場面が見られるといいな
同意だけど、打順がどうなるか次第でもあるね。
もしかしたら逆になるかも?
・正樹選手を昇二選手が返す訳か
・それもいいな
まあ、今はこのチャンス。是が非でもものにしたいところだね。
初球インコース低めいっぱいに決まる大きなカーブの後。
2球目はアウトコース高めへのストレート……を打った!
あ、これ行った?
・いや、角度がつき過ぎてる気がする
・打球は大きな弧を描いて……
・フェンスの中くらいの高さのところに直撃!
・長打か? いや、でも、このパターンは――
ジャンピングキャッチ! 判定アウト!
ファインプレイ!
って、うーん……
・奇跡はここじゃなかったか
・フェン直がアウトになるのはキツ過ぎるわ
別のカメラで見ると、結構高く上がってたからね。
その分だけ滞空時間が伸びて「正樹選手の大きな当たりに備えて後退守備気味だった外野が追いついた」って判定が出たんだろうね。
・まあ、それは現実の試合でも割とあることか……
・見た感じ、正樹選手もそう素直に捉えたっぽいな
・「スタンドに放り込めば関係ない以上、俺の負け」ってカッコいいな
やっぱ最終的には大リーグと同じ考えになっちゃうのかな。
あっちではシフトが凄くて、そういう方向になってるって聞くけど……。
・シフトに阻まれるなら、外野の頭を越してしまえばいい、か
・けど、それだとフィジカル面で劣る日本人はなあ
都合よく昇二選手みたいにガタイのいい選手が集まればいいけどね。
アメリカ代表投手の球威に押されないぐらいの。
・ますます遺伝子での選別が進みかねないな
だねえ。
とは言え、それをやるのは日本だけじゃないからね。
世界の平均が上がったら、多少差を縮められたとしても覆すことはできない。
何か日本の特色を出して絶対的な差を埋めていかないと。
・茜選手、打ったよ
え? あ、しまった!
見逃した!
リプレイ、プリーズ!
・もう浜中選手の打席だぞ
・まあ、普通のクリーンヒットだったよ
・傍から見てると何か簡単に打つよね。茜選手
・尚、2塁ランナーは帰れなかった模様
うぅ、今度ノーカット版で確認しよ……。
・とか言ってる間に浜中選手はスクイズ失敗
・高めの高速スライダーに対応し切れず
・打ち上げてしまってアウト
くぅ、配信者として情けない。
仕切り直すよ!
場面は2アウトランナー1塁3塁。
ここで3番の倉本未来選手!
って、あれ?
・申告敬遠!?
・マ?
・秀治郎選手の前で!?
・やってくれんねえ
・秀治郎選手、初めてじゃない? 前のバッターが申告敬遠食らうの
そ、そうだよね。
今日に限っては倉本選手の方が脅威という判断か。あるいは番組的な演出か。
いずれにしても、心中穏やかじゃないはず……。
と、ともかく!
満塁のチャンスにここまで無安打の秀治郎選手が打席に……うひっ!?
・どした?
・何か凄い声出たぞ
う、ううん。
何か、急に寒気がしたって言うか。
体が勝手に震えてきちゃって。
・いや、分かる
・俺もなったわ、今
・一瞬映った秀治郎選手の顔のアップ、ヤバかったからな
そう、それ!
言い方悪いかもだけど、殺されるかと思った……。
・殺気って奴か
・あからさまに雰囲気変わったな
・ガチガチのガチ、っぽい
・申告敬遠でブチ切れた?
フォームに力が入ってる感じはないみたいだけど。
努めて冷静に、集中力を極限まで高めてる感じがする。
でも、芸能人チームの初球はまたピッチングマシンの上限の球。
初球、250km/hの直球。
・やっぱやり過ぎなのでは?
・打てんって、こんなの
・これで凡退して負けたら、もう放送事故だろ
・秀治郎選手も秀治郎選手で意固地になってるのでは?
・ふぁ!?
わっ!? 打ったっ!? え、行ったっ!?
カメラも追えない打球速度!!
・え、マジで?
・打球はスタンド一直線! 正に打った瞬間!
・ガチで行ったわ
・これはシミュレーションするまでもなく、看板直撃の満塁ホームラン!
・あの超豪速球、振り負けずに引っ張ったでおい
・ここのコメントは逆神だったかあ……
す、すご……。
世の中には同じ速度の球を打てるバッティングセンターもあって、実際にホームランパネルにぶち当ててる動画とかも確かにあるけど。
これはどのコースに来るか分からない上、球種もストレートとは限らないのに。
あのインハイの球をしっかり芯で捉えるなんて……。
・これが、奇跡
・テロップに偽りなし
・マジでヤバいもん見てしまったわ
秀治郎選手「まあ、結局のところはバッティングマシンですからね。5打席も立ってたら1本ぐらいはさすがに出ます」だって。
クール過ぎない?
・いや、1本も出ないよ。あんな球、打てないよ
・誇るでもなく、むしろ恥ずかしそうなのなんなん?
アナウンサーが似たようなこと聞いてるね。
ああ、成程。
普段使いしてる時はもっと打ててて、だから自分から制限なしを持ちかけたのにここまでヒットが出なくて申し訳なかったんだって。
・おかげで番組は盛り上がったけどな
・これがあったから、前半はあのまんま放送したんだな
・とは言え、さすがに最後まで打てなかったら取り直しになってたに違いない
その時は他の選手達と同程度にピッチングマシンを制限して、だっただろうね。
けど、日本野球界に発破をかけたい秀治郎選手としては、この無制限ヴァージョンで打ちたかったはずだから……。
もしかするとこの試合、意外とプレッシャーがあったのかもしれないね。
いずれにしても、これでプロ野球選手チームは逆転。
スコアは5-2。
・勝ったな
・奇跡の大逆転劇!
・
・
・
そして試合終了!
6回裏に芸能人チームが1点を返すも、7回表に瀬川正樹選手がホームラン。
更に茜選手がヒット。浜中選手が犠打。倉本未来選手がヒット、からの秀治郎選手の3ランホームランで駄目押し。
7回の裏の芸能人チームは無得点でゲームセット。
最終スコアは9-3でプロ野球選手チームの勝ち!
・結局、無制限ヴァージョンのピッチングマシンから2本ホームラン打ってて草
・MVPは秀治郎選手! MVPの賞品の新型SUVをゲット!
車の免許は取ってないから両親にプレゼントだって。
秀治郎選手の親孝行エピソードにまた1つプラスだね。
・秀治郎選手、免許取ってないんか……
・19歳だしな。取りに行く暇もないだろう
・自分で運転して事故るリスクを考えるとそれもありだろう
いやあ、でも、面白かったね。
やっぱ逆転劇はスッキリする!
V&R野球盤は1年の野球の始まりみたいなものだけど、何か幸先いい感じ!
今年はWBWの予選もあるし、この6人には更なる活躍を期待したいね。
・今日のバッティング見たら、マジで期待だわ
・まずは日本代表特別強化合宿。それから初の特別強化試合、だな




