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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第3章 秋風染まる心

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同化剥がし~汚れ燃える白雪~

 

 道の雪を溶かしながら、椿は美子・槍鏡翠湖(そうきょうすいこ)にも

 炎をぶつける。


 しかし美子は炎を結界で封じ滅した。


 予想通りだった、炎は効かない!


「じゃまをするな!!」


「するよ!!」


 激昂した美子の連続の突き。


 避けた足元が滑り

 体勢を崩す椿。


 あ!と思った瞬間にはもう

 横腹をえぐる槍。


 弾け飛ぶ血痕が雪を紅く染めた。


 治りが早くとも痛みは襲う、熱くなる横腹。


「椿!!」


 必死に距離をとる椿に美子が更に襲いかかる。


 瞬間に

 爆発を起こすが、自分も吹っ飛ぶ椿。


 近所の庭へ落ちていく。


 麗音愛は、駆けつけようとしたが

 美子はすぐに麗音愛の後ろの剣一の元に向かってきた。



「よっちゃんどうしちゃったんだ……」


「……怖いよ」


 降り積もる雪の中、震え抱き締め合う兄弟。


「ここにいるんだ!」


「お兄ちゃん……」


 2人の麗音愛の息が白く吐き出される。


 白い世界に広がる黒い闇。


 麗音愛は呪怨結界のなかに少年2人を入れるが

 正直どこまでもつのかわからない。



 晒首千ノ刀を構え麗音愛も向かい走り出す。


 すぐに美子は浄化結界を張り攻撃をしかけてきたが

 しかし麗音愛も、保身な戦いなどしない。


 その身が溶けようが晒首千ノ刀で斬り込む!


 弾け合う金属音。

 椿をえぐった血が舞う。


 いくら美子が攻撃もできるとはいえ、晒首千ノ刀が最強なのは変わらない事実。


 消されてしまう呪怨を繰り出しつつ刃を交えた。


「おまえも にくい!!」


「!?」


「タケルも ころす!!」


 雪の舞うなか

 小学生の頃の姿の美子に憎み叫ばれ麗音愛は心に隙が生まれた。


 ドン!!


 と麗音愛の右足の甲に槍が突き刺さる。


「くっ」


 槍鏡翠湖(そうきょうすいこ)の刃の下にある聖なる鏡が煌めいた。


 縫い留められた麗音愛に

 足元の鏡から一気に出た聖なる浄化の光が反射する。


「うぉおお!!」


 発動された浄化結界のなかで蒸発するように麗音愛の身体が燃え上がっていく。


 激しい痛みだが

 縫い留められたまま麗音愛もまだ晒首千ノ刀を振るう。


 だが美子は翻し、避け

 更に浄化の力を強める!


 更に麗音愛の身体が崩れ始めた。


「やめてぇえええ!!」


 椿の叫びと共に

 ガン!!と殴られたような衝撃で麗音愛は一瞬目が眩む。


 何かと思えば浄化結界から押し出されて吹っ飛んだようだ。


 浄化ダメージは止まっている。


 くすぶった身体を紫の炎が包んでいる。


 全身も

 飛ばされて千切れた足の甲も癒やされていくが

 この包まれる強固な力。


「火が結界になってる!……椿!!」


 今度は麗音愛の血がべっとりと張り付いた槍を椿に向けている。


 振るたびに、また雪の上を紅く染めて

 椿の焦げた足元は汚く雪を黒くする。


 椿ももうボロボロだ。


「自分に使え!! ここから俺を出すんだ!!」


「嫌だ!!」


 身体が全回復するには時間がかかる。


 紫の炎は全て麗音愛に注いでいるので

 自分にはもう使えず、

 痛みに顔を歪ませながらも椿は緋那鳥(ひなどり)で応戦した。


 槍鏡翠湖が攻撃として発生させる浄化結界。


 人間相手に対しても、強固した物質として飛ばし物理攻撃もできる。


 椿はそれに対し

 今、初めて成功した炎の結界で弾き返す。


 紫の結界にいる麗音愛と

 幼い剣一と麗音愛の無事を確認し、


 椿は緋那鳥(ひなどり)をなんと

 槍鏡翠湖に向かって投げ刺した。


「椿っ!?」


 何も武器を持たずに、槍鏡翠湖に背を向けて走る。


 緋那鳥が肩に刺さったのを抜き捨て美子も椿の後を追った。


 槍鏡翠湖の殺気が見える。


 椿はできるだけ距離を置き

 弓の帰兎(ゆみ)を構え即、連写した!!


 脚に刺さる矢。


 それでも槍鏡翠湖は倒れない。

 そのまま帰兎の能力で空に飛び立つ。


 空に浮かび上がっても、此処は美子と槍鏡翠湖の世界。


 槍鏡翠湖もまた飛び立ち追ってくる!


 また射る。


 3発目で腹に当たるが

 それでも倒れない――!!


 焦るなか

 意識を集中させる。


 自分が射るか貫かれるか


 2人の瞳が合う


 ――心臓を止める程の集中。



 ドス!!


 椿の矢が、美子の心臓を貫き

 また光が弾けた。


 今度はしっかり光から目を守る。


 が、安心で帰兎の力を解放してしまい落下する椿。


 でも、そう、受け止めてもらえる事を知っている。


 雪が舞うなか


 麗音愛は椿を受け止め


 そのまま冷たい雪。


 そこに沈むように

 抱えたまま座り込んだ。

 

 しんしんと2人に降り積もる雪。


「無茶しすぎだよ」


 はぁ……と少々大きくため息をつく。

 白い息が消えていく。


「だって! 麗音愛が溶けそうになってたから」


 椿の頬に落ちて溶ける雪。


「俺は大丈夫だから」


「大丈夫じゃない!!」


 椿の叫びに少し驚く麗音愛。

 確かにグロいシーンを見せてしまった。


「だからって俺を守ることないだろ」


「だって」


「椿も酷い怪我をしてたのに」


 脇腹の酷い出血が、焼けた制服の血の痕でわかる。


「椿が、そう思うように俺だって」


 ……言うのを躊躇したが、そのまま一気に言った。


「椿を守りたい」


 抱えてるから、瞳を見ないでいるから言えるという

 変な矛盾。


「麗音愛……」


 抱えられたまま、麗音愛の肩に頭を持たれている椿の心臓は

 ドキリとする。


 さっきの一矢から止まっていたような気がしていた心臓が動き出す。


「親友だろ……」


「そうだ、ごめん麗音愛」


「次からは、ああいうのは無しだよ」


「でも、焦ったんだもん……」


「大丈夫、どんだけ浄化されても

 晒首千ノ刀の恨みは消えることはない」


「それが怖いんだよ」


「大丈夫」


 それ以上は言わないでいようと思わせられる

 麗音愛の言葉。


 椿が紫の炎で2人を包み

 一気に回復させた。


 自然に座り寄り添っていた2人は

 また自然に立ち上がる。


「すごいね、この状況で新しい力、新しい結界」


「えへへ、窮鼠猫(きゅうそ)を噛む、かな」


「十分強いよ、少し休んでほしい」


 だがすぐに、

 秋の夕暮れに舞台は変化した。




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