49/1080
道草、樹里に側室になるよう強要する
御徒町の樹里は都で並ぶ者がいない美人です。
そして、先代の帝の姫でもあります。
それほどの存在ですから、引く手数多です。
その中でも、関白の藤原道草は強引でした。
(今、にゃんと言わなかったか?)
左京はスケベな猫の事を思い出しました。
道草は咳払いをして、もう一度言いました。
「樹里姫様、今お決めください。貴女の愛しい人を助けたいのであれば」
次の瞬間、剣を携えた者達が五人現れ、左京を取り囲みました。
道草は左京の命を利用して、樹里に決断を迫りました。どこまでも卑怯なエロ関白です。
「そうなんですか」
それでも樹里は笑顔全開です。左京はそれを見て血の涙が出そうです。
(左京様!)
豚と河童と聖獣が心の中で叫びました。
「前世と混同するな!」
ストーリー展開がいい加減な地の文に亜梨沙と蘭と美子姫が切れました。
「ところでさださん」
樹里が言いました。
「誰が関白宣言だ!」
道草は切れました。




