表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/472

本部への呼び出し~麗音愛激昂~

 

 

 紅夜会のルカから椿が呼び出され

 血を渡し、麗音愛と共に帰って眠り9時に起きてから

 11時、スーツ姿の三人は白夜団事務所のビルに入り

 事情聴取を受ける事になった。



 麗音愛は裾上げの必要もなくスーツを着こなしたが

 慣れていないのでネクタイも窮屈そうだ。


 いつもはハーフツインにしている椿だが

 スーツなので適当に一本縛りにして事務所のビルに入る。


「椿!」


 佐伯ヶ原がビルのロビーで声をかけてきた。


「え! 佐伯ヶ原君!?」


「あ、玲央様……こんにちは。……あぁスーツが似合いすぎる……これは……すばらしい……

 脚の長さが強調され……あぁ肩幅といいその首元、

 んーパース狂いがない……

 これはまさに芸術……」


 ぼそぼそと人には聞こえない声で感嘆し喜びを語る佐伯ヶ原。


「う……」


 麗音愛はやっぱり苦手だ……と思い距離をとる。


「おう、お疲れ様」


 誰だっけ? と剣一は思いながらも微塵も態度には出さず話しかけた。


「咲楽紫千部長、お疲れ様です!!」


「どうしたの? 佐伯ヶ原君こんなとこに」


「ばっか!! お前の件で俺まで呼び出しだよ!! ってかお前髪の毛!! ださい!!」


「ん?」


「こっち来い!!」


 ロビーソファに座らせ

 シュバババ! と椿の髪を編んでいく。


「素材を無駄にするな」


「あ、ありがとう」


「お前、顔色少し悪いぞ」


「大丈夫、ぶはっ」


 スプレーを掛けられる。


「よし、もう少しだ」


「なんかルカとキャラかぶってる……似てる……」


「はぁ? 誰だそれ」


「なんでもない……似てるから苦手なのかな……まぁいい人なのかもだけど」


「本音、自重しろ! 小猿」


「それは佐伯ヶ原君のほう!」


 されるがままの椿と高速で髪を結う佐伯ヶ原を見守り

 足止めされる兄弟だが、佐伯ヶ原の腕に関心する剣一は特に注意もしない。


「あの男子はなんだ?美容師希望なのか?

 なんか可愛い男子って感じだけど

 椿嬢と仲いいんだな」


「……中身は可愛くないぞ」


「ま、男に興味なし! あはは」


 適当な剣一に呆れつつも兄弟で適当な会話をしていたが


「剣一君、玲央」


「……! 美子」


「お、おす、よっちゃん」


 スーツの美子が現れる。


 ぐーっと剣一を端に寄せる麗音愛


「言えよ! 美子来るなら!!」


「お、俺も知らんかった」


「なにコソコソ話してるの?? 剣一君、昨日はドライブありがとう

 玲央も昨日はありがとね、椿さん大丈夫だったみたいで本当に良かった」


 ぎくしゃく兄弟をよそに美子は普段通りだ。

 でも少し目が腫れている。


 編み込みをされた椿がフラフラと三人の元へ来た。


「ごめぇんお待たせ……」


「異次元になりそうな濃いキャラ揃いだな、とりあえず来いお前ら!!

 帰りはラーメンでもおごってやる!!」


 勢いで気まずさを誤魔化そうとする、剣一。

 まぁその勢いに押されゾロゾロと若者集は歩き出す。


 向かう前に美子が椿に話しかける

「ごめんね、玲央が電話に出れなかったの私のせいなの」


「謝ることないです、私のほうこそ邪魔しちゃって……」


「じ、邪魔……やだ、何話したの玲央」


「??」


 美子は言ってから、椿の顔を見て、また悟る。


「ううん、なんでもないの、邪魔なんかじゃなかったんだよ、相談してただけ」


「良かった」


 この子はすごく世間に疎い純粋な子だった、と美子は思う。

 微笑まれると、胸が痛む。




 広い会議室に通されると

 麗音愛の母、白夜団の団長の咲楽紫千直美が待っていた。


「椿ちゃん!!」


 だっと走ってきた直美に抱きつかれ椿は驚く。


「無事で良かった!!」


「お、おばさま」


 まさか直美にそんな風に想っていてもらえたと思っていなかった椿は

 涙が出る思いで直美を抱き締めた。

 ぎゅっと温かく良い香りがする。


「……ごめんね……頼りない組織で」


「そ、そんな……ご心配おかけして申し訳ありませんでした」


「怪我はないのね?」


「はい」


 酷い怪我を自分でしたとは言えず、もう治ったわけだし、と椿は頷いた。




 そんな2人を皆が見守るなか

 ドン! と広い会議室の片方のドアが開いた。


「!?」


「説明をしてもらおうかな!?」


「えっ……」


「なぜ絡繰門(からくもん)家の御当主が……今日の約束では御子息の……」


 動揺する直美の話も聞かず

 ズカズカと杖をついて老人が怒鳴り散らしてくる。


「罰姫をこんな世に放ち、昨夜の脱走

 この妖魔の落とし子が!! 何を企んできた!!

 桃純家を汚し、貶め、罰姫が……!! どこにおる!? さっさと牢屋に入れろ!!」


 バシッと机に杖を叩きつけた。


 ビクッとなった椿を直美が抱き締め、2人の前には剣一が飛び出し守り


 麗音愛は老人の首元へ、晒首千ノ刀を食い込ませる。


「それ以上言うなら、その首を切り落とす」


「玲央!」


「椿は桃純家の現当主だ。罰姫なんかじゃない……」


「くっ……貴様は……晒首千ノ刀……」


「血にこだわるなら、椿は桃純の血を継いでいる事も認めろよ」


 びくびくしていたが

 そう言われて背筋を伸ばし麗音愛の元に来た椿。


「麗音愛やめて……」


 すっと麗音愛のが刀を降ろす。


「か、篝様……?」


 絡繰門家当主の絡繰門鐘山(からくもんしょうざん)は椿の姿を見て驚く

 篝の面影がありありと残る、美しい姿。

 椿の姿を見たのはこれが初めてだったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 絡繰門家当主参上に、一瞬不穏な気持ちになったけれど、椿のお母さんのことを知っていて、椿と会った事はなかったのか……。 みんなが椿の養育を放棄してたんだろうと言うのが見えた気がした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ