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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

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甘いクッキー君にあげる

 


 昼休みも問題を問いている麗音愛にカッツーが絡んだ。


「おいおいおい、またお前抜け駆けして1人モテようとしてるな!?」


「モテるためではない」


 バッサリと切り捨てる麗音愛。


「じゃあ、どうせどうせ椿ちゃんのためだろ!!

 イトコンだからな!」


「違うっっ!!」


 西野と石田は、あぁ、そうな気がする……と麗音愛の反応を見てわかったがとりあえず見守る。


「じゃあ俺がイトコンより順位上だったら……俺のために合コンをセッティングしろ!」


「そんな人間関係はない」


「そしてもし俺がお前より下だったら、玲央のために合コンをセッティングしてやろう」


 マッドサイエンティストのようにポーズをとるカッツー。


「はぁ……結局合コンかよ……」


「お前最近なんかさーー!!! 俺を見下してるよなーー!!

 女とホテルとか行った事ありますーー!! みたいな余裕な顔してるぅううううううう」


 少しギクリとなって考えていた問題が脳から抜けていく。


「西野、石田助けてよ……」


 はいはい、と苦笑いの2人がカッツーと麗音愛の肩を叩く。

 カッツーの大声を聞いたクラスメイトがくすくす笑ったり

 え、サラキン、女とホテル? 違うって! と勝手に色々と言われている。


 しかし、なんでもピシャリと当ててくるカッツーの臭覚には

 恐れ入るがあれから美子とも話はしていない。

 図書部の手伝いも頼まれない。


 ふと気付くと携帯電話にメールがきていた。


『今夜、仕事頼める?電話くれ』という兄、剣一からのメール。


 その後、美子から

『今夜の仕事見た?』というメール

 内容を把握しようとすると


「きっさまぁああああああ! 女だろうー!!」


 カッツーの発狂。


「カッツー、男とか女とか俺は今興味ない」


「……はっ?」


「カッツーもカッツーだけど、玲央もどうしたよ? なんかあった?」


「別に……」


「少しは青春楽しまないと」


 言い返しはしないが、内心は青春と言っても……と思ってしまう自分がいる。


「麗音愛~!!」


「椿?」


 パタパタと急いでやってくる椿。

 椿が入ってくると、クラス中が注目し、追いかけて見に来る他クラスの男子もいた。


「ど、どうしたの」


 駆け寄ると、はい!! と渡される。

 ふんわり良い香り。


「クッキー作ったんだよー!!」


「調理実習?」


「うん!!」


 そういえば、エプロンが必要だと言って買ってたなと思い出す。

 ラッピングといっても、キッチンペーパーとアルミホイルに包まれたクッキーが3つ。


「放課後渡そうかと思ってたけど、みんなクレクレうるさいから

 持ってきちゃった。ほんの少しなんだけど」


「……ありがとう」


 食べ物大好きなのに、いつもお裾分けを持ってきてくれる椿。


「食べてみて?」


 そう言われたので椿のイスを用意してから、自分の席に座って一つ食べる。

 さっくり焼き上がったクッキーはチョコチップが入って香ばしく甘い。


「すごく美味しい!」


「やったぁ! って私は教えてもらっただけなんだけど。お菓子なんて初めて作った!

 楽しかったよ!!」


 えへへ、と笑う椿。


「椿は食べたの?」


「うん、もちろん。紅茶も飲んだ~。美味しくできたから麗音愛に食べてほしかったんだよ」


 きっと椿は自分に渡すために、自分は少ししか食べてないんだろう。


「ありがとう、じゃあこれ一緒に食べよう」


「え、でも」


「一緒に食べた方が美味しいよ」


「う、うん!!」


 残り2つは一緒に食べた。

 またサックリ広がる甘い味。


「美味しいね麗音愛」


「うん、美味しいよ」


 ほわほわと花が咲くような2人の、ほんわかムード。


「心配するまでもなく青春してんよな……玲央はぁ……」


「おいカッツーが自動人斬りマシーン化しようとしてるぞ」


「ぬぃぬぉぬぉおおおおおん!! キル! キル!!」


「今日は少なくてごめんね、今日覚えたから、今度みんなにも作ってくるね」


「うぉおおおおおお! 椿しゃまーーー!! やった! やった!! 椿一枚あればいい!!」


 カッツーは椿の手を握り抱きしめようとしてきたが、ヒョイと椿は避ける。


「じゃ、麗音愛……今日は放課後は?」


「うん、一緒に帰ろう」


「やったぁ! はい!」


 クラスメイトの男達も集まってきて、サラ羨ましいだの、家族団欒いいなーだの

 一緒に住んでるなら風呂上がりだの見てるの?だの

 女子は最低ーと言いながら、椿ちゃんのシャンプー教えてだのワイワイ

 結局、麗音愛を無視して話は盛り上がっている。


「はぁ……」


 勉強にならない、

 でも、こんな事して何になるんだ? 自分の将来なんて、真っ暗闇なのに。

 ふっとこんな思いが湧き上がる。


 実は教員の道を考えていた時もあったのだ。

 でも……こんな呪いにまみれた血まみれの先生なんているか。


 とりあえずは目先のやるべき事をやる。

 今までやってきたように、コツコツ、と。


 そう思ってもため息が何故か出てしまう。


 でも

 口の中に残った甘い味。


 椿といると癒やされる。

 無垢で純粋で、食べ物を分けてくれる可愛いウサギみたい。

 今日の御礼に何をしようかとふっと思った時

 剣一に電話しろとメールがきていた事を思いだす。


「もしもし?」


『あ、玲央、良かったなぁ! 大好きな新幹線乗れるぞー!』


 子供の頃から新幹線に興味があった事などなかった麗音愛に、剣一が笑ってそう話した。



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― 新着の感想 ―
[一言] 周りからすれば二人はラブラブに見えるのになぁ。 本人達が気づかないってどうよこれ! チッ……仕事はチームだからよしこも一緒か……(黒あまみ参上)
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