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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
本編第1章 紅い夜に映り黒く墜つる刃

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呪怨墜ちる

 

 椿はもちろん動揺していた。

 麗音愛(れおんぬ)と少し離れている間に

 あっという間に、遠くへ行ってしまった。


 美子(よしこ)


 あの子は普通の女の子ではなかったんだろう。


 結界系の武器は、術者の力で気配を消せる。

 気付かなかった。

 最初から疑う事もしなかったから。


 どこの何者なのかは、もうわからないが

 こんな場所で死にたくないのは誰でもそうだろう。


 あんな方法があるのなら、協力したのに。


 そうしたら麗音愛にあんな傷を負わせることもなかった。


 命を奪うつもりはなかったが、傷つけて死ぬ恐怖を与えたのだから当然か。


 麗音愛がおかしいんだ。

 麗音愛には本気の殺意を向けたのに


 最後まで、最後まで

 手を伸ばしてくれて……。


 紅夜(こうや)が復活することに気付いて滅ぼさなければと動いたけれど


 そんなのは自分のためでしかなかった。

 復讐のため……

 みんなのためなんかじゃなかったんだよ。


 一緒に、逃げたかった。


 一緒に、行きたかった。


 でもそうなったら、こいつらは追ってくる。


 麗音愛……。


 最後に思い出ができたから、もういいや。


 最後くらい、誰かのために、なにかしなきゃ。

 麗音愛みたいに、誰かのために……。


「そのまま、どうか無事で逃げて……」


 溢れる涙を、グイと拭い

 薙刀を思い切り振り回す。

 どうせ、自分を殺す気はないはずだ。


(めぐむ)様!!」


「紅夜の部下達!彼らを追うな!!」


 摩美(まみ)が自分に縄をかけようとしているのに気付き炎を放つ。


「寵様! 私達は貴女をずっと探していたんですよ!」


「寵様! あいつらは貴女を虐げてきた奴らですよ!」


 部下達が必死に説得しようとする。


「私の名前は椿だ!!お前らなんて大嫌いだーーーーーーーー!!!!」


 椿が叫ぶと、ビリビリと空間が振動し

 切った髪が伸びていき

 炎と、そして血しぶきのような爆発が起きた。


「これは、紅夜様の……!」


 紅夜が肉塊を生み出すような力


「なにこれ……いやぁあああ!!!」


 自分が紅夜の娘だと実証するような光景が目の前で起こり

 細剣を具現化する。


 ここまでしかできない。


「ごめんなさい、母様……。


 麗音愛……」


 自分なんかに優しくしてくれた人。


 後悔ないと思っていたはずなのに


 自分の頸動脈を斬る手が、少し迷った。


 それでも、もうこの道しかない。



 だがコーディネーターはその隙を逃さなかった。

 細剣との間にナイフを飛ばし


「摩美!!」


 ぶれた瞬間、摩美が縄で細剣を掴んだ。


「そんなっ」


 グサリと、注射器が代わりに首に突き刺さった。


「姫様、お許しください……」


「……嫌…………れ……お」


 そのまま、倒れ込む椿を抱き

 ルカとカリンに渡した。



「ナイト達! 撤収しますよ」


 紅夜の部下は『ナイト』と呼ばれている。

 結局スーツ姿のナイト達の他に集められた人間は

 紅夜の肉塊の生贄になったようだ。



 意識を失った椿がルカに何か飲まされている。

 目覚めても

 抵抗しないように、何重にも結界をカリンも施していた。


「これから、僕たちがいないと身体の管理が大変だっていうことを

 思い知ってほしいな姫様には」


「ルカ、口を慎みなさい」


「このボロ布捨てていいかな」


「いいでしょう、それより新しいお召し物を着せたい……。

 このダボダボの変な服、なんなんでしょうこれは」


「タイイクギというらしい」


「へぇ」


 丁寧に顔の血を拭いて、伸びた髪にも櫛を通す。


「汚いなぁ」


 バサッとルカがそこらにボロ布を捨てる。




 その時ドーーーーーーーーーーーン!! と空中から何かが落ちた音がした。


「えっ」


 コーディネーター含め、ナイトは認めはしないが

 麗音愛達が紅夜の結界を出た時にどこか安堵した。


 あの意味不明の無茶苦茶の黒い呪いにまみれた美しい少年。


 得体のしれない強さが、長年訓練を受けてきたナイトにも

 恐れを感じさせていたのだ。


「も、戻ってきた……」


 落ちた音が響く、その音に混じって

 瞬間には、もう麗音愛は走り出していた。


 学ランやシャツはもう、弾け飛び上半身裸の身体は

 呪怨の模様が文様のように現れ

 纏う呪怨は羽のように伸びて走る速度をあげていく。


 恐れることのない、まだ残っていた肉塊の化け物達がわらわらと

 麗音愛に駆け寄るが一撃で粉砕し椿のもとへ駆ける。


 ヴィフォ達術者の結界術や、聖水を浴びせられた。


「うそ」


 しかし、

 まるで麗音愛に力を与えたかのように、聖水の効果は効かず

 呪怨の力がそれを上回った。


 ドーンと作用で爆発が起こり、全てが吹っ飛ぶ。



「どけーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


 ルカとカリンに目掛けて、晒首千ノ(さらしくびせんの)刀を思い切り振るった。


 椿だけは避ける!!


 斬撃とともに呪怨のミサイルのような攻撃が次々とルカとカリンを襲う。


「無茶苦茶だ!」


「椿ーーーー!!!」


 カリンが決死の覚悟で、結界を麗音愛に放つが何の足止めにもならない。


 グリッと目玉だけ動いた瞳に睨まれ、カリンはへたり込み動けなくなった。




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― 新着の感想 ―
[一言] あぁよかった!れおんぬ来てくれた!!!!!୧⃛(๑⃙⃘◡̈๑⃙⃘)୨⃛ 熱々展開だなぁ(*/ω\*)サクサク読み進められる!!( ◜௰◝و(و "良い…!!
[一言] あぁ、麗音愛は覚醒したんだね。 強さとは思いに比例する。だから強くなったんだと思う。 怒涛の展開だけど、今、ちょっとホッとしてる。
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