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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第三部 第二章

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紅夜城・椿◇琴音◇海里

 

 巨大な紅夜城。

 闘真との闘いを終えた椿も、城内をさまよっていた。

 

「摩美ちゃん……どこ!? 摩美ちゃーん!!」


 闘真との闘いのあとに、すぐに摩美が拘束された場所に戻ったのだが摩美もコーディネーターもいない。

 道もまたうねり曲がって、変化したようだった。


 廊下の肉壁自体が発光しているのか、近づけば少し先まで廊下は見える。


 窓があるわけでもない。同じような肉の壁の廊下はあちこちに伸びていた。

 闘真がいた場所にも、もう戻れる気がしない。


「……あぁ、早く摩美ちゃんのところに行かなきゃ」


 あのコーディネーターと二人で戦闘した時、摩美が勝てるのか椿にはわからなかった。

 その時、大きな衝撃を感じる。


「! こ、攻撃!?」


 内臓のような床が波のようにうねって、椿は倒れ込む。

 胸元のネックレスが揺れた。


「……麗音愛……? ……剣一さんも……?」


 心のどこかで感じた麗音愛の存在。

 眷属である剣一の存在も僅かに感じる。

 姿は見えずとも、きっと傍にいる!

 それでも衝撃の数は二人より多い。

 白夜団の突入班が来たのでは……!

 

「麗音愛……!」


 涙が溢れそうになる……。

 しかし今は泣く時ではないと、椿は肩からずり落ちそうになった紅色の羽織りを整える。

 緋那鳥を構え、ボロボロの素足で走り出した。

 

 ◇◇◇

 

「ふざけるんじゃないわよ!」


 そう言いながら襲い来る妖魔を、琴音は切り捨てる。

 何度も見る犬型妖魔に飽きたように、頭を踏みつけた。


「どうしてヒロインであるべき私が、一人で敵の本拠地へ降り立つわけ……? あのブサイク本当に迷惑ならないわね……海里さんも、捕まえようとしてくれたけど無理だったし……役立たずだわ……」


 麗音愛の炎で琴音も無傷で着地したが、すぐに妖魔の群れに襲われた。

 が、それも一人で全て斬り倒し今のところは無傷だ。

 黄蝶露についた妖魔の体液を、振り回し落としてから刀を体内に同化する。


「気持ちの悪い城ね……全然聞いていた話と違う……まぁ紅夜の城だもの……どんな風にも城を変化させられるんでしょう……あの女の父親か……」


 通信も何も使えない。

 不気味な肉壁の城の廊下は、果てしなくどこまで続くのか……。


「絡繰門雪春も紅夜の元にいるはずね……」


 琴音の殺したい相手、絡繰門雪春。

 自分を陥れ、尊厳を破壊した男。

 恨みも殺意も、あの日からずっと変わらない。

 思い出すだけで燃え上がる憎しみ。


 その心を落ち着かせるために、麗音愛の事を思い出す。

 ますます強くなっていく麗音愛を思い、琴音はうっとりと目を閉じた。

 

「なんとなく玲央先輩の気配がする方へ行こうかしら。途中で罰姫がいたらどんな洗脳されているかわからないし斬ってしまってもいいわよね? ……可愛い黄蝶露、どうか玲央先輩の元へ導いて……!」


 少女一人がこの不気味な空間で、特に動揺も泣きもせず乱れたマントを羽織り直して琴音は歩き出す。


 ◇◇◇


 海里が結界を張りつつ、妖魔を斬り落とすが焦りの表情が見えた。


「まさか……敵陣で一人になるとは思ってなかったよ」


 剣一から離れた後に琴音にも手を伸ばしたが、届かずにそのまま落下してしまった。

 どのような状況になるか予想できないのは承知の上で参加したが、普通の感覚として今の状況は恐怖を感じても仕方がない。

 ただでさえ不気味な城内だ。

 傷を負わないように、海里は慎重に妖魔と戦う。

 何匹かを無事に倒し、慎重に廊下を進む。

 この内臓の中で消化されはしないかと、海里の脳内は不安ばかりだ。


「あれは……?」


 人間のような影が見えたので海里は咄嗟に隠れる。

 誰か戦っている!

 触手の妖魔? と女の子だ! 椿か!? と海里は思ったが、ボブカットの髪が揺れたのを見て気が付く。


「あの子は、摩美さん!?」


 作戦で紅夜会に戻って椿の届け物をした摩美という少女だと、海里はすぐにわかった。

 

「摩美ィイイイイ! お前ナドすぐにでも葬ってヤルよ!」


 どうにか闘真の薔薇の触手から抜け出した二人は場所を変えながら戦闘をしていたのだ。

 しかし見るからに摩美の方が傷を負い、分が悪そうに見える。

 コーディネーターは触手をくねらせながら鞭のように摩美を攻撃しようとした!


「やめろ!」


 手榴弾のような浄化弾をコーディネーターにぶつけ、海里は二人の間に入る。


「ダレだ!?」


「あ、あんたは……」


「白夜団七当主・朔海里!」


 結界で守るように摩美を包み、海里はコーディネーターに刀を向けた。

 浄化弾によってコーディネーターの触手が溶けている。

 しかし、傷を気にする様子はない。


「白夜のイヌか……! さっきの衝撃は……サラシセン!? 紅夜様ァア!」


 白夜団襲来に気付いたコーディネーターは叫びながら触手を振り回し、去っていった。

 紅夜の元へ行ったのか。

 海里はコーディネーターの行く先を把握しようとしたが、内臓のような廊下はうねり姿が見えなくなる。


「動いているのか……」


 とんでもない状況だと海里は思うが、とりあえず目の前の窮地は去った。

 へたり込んでいる摩美に慌てて駆け寄る。


「大丈夫かい?」


「大丈夫……ありがとう。白夜の人なの? 咲楽紫千達も一緒に?」


 差し出された手を摩美は素直に握って立ち上がった。



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― 新着の感想 ―
[良い点] pcエンジンのRタイプを想像しながら読んでます(・∀・)
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