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樹里対道草
御徒町の樹里は都で一番の美人です。
樹里は、関白の藤原道草が見せた蓬莱の玉の枝を偽物だと言いました。
「何故偽物だとおっしゃるのか、お教えくだされ。事と次第によっては私にも考えがあります」
道草の顔は凶悪になり、あの罪人より怖くなっています。
「罪人じゃねえよ!」
どこかにいる加藤の中将が叫びました。
(何、関白の顔?)
亜梨沙と蘭と美子姫ばかりでなく五人衆達もギョッとしました。
「本物は私が持っているからです」
樹里は笑顔全開で応じました。唖然とする道草です。
(何だと!?)
そこにいた一同が仰天しました。樹里は袖の中から一振りの枝を出しました。
「そして、本物の蓬莱の玉の枝は黄金色に輝くのです」
樹里が言った途端、眩い光が枝から放たれました。
「にゃあん!」
道草は光を浴びて苦しみました。
「何だ?」
左京はそれを見て眉をひそめます。
「正体を現しなさい」
樹里は笑顔全開で言いました。




