いつもの2人に戻るとき
「ただいま!」
「良かった~事件かと思ったよ」
「違う、あの、プレゼント買ってきたんだ」
そのまま椿の手に持たせるようにして渡した。
「これ……え? え?」
「開けて見て」
「え!? きゃー!」
袋の包を開けると、驚きから喜びの声が出る。
「こんな大きなもふもふ君……えぇ可愛い……ありがとう……ありがとう……」
ぎゅ~~~っと……愛おしそうに呟いて抱き締める姿を見ると、麗音愛の心も温かくなる。
「えへへ……もふもふ……」
うるうるする椿。
「ごめん待たせて……」
「違うよ……嬉しい。可愛い~~~可愛い、こんなにおっきーーーいの高いのに……ありがとう」
「喜んでくれたなら良かったよ」
もふもふくんをぎゅーぎゅーした後
椿は申し訳ない顔をする。
「……あの昨日は本当にごめんなさい……せっかく迎えにきてくれたのに私……」
「もう、いいんだよ。椿は悪くないよ、せっかく電話をしてくれたのにごめんね」
「美子さんと、あんな大事な話をしていたんだもの仕方ないよ」
あの時は下着姿の美子に押し倒されていたとは、さすがに言えない。
「今日話したあの件も、また2人で相談しよう」
さすがに珈琲ショップではできない白夜団の機密情報だ。
「うん、ねぇ麗音愛のプレゼントも買わないと!」
「え、俺は……」
「だってプレゼントは贈りあわないと……探しに行こう?」
「わかったよ、ありがとう」
「うん!」
なんだまじで男連れだったのか……と後ろで声が聞こえる。
「もしかして声掛けられた?」
「ん? うん……でも全然知らない人
麗音愛の珈琲残ってるのに、しつこいから睨んで殺気放ったらどこかに座ったよ。」
「ごめん、1人にさせて」
「麗音愛、心配しすぎだよ。私だって強いんだから」
力こぶポーズで椿が笑う。
そうは言われても、昨夜の泣き顔
さっきの電話の不安そうな声を思い出せば
やっぱり1人にはあんまりさせたくない……。
そう思いながら、冷めた珈琲を飲んだ。
「帰ったら洗濯しないとね」
「え?」
「あの……シーツ血だらけの、ベッドにまで染みてないか心配で……見ておけばよかった」
「あぁ大丈夫だよ、行く前に漬けてきたから」
「え! ごめんなさい……」
「気にしなくていいよ。最近血まみれ普通だしさ、はは。洗うのも慣れてきた」
「迷惑かけて、洗濯までさせて……」
「いや、俺も迷惑かけたし……」
「え?」
「寝ぼけて……」
「あっ……」
そう言うと、椿は真っ赤になって下を向く。
予想以上の反応だったので、麗音愛も動悸と焦りが……
「あの! 絶対にもうしないから! ごめん!」
とまた謝罪で頭を下げた。
あ、もう謝らない約束だったのに……。
ふと椿を見ると、なんだか哀しい顔をして……目が合うと椿が慌てて微笑む。
「あは! もう謝らない約束だよーでも洗濯は私がする!」
その後、少しぶらついて麗音愛のプレゼントも見てみたが
麗音愛がこれと言ったシャープペン580円は却下された。
「あ!」
と閃いたように麗音愛が声を出す。
「ん?」
「俺も出すからさ、マルオカートの新作買おうよ、一緒にやったら絶対楽しい!!
確か今週発売してたはず」
「じゃあ私が買う! それで一緒にやろう!」
と、いうことでワイワイ2人でゲーム屋さんに行って
新作ゲームを買う事にしたのだった。




