75/1080
それぞれの宣戦布告
御徒町の樹里は都で一番の美人です。
猫又騒動が一件落着し、樹里達はおのおのの邸に帰る事になりました。
「僕は樹里様のお邸に住むにゃん」
普通の猫になった元猫又の吏津玖が言い、樹里の胸に飛びつきました。
「この!」
左京が怒って払い除けようとしましたが、
「左京様はお優しい方ですから、大丈夫ですよ」
樹里にそう言われてしまい、何もできません。項垂れるしかない左京です。
「左京殿、まだ我らも諦めた訳ではありませぬ」
馨達五人衆が言い、去って行きました。
「私達もまだ諦めてはおりませぬ、樹里様」
亜梨沙と蘭と美子姫が言い、立ち去りました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「では我らは消えます」
葵達はスッと姿を消しました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で吏津玖を抱いたままで今は主を失った藤原道草の部屋を去りました。
(これから先が思いやられる)
左京は胃が痛くなりました。




