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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第三部 第二章

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娘と母と恋バナと?


 泣いて座り込んでいた椿をテーブルまで連れてきた篝。

 ルカとヴィフォの姿は見えない。退室させたようだった。


「ほら……泣かないで。美味しいパンケーキふわっふわよ。食べましょう」


 椿は剣一のハンカチを持ったまま泣いてしゃくり上げている。

 

「とっろとろ~濃厚なチョコレートソースたっぷり! ほら、あ~~ん」


「……え……」


「あ~ん、して」


 見た目は自分より、かなり幼い少女。

 それでも母からフォークに乗ったパンケーキを目の前に差し出され、戸惑いながらも椿は口に入れた。


 とろけるような感触に、深い味わいのチョコレートソース。

 砕いたナッツの香ばしさが口いっぱいに広がる。

 甘さが心を慰めるように、ジーンと沁みる。


「甘いものって美味しいわよね。こういう時こそ、甘さに甘えましょう」


「……母様」


「全て一人で背負わなくてもいいの。厳しい現実は目の前にあるけど母様もいるからね……私もチョコレート大好きよ。ん~美味しい! ……はい、あ~ん」


「あむ……美味しいです……」


 激しく傷んだ胸が少しだけ収まる。

 剣一が座るはずだった席は虚しく誰もいない。

 皆に愛されている剣一が、主人になった椿だけを愛し麗音愛を殺すと言って去っていった。


 未来の惨劇を考えそうになった時に、また口元にパンケーキが運ばれ椿は慌てて自分で食べると伝えた。


 椿の心に刺さる、辛い現実。

 でもそれを母が、微笑みで癒やしてくれようとしている……。


 幻想のような……穏やかなランチタイムが始まった。

 

「このフォー熱いからふーふーして食べるのよ? お椀に移さなくて大丈夫?」

 

「母様、私はもう赤ちゃんじゃないですから大丈夫です」


「ほほ……そうねぇ。いつまでたっても可愛い私の赤ちゃんに思えちゃう」


 狂った母が自分を恨んで眼の前で自殺した。

 母に愛されていなかった。

 そう思い込んでいた記憶はなんだったのかと思うほど、篝から溢れてくる愛情。

 くすぐったいような温かさ。

 幼い顔でも篝の微笑みは、椿の心を癒やしてくれる。

 

 食事の後に篝は紅茶を淹れてくれようとしたが、椿が望んで二人で淹れた。

 篝の微笑みにつられて微笑むが、それは罪なような気がして椿は下を向く。

 

 いつでもあの兄弟を想ってしまう。

 

「……恋人とお兄さんを闘わせるだなんてね……」


 ポツリと篝がつぶやく。

 

「……酷すぎます……」


「椿は、お兄さんとも仲良くやっていたのよね? 大丈夫、盗聴なんかはされていないわ」


 篝の自信に満ちた瞳に、椿も安心して頷いた。

 誰かに聞かれているのかもしれないという事がかなりのストレスになっていたのだ。


「はい……いつも結界を教えてもらったり闘い方も沢山教えてもらいました」


 椿が思い出す楽しい思い出。


「へぇ~結界もね、あの子そっちも強くなったのねー」


「凄いんですよ。二人で青いの炎を結晶化させる方法も思いついてこれから量産するところだったのに……」


「青い炎を? すごいわ。二人で炎の研究をしたのね! 恋人……あの子にもいるの?」


 女の子の恋愛に興味津々な瞳を向けられた。


「恋人は……いなかったと思いますけど沢山の女性から憧れられていて……学校に伝説が残ってたり、ハーレム王って呼ばれてるの聞いた事もありますよ」


「そうなの……? 私の術、ちゃんと発動されているのか不安になるわね。大丈夫だとは思うけど……でも、そっかハーレム兄さんなのか……剣ちゃんの爪の垢飲ませたいわね」


「え?」


「え?」


 娘と幼女姿の母が見つめ合う。


「あ……お兄さんって麗音愛のこと……あっ……!」


 自分の鈍感さに気付き、一気に赤面する椿。

 兄といえば、双子の兄の麗音愛に決まっているのに……。

 剣一の事だと思い込んでしまった!


「うん、当然に麗音愛が、お兄さんでしょ」


「そ、そうでした。そうでした……。あれ、じゃあ母様の言う恋人って……?」


「え? 剣ちゃんでしょ?」


「ええっ! ち、違います!!」


 まさかの母の誤解に椿はブンブンと首を振って長いハーフツインテールの尻尾もブンブン揺れる。


「えー? そうなの? とってもお似合いよー?」


「剣一さんは尊敬してるし、とっても大切な人ですけど……ちっ違います!」


「剣ちゃんの方は、椿の事とっても大事で大好きみたいな態度だったわよ?」


 剣一が部屋を出て行く時に、篝と何か話している様子だったが一体何を話したのか!

 髪に口づけされた時の事を思い出してしまう。

 改めて言われると、急に恥ずかしくなる。


「そっそれはだから、眷属の呪いのせいです!」


「なーんだ……母様、ちょっと直美の息子と自分の娘が恋仲とか嬉しくて、ときめいちゃったのに……」


 ぷくーっと顔を膨らませる顔でも何故か品がある篝。


「もう母様ったら……」


「じゃあお兄さんが剣ちゃんだと思ってたら恋人って……?」


 母の当然の疑問。

 椿の心はまた大いに慌てだす!

 


いつもありがとうございます!

不穏なお話が続いているので今回はちょっと母娘ほっこり話です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 剣兄おいどんの頭髪にも接吻してくれんかの(・∀・)❤ハゲだけど
[良い点] これは……言えんわなぁ 言ったらどんなリアクションを返すんだろう? 受け入れる気はするけども。
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