親友だもん!
その日は咲楽紫千家の全員が
給料日なので全員が家族にと、寿司やらチキンやらワインやらジュースやら、ご馳走を買って帰りワイワイとパーティーになった。
麗音愛と椿が初給料で、と買ったケーキを
祖父と両親は涙を堪えるように感激し食べるので剣一が笑って写真を撮った。
その後、剣五郎に照れながら椿がCDとDVDを渡すと
剣五郎の涙腺は崩壊し椿を抱き締め、麗音愛に引き剥がされた。
直美と雄剣からは
麗音愛と椿にスニーカーのプレゼントがあった。
思い出に残る1日になった――。
時間も遅くなりパーティは終わりを迎える。
椿は咲楽紫千家全員に丁寧にお礼を言って家を出て
麗音愛は、椿を部屋まで送ると着いていく。
興奮冷めやらぬように
大切にもらったスニーカーのプレゼントを抱えていた。
「夢みたいに楽しかった!!
私まで咲楽紫千家のパーティーに入れてもらっちゃって良かったのかな」
「いいに決まってるよ。
結局、椿にはプレゼント選べなくてごめん」
「私もだよ」
「また、俺だけ椿にプレゼントできなかったな
なんでも欲しいもの言ってよ
椿は遠慮しーだから」
椿の部屋の前に着いた。
「遠慮しーっていうか……でも
……欲しいもの……ある」
「ん? あるの? なに? 教えてよ」
「あの……ちょっとまって」
鍵を開けて
先にプレゼントを玄関に置いてまた出てきた。
下を向く椿。
「ん?」
「あの花火した時の……」
いじいじと両手の指を絡ませる椿。
「うん」
「えっと……」
「うん!」
「あ……あの、なんでもない!!」
「えぇ? 言いなよ」
パーティの興奮からなのか
ぎゅってしてほしいなんて
言いそうになって、正気に戻り慌てる椿。
「あ、あの
じゃあ……もふもふくんの……ぬいぐるみ」
「あ! 店で見てたやつか! やっぱりあれ欲しかったんだね」
「あれの、小さいのでいい」
「いいから、任せておいて」
麗音愛が嬉しそうに笑った。
「どうして?」
「え?」
「あ、えっと……どうして、こんなに優しくしてくれるのかなって」
「……どうしてかって言われたら……なんていうか」
麗音愛は急にそんな事を聞かれて、自分でもどうしてだろうと思いながら
どうしてかわからないと言うのは
それは答えとしてはハズレだろうと必死に頭を回す。
「親友だし……」
「親友……!親友ってすごく嬉しい……!!」
ぱぁっと椿が笑う。
つい、一緒に笑ってしまう可愛い笑顔。
きっと、みんなこの笑顔に惹かれてしまう。
「俺も」
「麗音愛いつも親友でいてくれて、ありがとう」
「ありがとう」
椿が拳を出すので、麗音愛もコツンと拳を当てた。
「麗音愛は何が欲しい?」
「俺は……別に何も」
「それは駄目~」
「考えとくよ」
「うん、おやすみなさい」
ばいばいと2人は離れた。
椿はプレゼントのスニーカーをニコニコと大事に勉強机に置いて
寝る支度をしてご機嫌でベッドにダイブした。
「親友だもーん!!うふふ」
椿は、麗音愛の親友であるということが嬉しく感じ
ボロ布に巻かれながら、にこにこして眠った。
一番の友達、それが今の椿にとって最上級。




