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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第5章  君への想い、傷、絆、愛しさ

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下がらない熱・麗音愛の看病

※発熱・看病描写があります。


 

 日曜の朝

 椿の熱は上がったままだった。

 体温を見た咲楽紫千兄弟が心配げに顔を見合う。


「朝には少しは熱が下るんだけどな」


「昨日、ずっと辛そうだった」


 ベッドの脇に布団を敷いていた麗音愛は

 うなされる椿を、ほぼ眠らず見守っていた。


 今も、ぐったりとした椿の

 ぬるくなったアイスノンを取り替える。


「兄さん、病院に」


「でも今日は日曜だしな……

 椿ちゃんは、特別に診てもらえるか聞いてみるか?」


「……いえ、大丈夫です

 あの、部屋に戻ります……」


「椿、ダメだよ」


「寝てれば治ると思う……

 大事(おおごと)にもうしたくない……」


 起き上がった椿は、辛そうで

 少し麗音愛が肩を抱くと、また布団に臥せってしまう。


「お願い、まだ大丈夫だから……病院には行きたくない……

 私、全然平気……」


 平気そうには見えないが、熱が出てからまだ半日だ。


「……兄さん、椿の部屋で

 看病するから、あの2人を絶対に椿に近づけないように」


「あ~そうだな……まぁ反省はしてるだろ

 これからも付き合いは続くんだ。お前もそう殺気立つな」


 兄にそう言われ、深呼吸をした。


「麗音愛……」


「うん、心配しないで

 仲良くはしなくても、揉めはしないよ」


「俺が先に行って話してくるから

 連れてきてくれな」


「……麗音愛、大丈夫……歩けるよ」


 そうは言うものの、ふらふらで起き上がるのも辛そうだ。

 少し迷ったが

 椿を抱き上げると、すごく身体が熱いのがわかる。


「ん……」


「すぐ横になれるから我慢して」


「うん……ありがとう……」


 寒くないようにブランケットも一緒にかけると

 ぎゅっと

 首に擦り寄られドキリとしてしまった。


 様変わりした椿の家に入り、部屋のベッドに寝かす。

 剣一が2人に部屋にいるように言ったようで顔を合わせる事はなかった。


「俺、買い物してくるわ

 経口補水液とアイスとかゼリーとか食べやすいもの」


「ありがとう、兄さん」


「……椿ちゃん、汗かいてるから着替えさせないとな」


「えっ」


「へへへ~梨里に頼むかい? それとも玲央く~ん」


「おい!」


「大丈夫です……1人でできます……」


 もぞもぞと椿が起き上がったので、慌てて

 兄弟は部屋の外に出て

 剣一はそのまま買い物に出掛けた。


 椿の声が聞こえたので、そっと戸を開ける。

 いつものスウェットに着替えていたが

 ベッドに座り込んでいた。


「服、洗って返すね……たたまないと」


「いいんだよ、ほら横になって」


 下着も混ざっているのに気付き、適当に丸めて

 部屋の隅に置く。


「うん……風邪って辛いね……」


「あんな寒いとこにいたんだから風邪ひいちゃうよ」


「でも、今までもっと寒い外にいても大丈夫だったのに……

 水かけられたり……

 なんだか小さい頃の夢を見たり……して……」


「……椿」


「ん……はぁ……」


 布団から椿が、手を伸ばしてきたので

 そっと握った。

 手は冷えている。まだ熱が上がるのか。


「今はもう、あの屋敷にはいない。あいつらもいない。

 だから大丈夫だよ」


「……うん」


 静かな部屋。

 少し苦しそうだが、椿がまた眠りにつき

 麗音愛もそれに合わせて仮眠をとろうと目を閉じる。


 今までベッドで寝る事しかしていなかったのに

 椿と出会ってから、どんな風にでも寝られるようになった。


 手を握ったまま、ベッドにもたれ眠る__。


 目覚めると携帯電話には剣一からのメールが来ており

 アイスやゼリーなど買ってあるとの事だった。

 弁当も台所に置いてあり

 椿に聞くとアイスが食べたいと言うのでバニラのカップアイスを持って部屋に戻る。


 熱が高いままの椿のおでこの冷えペタを取り替えて

 アイスを見せるが

 ぼんやりと眺めたままだ。


「……食べる?」


「……うん……」


 スプーンですくったアイスを

 子どものように、ぽーっとした椿の口元に寄せると

 あむ……と食べた。


 アイスを差し出すと口を開けて咥える仕草、

 スプーンごしに伝わる口の動き。


 なんだか心臓が変に反応してしまった。

 熱が出て具合の悪い女の子に対して何を考えているのだと

 気持ちを鎮める。


「……おいしい……」


「うん、よかった」


 熱で乾いた唇に垂れたアイスをティッシュで拭ってあげると

 椿はまた目を閉じた。


 半分残ったアイスを冷凍庫に戻すため立ち上がると

 不安そうに目を開けたので

 また手を握ってあげると、そのまま寝息に変わっていく。


 溶けていくアイスはそのまま机に置いた。

 もう部屋には夕日が入って赤く染まっていく。


 携帯電話のバイブレーションが鳴ったので手を伸ばすと

 剣一だった。

 椿が熱を出した事を、本部に伝えるという。


 明日は学校も休むことになるだろう。

 それは仕方ない。

 でもこの状況の椿を1人にしてはおけない。


 麗音愛も明日は学校を休むつもりでいたが

 その日の夜に、雪春が翌日に医者を連れて様子を見に来ると連絡がきたのだった。




いつもありがとうございます!


皆様の評価☆ブクマ、感想、レビューがいつも励みになって

頑張れております。

気に入って頂けましたらどうぞお願い致します!



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― 新着の感想 ―
[一言] 椿の具合が悪いのは本当は嫌だけど…… この二人の時間は必要な気がする。 本当にさ〜この二人で良いじゃないのよ〜 健一だってちょっとは認めてるよね、二人の事。
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