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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第5章  君への想い、傷、絆、愛しさ

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首が飛ぶ

 

 晒首千ノ刀が、また紗妃の身体を貫く。


「お前が煽って崩れるような、絆じゃあ――ない」


「お前が斬って崩れるような、身体でも……ないよぉおおおおおお!?」


 突き刺した刀を右に、鎖骨と肺まで切り捨てたが

 紗妃の笑みはそのまま狂ったように鎌・華織月を振るってくる。


 呪怨の攻撃には、妖魔が無残に使い捨てのように

 絡みつき肉塊が飛び散った。


 ドォンと爆音とともにエスカレーターが、床が崩れる。

 1階からの衝撃だ。


「雪春さん!?」


 麗音愛は紗妃を放って

 吹き抜け部分からロビーへ飛び降りた。


「ぐぁ!」


「雪春さん!!」


 縄使いの摩美の縄が、ロビー中に広がり

 雪春を持ち上げ締め付けている。


「……玲央……く……」


 すぐに縄を斬らんと、麗音愛は構えたが

 摩美の縄に今までにない驚異を感じた。


「……これは」


 摩美が縄と一緒に持つ、武器のせいだろう。

 聖なる力が満ち溢れている。


 邪流も聖流も、意志はない。

 剣一のように特別に聖流が流れ込む稀な人間もいるが

 扱う人間が、邪悪な犯罪者だ、聖人君子だ、で使う力が決まるわけではないのだ。


 今、摩美は強い聖流を操っている。


「ぐ……がぁ……!」


 端正な雪春の顔立ちが苦しそうに歪み、顔が真っ赤に染まる。


 麗音愛は気を鎮め、

 縄に流れる聖流を見極めようとした。


「お前……縄を斬る気!?」


 スラリと刀を構え直した麗音愛を見た摩美は即座に

 雪春から縄を解き、自分の周りに舞わす。


 落ちた雪春の元へ、麗音愛は駆けつけ

 制限される呪怨で結界を張った。雪春を守るには十分だ。


「休んでんじゃねーよぉおおおおおお!?!」


 結界の周りを妖魔で囲まれる前に、麗音愛はそこから飛び立ち

 襲いかかる紗妃の一撃を晒首千ノ刀で防いだ。

 紗妃の先程の傷はもう、醜く肉塊のように回復している。


 紅夜会すべての人間が

 ナイトが、全員こうなってしまったら、勝機が遠のく。


 ナイトすら倒せず、紅夜など倒せるものか。

 焦燥の底にあるのは1人の少女の笑顔。


 あの娘のために――!!


「うぉおおおお!」


 一層高い金属音がして、2人の刃がかち合う。

 本来なら刀は折れ、鎌も曲がる、そんな衝撃。


 紗妃が高くジャンプした隙きに

 麗音愛は摩美の元へ走る。


「うわっ! こっち来ないで!」


 何度も麗音愛の闘い、呪怨を見ている摩美は

 当然のように恐怖を見せ縄を持つ。

 結界かつ聖流を増幅させ

 電気の流れる鞭のように縄が八方に広がる。


「お前達は何故ここにいた!?」


「なに!?」


「ここの病院に何故いた!? 此処で何をしている!!」


「答える義理があるわけないだろう!!

 白夜の生ゴミが!!」


 斬り込む麗音愛の太刀筋を先読みし、縄を回避させ

 少しの間を触手のようにしての攻撃。

 今まで経験した事のない相手だ。


 麗音愛の制服が切り裂かれ、身体に衝撃が走る。

 地味だがダメージは累積した。


 後ろから迫る紗妃には、邪流の気に載せて

 巨大な槍を数本放ち追撃させている。

 壁が天井が、崩れ落ちる音が、響く。


 お互いの先を読む攻防で

 麗音愛と摩美は睨み合った。


「……あの男はお前らの仲間か……?」


「……なに……?」


 麗音愛が静かにそう言い、摩美もピクリと反応する。

 結界にいる雪春を視線で示す。


「……今日、お前らがいて、あの男がいたのは偶然か……?」


「……はっ……」


「答えろ」


「はははは!

 白夜もとんだ組織だね!!

 腐った組織だ!! あははは!!」


「ひゃああああ! 

 楽しそうだねぇええ!?!」


 その笑いに歓喜するかのように、ボロボロになりながら

 まるで

 サーカスのピエロのように紗妃が何度も麗音愛に斬り込んでくる。


「黒ぉ!

 紅夜に来いよぉ!

 そして罰姫を舐め回せよぉおおおお!!」


 麗音愛が、さっきまでの闘いで

 晒首千ノ刀についた血を祓うように手を翻した。


 まるで力が抜けて、よろけたかのように見えた

 その次の瞬間――!


「紗妃!!」


 ビュッ!!!


 と血が飛んで、紗妃の生首が飛んだ。


 だが怒りに揺れた麗音愛の瞳は、その首がまだニヤリと笑うのを

 目視した。


「紗妃ぃい! バカ!!

 戻来界脱(れいらいかいだつ)!!」 


 摩美の叫びが響き渡った。

 世界が歪み、崩れ落ちる。


「玲央君!! 結界が壊れるぞ!!」 


 世界が暗転したような衝撃

 飛び降りたような衝撃

 悪夢から目覚める時のような衝撃


 肉体精神ともに凄まじい衝撃を受け

 麗音愛と雪春は2人、人がごった返すロビーに倒れ込んだ。



いつもありがとうございます!!


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気に入って頂けましたらどうぞよろしくお願い致します!



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― 新着の感想 ―
[一言] 何やら嫌な予感ばかりがして、心がざわつく。 やっぱり雪春には何かあるとしか思えないのですが……(´༎ຶོρ༎ຶོ`) 椿を麗音愛から離すために元々住んでいた場所へ戻そうとしたり、紅夜会に引…
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