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第3次パワフル転生野球大戦ACE  作者: 青空顎門
第3章幕間

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閑話32 とある配信者のビート・ザ・トップアスリート同時視聴(コメント付)②

 1回の裏。芸能人チームの攻撃は元1部プロの樫山さんから。

 2番はお笑い芸人のデューク隆さん。

 3番はこちらも元1部プロの小粥吉氏さん。

 4番はキャプテンの中田那珂さん。

 5番はデューク隆さんの相方のナイーブ肥田さん。

 1本目と全く同じ打順とメンバーだね。


・2本立てではあるけど、さすがに2本撮りじゃないよな?


 それならどっかでネタにしてるんじゃないかな。

 野球で2本撮りなんてダブルヘッダーだーって。

 だから多分、別日だと思うよ。


・まあ、そうだろうな

・ちなみに、前の2本立ての時は別撮りだったらしい

・1日で纏めず、2日インペリアルエッグドーム東京貸し切りとは果断過ぎる


 機材の設置や撤収の時間が丸っと無駄になっちゃうからね。

 けど、少なくとも話題性を作るって意味では十分その価値があるんじゃない?

 しばらくしたらV&R野球盤単独ノーカット版も別々で放送されるだろうしね。

 実際、そこまで難しい判断じゃなかったんじゃないかな。


・確かに

・出演者のスケジュールの都合もあるだろうしな


 とか何とか言っている内に、樫山さん。

 いつもと違って、何か妙に真面目にバッターボックスに入ったね。


・スッと打席に立ったな

・いつもはネタで時間取ってるのに

・19歳の最強選手を前に馬鹿をやるのはさすがに気後れしたか?

・そんなタマじゃないだろ


 とは言え、戸惑いはあるかもね。

 現役時代が被ってない選手とやるのって、多分初めてでしょ


・あー、そうか。引退が3年前だもんな

・丁度、村山マダーレッドサフフラワーズのプロ昇格の前の年だったわ

・もう少ししたら、芸能人みたいなイメージしかない世代ができるかもな


 クイズ番組の回答者のイメージしかないピッチャーみたいな感じ?

 これは一応野球やってるし、元プロって情報はセットで伝わるんじゃないかな。

 まあ、それはともかくとして。

 19歳の選手達は世代の違う元プロに対する初球に何を選ぶのかな。

 ……って、初っ端から結構悩んでるね。


・120km/hと100km/hの直球と100km/hのカーブだもんな

・キャッチャーのベストナインに選ばれてるのがいてもキツいか


 球種のクオリティが高ければまた違うだろうけど。

 投球の幅を出すために、1つぐらい速い変化球が欲しいところだよね。

 っと、秀治郎選手が何か取り出したけど……。

 マル秘ノート?


・えっ、今日のためにデータ取って研究してきたって?

・V&R野球盤ガチ勢やん

・いやいや、確かにノーカット版も放送されてはいるけどさ


 垂れ流しでもそれなりに数字が取れるらしいからねえ。

 テレビ局的にも2度おいしいって言うか。

 にしても今までの試合のデータ、全部集計したの?

 凄くない?


・秀治郎選手、意外と暇なのか……?

・あ、さすがに秀治郎選手が纏めた訳じゃないのか

・村山マダーレッドサフフラワーズには専門のデータ分析部隊がいる……?


 そりゃスコアラー的なのはどこの球団にもいるだろうけどさ。

 プロ野球球団になって2年で完備してるってのは凄いことだよね。


・どうやら秀治郎選手が主導したらしい

・かなりデータを重要視してるみたいだな

・秀治郎選手なら実力だけで捻じ伏せられそうなのにな


 でも、秀治郎選手が想定してる相手はアメリカ代表だからねえ。

 身体能力も技術もアッチが上。

 となると、後は戦術で不利を覆すしかない訳で……。

 その予行練習みたいなものなんじゃないかな。


・それは普通、国を挙げてやるものでは?


 他国の情報を収集するのは中々難しいからねえ。

 特に日本ってそういうスパイ的な活動? は弱いみたいだし。


・スパイ天国日本……

・まあ、防諜能力と諜報能力は表裏一体だからな

・けど、一介の球団なんて尚のことじゃない?


 民間諜報機関ってのもあるみたいだし、結局は能力次第なんじゃないかな。

 その一端がこの試合で分かったりするかも?


・あんまり目立ったら海外から目をつけられかねんし、国を煽るためじゃないか?


 あー、そうかも。

 それか囮、みたいな?


・村山マダーレッドサフフラワーズはデコイで本命は国ってことか

・いずれにしても、この時期はWBWも情報戦が主戦場ってことだな。


 で、樫山さんのデータはと言うと……。

 通算成績で見るとインコース低めの打率が特に低い。

 このV&R野球盤でもインコース低めの打球は比較的弱い、だって。

 へえ、そうなんだ!


・樫山、全国放送で弱点バラされてて草

・ま、まあ、既に引退した後だから……

・次回以降、インコース低めを攻められたら笑う


 使うピッチングマシンの精度次第でもあるけどね。

 そのデータに従って……初球はカーブをインコース低めかあ。

 振りに行って――。


・当てたけどファウルだな

・やっぱ苦手コースなんかな


 続いて速い直球を同じコース。

 ……っと、これはボテボテ!

 凡打になりそう!


・判定は、サードゴロ!

・まずは2球で1アウトか

・うーん。これは樫山、今後は狙われるな。インコース低め


 言っても元プロだから修正してくるとは思うけどね。

 プロ野球選手チームの持ち球って心許ないし。

 けど、まあ。

 2番打者のデューク隆さんには誰がどう見てもカーブだよね。


・毎度のことだからな

・自分でもネタにしてるし

・予告カーブに毎回やられてるもんな


 と思いきや、インハイの速いストレート。

 まずは見逃しで1ストライク。


・16分割エグいわ

・120km/hでも思った以上にキッチリ内角高めいっぱいに決まったな

・完全に手が出なかった


 やっぱ制御凄いね。このピッチングマシン。

 2球目はまたインコース。今度は低めに遅いストレート。

 振っていったけど、タイミングが早くてファウル。

 内角を意識し過ぎたフォームになったって茜選手、そういうとこも見るんだね。

 で、最後はカーブをアウトコース低め狙いかあ。


・ガチで叩き潰しに来てるやん

・あ……

・案の定、空振り三振

・転んで大の字になっちまった


 デューク隆さんは野球部でレギュラーになれなかったって言う話だけど……。

 やっぱ、こういうのを打つかファウルとかで逃げられないと駄目なんだろうね。

 あるいはカーブを投げられる前に打ってしまう、とか。

 自分に合わせて工夫しないと。


・だな

・そこへ行くと次の打者は鬼門だそ


 樫山さんは最後までフル出場がなかったけど、小粥さんはフル出場の経験がある上に2桁本塁打を何年も記録したことのある大打者だからね。


・通算100本塁打超えてるしねえ

・同じ高校出身とは言え、よく出演してくれてるよな


 中田那珂さんの方が先輩だからね。

 小粥さんの時代なら先輩の言うことは絶対服従だろうし。


・うっ、パシらされたトラウマが

・もろ体育会系の時代だよな

・いや、今も場所によっては……

・まあ、無茶苦茶なこと言われさえしなければ、ある程度の規律は必要よ


 何はともあれ、前2人とは格が違う打者をどう攻めるつもりなのか。

 興味深いね。


・サラッと樫山格下扱いで草


 ま、まあ、それはその、さすがにね!

 数字は正直だから!


・否定はできん

・小粥>>>>>樫山>(プロの壁)>中田那珂>>>デューク隆≒ナイーブ肥田

・実際、V&R野球盤でも小粥は打ちまくってるもんなあ

・打率6割超えだぞ

・正直なところ、小粥に金属バットは無法としか言いようがない


 そんな小粥さんに秀治郎選手達はどう挑むのかな。

 まずはデータの分析から。

 ……V&R野球盤だとやっぱりどのコースでも打たれちゃうんだねえ。

 この球種だと厳しいって秀治郎選手、そりゃそうだよね。


・小粥は現役時代からバッティングセンスが高く評価されてるからね

・打撃コーチをしたりもしてるし

・そんな小粥が反発力の高い金属バットなんか使った日にゃ、そりゃ無双するって


 とにかく現役時代のウィークポイントを狙って……って、あ!

 打たれちゃった。判定は?


・長打! 2ベースヒット!!

・さっすが小粥

・V&R野球盤最強打者!


 樫山さんに対して弱点狙いをしてたのに気づいて配球を読んだのかもね。


・1流の打者は、ちゃんと自分の弱点も把握してるってことか


 そうじゃないと、さすがに1部リーグで活躍なんてできないよねえ。

 ともかく、これで2アウトランナー2塁。

 バッターは4番のキャプテン中田那珂さん!

 ……中田那珂さんって、さりげなく結構打ってるんだよね。


・実は打率4割を軽く超えてるらしい

・4番バッターとして遜色ない数字ではあるんだよな

・高校では秘密兵器と呼ばれてたぐらいだからな

・秘密のまま終わったらしいけどな

・さて、いつもの口上を終えてバッターボックスに入って……


 プロ野球チーム側は最終的にアウトコース低めで抑えるつもりみたいだね。

 で、その撒き餌としてまずはインコース低めへのカーブ。

 体に当たるかってところから曲がってきて1ストライク!


・避けようとしてコケとるがな

・ま、しゃーない

・これはピッチングマシンのコントロールに絶対の信頼がないとできないな

・初回だからこそ使える球って感じかもしれない


 さすがにガチで当てに来るようなことはしないだろうしね。

 次からは読んで振ってくるだろうね。


・逆に芸能人チームがギリギリを狙ってきそう


 今の1球。

 このピッチングマシンの所有者である秀治郎選手が、その制球力を信用してることの顕れでもあるからね。

 厳しいところを狙っても当てる心配がないってことなら、芸能人チームも普通に使ってくるだろうね。


・そうなると、この25分割もプロ野球選手チーム側の不利になりそうだな

・新たなハンディキャップか……


 大リーグ級の球で完璧な制球力だもんねえ。

 逆にこれで打ち込めるようなら、WBWも期待が持てるんじゃないかな

 って話してる間に追い込まれて……。

 最後、外角低めの速い直球にタイミングが合わず、空振りの三振!

 これで3アウト。

 1回の攻防が終わって互いに無得点!


・これは、ロースコアのゲームになりそうだなあ

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