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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第三部 第二章

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幸せな君と~剣一・白夜団篇~


 白夜団本部・団長室。

 外は桜の花が咲き誇っている。

 あの死闘から、数ヶ月――また春が来た。

 

「団長! この間に話をした書類提出の期限は昨日までだと伝えてあったはずですが!?」


「団長。これから撮影があるので準備をお願い致します」


「団長~~~!! 研究費出してくれるって言ってたのに降りてないよぉ~団長~!!」


 女性の声が飛び交う。

 その真ん中で頭を抱えている男が一人。


「団長、急いでサインをしてくださいっ!」


「団長、衣装合わせもありますから」


「団長~! お金ちょうだい~!! フェロモンZ~!!」


「誰がフェロモンZだよ! ちょっと待てって~!! あぁーーーもう! 今メール見てるから! ちょい待ち! あ……」


 団長室のデスクで最高級のチェアに座るのは、白い団服姿の剣一。


「団長! こっちの件のメール確認してくださいよ!? 何見てるんです!」

 

「俺はさぁ大学生なわけよ! 友達からも連絡くんの! 白夜団の任務に大学に団長の仕事!? こんなの全部できるわけないだろ~!!」


「仕方ないじゃない! 直美さんが引退した今、貴方しか務まる人はいないんだから」


「いるって! 絶対いるから!」


「いないの! カリスマに実力! 貴方だけよ!」

 

 書類を持ってきたのは伊予奈だ。

 結婚後も仕事をセーブせずに、バリバリ働いている。

 

「貴方を追いかけて、新団員希望者が山のように増えたんだから! 早くサインをして~貴方のせいなんだから!」


「それ、俺のせいなわけ~? 昨日なんか……カメリア再収録イベント出てから、ずっと会議して全国に配るポスターにサイン100枚したのに……うぐっ」


 ぐったりしながら、サインをする剣一。

 紅夜を討ち取ったあと、白夜団の存在は世界に公表された。

 隠蔽されていた事実に批判の声もあったが、何より世界を救った事実が大きかった。

 世界中が称賛するなかで、白夜団の古い体制は見直され団長の直美は引退した。


 新団長は市民を守る闘いのなかで、目立ちまくった剣一に゙任命されたのだ。

 今や国中のアイドル状態だ。


「ただのお飾りならいいよって言ったのに……俺……大学行く暇もないじゃん……卒業できなかったら、どうすんのさ……」


 剣一のつぶやきには誰も答えない。


「ひでぇ……」

 

 見えない涙が頬を伝う。


「し、仕方ないのよ……あなたの素晴らしくカッコいい姿が必要なのよ……世間はそれを望んでいるの……国の要請でもあるの知ってるでしょう……」


「ううー……わかってるけど」

 

 剣一の処遇に対しては、大学側も色々と考慮をしてくれているので卒業は可能だろう。

 しかしキャンパスライフは実際に程遠い。

 半年以上経っても、落ち着かないのだ。


「団長、撮影の時間が……」


 秘書のような振る舞いの女性はクイと眼鏡を直しながら、剣一のマントを準備している。

 常日頃つねひごろ戦うわけでもないのに純白の団服とこのマント姿が、絶大な人気なので忘れるわけにはいかない。


「まぁ仕方ないよな。わかってるよ。はぁ、撮影ってなんだっけ?」


「女性雑誌の『hanhan』ですね。セックス特集ということで上半身全裸での撮影です。あとはブランド新作の夏服と水着着用も……」


「はぁっ!? なんで女性雑誌……しかもセ!?」


「団長の肉体美を是非表紙にと。あと団長は女性の扱いがお上手という噂があるのでお話を伺いたいそうです」


「ちょ! ヴィフォさん! みんなの前でやめて!?」


 剣一が慌てて机から顔を上げたが、横にいる秘書はなんとヴィフォだった。

 

 紅夜会の一員として監獄して罰を与えるべきだという声も多数あったが、彼女も幼少の頃から紅夜会の洗脳教育を受けていた一人だということがわかった。

 そして誰より近くで戦っていた麗音愛や剣一が、罰の軽減を申し出たのだ。

 それは彼女の願いが、自分の事よりも子供達の保護だったこと。

 そして彼女の証言により紅夜会を援護していた社会の組織図が判明し、壊滅させる事ができたこと……などが理由だ。

 ヴィフォがいれば、カリン達も落ち着いて白夜団に在籍するだろう。

 そういったことから彼女は、団長秘書として働いているのだ。

 何か謀反を起こしたとしても、剣一ならば彼女を制圧できる。


「なんかエロいんすよ。この秘書。存在がもうエロいすんよ~~~~!! ボンキュッバーーーン!」


 ジト目で見るのは、もちろん爽子だ。

 確かに一番露出の少ないパンツスーツの団服を着ているが、豊満な胸と尻は隠すことができてはいない。

 メガネに黒髪を地味にアップしているが、それも艶っぽく見えてしまう。


「剣一くん……あなたまさか、ヴィフォさんと?」


「何を言ってるんだよ! そんなわけないだろ! 撮影は行くけどさ、爽子の研究費は父さんの方に任せるから~そっち行って」


 どうせみんな知ってるし、と父と呼んだ。

 直美は引退したが、剣五郎はまた若手の育成に励んでいる。

 白夜団に、咲楽紫千が多すぎる。


「雄剣課長は、今日は午後からお休みです」


 ヴィフォがスケジュール管理のタブレットを見つめた。


「はぁ!? 俺がこんな激務で働いてるのに!?」


「さっきルンルン鼻歌歌いながら、でっかいプレゼント持って歩いているのを見たぞ」


「あんの親バカ~~! むきいーーー!」

 

「そんな事より、さぁ! 研究費を! フェロモン・エスイーエックス! 発射せよ!!」


「やめなさいって! いいか爽子、お前にすぐ許可出せるわけないだろ、この前の『夜明けの騎士団』への資金流用疑惑はまだ晴れてないんだから……滑渡君に後から報告させる。伊予奈さんは、はいこれサイン!」


「あ、ありがとう団長」

 

「うげぇ~、フェロモンのけちー! 伊代奈にはすぐサイン書くくせにーー!! このスケベー!!」


「ちょっと爽子さん! 別に私は、そういうことでは!!」


 大騒ぎする爽子に、慌てる伊代奈。


「爽子、お前は俺に怒られたいのか? いい加減にしないと俺が直々に、お仕置きするぞ……? されたいのか?」


 わざとに、低くイケメンボイスで囁く剣一。

 

「なっ! や、やめたまえよ! 君ぃ!! 卑怯だぞ!! イケメンめぇえええええ!! グゥグハガハ!」


 爽子がヨレヨレと弱っていくのを見て、剣一は立ち上がりヤレヤレと団服の胸元を整えた。


「よしヴィフォ、撮影行くぞ! さっさと撮影済ませて、俺も今日はさっさと家に帰る!」


「マンションの方ですか? それとも……」


「親バカ御殿だよ! 俺も帰りにおもちゃ売り場に寄って帰ろう」


 白夜団本部は、一時的な場所として移された古正寺家の別荘を結局今もそのまま使用している。

 公式な団体として認められ、ビルも提供されているが本部は此処だ。

 そして離れにある小さな家は今では『親バカ御殿』と呼ばれている。


「ロリィさんの次はシスコンっすか……」


「誰がシスコンだ……! ってまぁ、そうなっても仕方ないだろ。めちゃくちゃ可愛いんだからさ! カリン達にも土産を買って帰らねばな。ん? ……なぁ、桜が綺麗だな……気付かなかったよ」


 外の桜を見て、剣一が目を細める。

 また春がきた。

 また麗音愛と椿、二人の誕生日がやってくる。

 今年は盛大に祝ってやろうと兄として思う。


「玲央のやつは今頃、どこへいるのかな? 羨ましいぜ」


「椿ちゃんとの卒業旅行だもんね~羨ましいわ……はぁ、温泉行きたい」


 伊代奈が自分の肩を揉む。


「温泉に行ける日はまだ遠いけど、伊予奈さんも爽子も今夜来いよ。たまの息抜きしないとな。ビストロ・ノクターンにテイクアウト頼んで間に合うかな」


「それでは私が問い合わせてみます」


「サンキュー! 今日の夜は花見だな! 夜桜見ながら宴会だ!」

 

 帰還してからのお祝いも、麗音愛と椿の誕生日パーティーも『ビストロ・ノクターン』でお祝いしてきた。

 無理な依頼はしないが、店の料理があると抜群に笑顔が増える。

 ヴィフォは、もちろん把握しており電話をかけ始めた。


「花見かぁ~いいねぇ。シャワランは外で飲むのが大好きだぁぜぇ!」


 爽子の叔父のキャンプ場は勝手に『団長ご贔屓パワースポット!』として客の呼び込みをしているらしい。

 

「伊代奈さんは来れそう? 旦那さんも呼びなよ」

 

「んもう、そんな時間はないんだけど……でもそうね。なんとかスケジュール……もう一回見直してみるわ! じゃあ今夜またね!」


 伊予奈はそういうと、バタバタと団長室を出て行った。


「今日は、超絶人気美少女動画配信者レモンシャワランの生配信があったんだが……仕方ないな。タトゥーや若当主達も呼ぶかぁ? フェロモンと遊びたがってたぞ」


「あいつらも頑張ってくれてるから、ねぎらってやらんとな! じゃあ今日は宴会だ! よっし! じゃあ行くか!」


 剣一がマントをなびかせ、爽子とヴィフォも団長室を出て行く。

 壁には新体制になった団員達との笑顔溢れる集合写真が飾られていた。


 騒がしさが消えた団長室。

 窓の外の桜がひらひらと舞い落ちる――。


 

いつもありがとうございます!!

本編の緊張感あるラストバトルと脱出編も終わりましたのでかなり久しぶり後書き復活です!

余韻が気になって、書き込めませんでしたがいつもお読み頂き本当に感謝しております。


カラレスはあと後日談が数話~ありまして4周年の25日に完結予定でございます。

実際は夜中の1時くらいに更新が初投稿なのですが、まぁ普段どおりの夜22時過ぎ~になるかと思います。

後日談のあとに、後書きを本編ページに載せたいのですが無関係な話を本編に書くのは違反行為と聞いたことがあるので本編についての補足話と改めての振り返り~そしてお礼と締めを書かせて頂きたく思います。

(まぁ、さすがに無関係な話を書くことはありえないよな……後書きだけでも許されるかもしれない……麗音愛は当初~とかそういう話を最後にちょっと語らせてください~)


さて後日談1話目ですが、いかがでしたでしょうか。

今回も登場させて頂いた「ビストロ・ノクターン」は銀タ篇様の作品「ビストロ・ノクターン」から

(現在は他サイトで「ビストロ・ノクターン2(完結済)」まで公開されております。)

作者様のご了承頂きお借りいたしました!

麗音愛と椿のクリスマスデートのお店です(*´ェ`*)

どうやら団員みんなのお気に入りのお店になったようですね。


剣一は誰とのフラグが~と感想に頂けてとても楽しい男です。

お気軽に一言でも感想頂けると最高に嬉しいです。


ブクマ、いいね、感想、レビューは最高の励みになります。

私はなろうのカラレスが初作品なので、終わってしまうとどうなってしまうんだろう。

完結ボタン押したら私も完結しちゃうんじゃないだろうか?なんて不安や寂しさもあるのですが

最後まで頑張って完結ボタンを押したいと思いますので、どうか最後までお付き合いくださいませ。


久しぶりの後書きで嬉しくなって長々と失礼致しましたm(__)m

皆様にいつも感謝しております。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 穏やかな日々 そしてイケてるメンズ剣一 剣一のマントでぐるぐるまきにされたいんですが戸森殿?
[良い点] 昨日丁度闘真の回読んでて明日感想かこ~っと思っていたら!!! ビストロ・ノクターンのテイクアウトのご注文、誠にありがとうございます(*´∀`*)従業員一同心を込めて剣一様のためにお料理させ…
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