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道草、樹里に側室になるよう強要する

 御徒町の樹里は都で並ぶ者がいない美人です。


 そして、先代の帝の姫でもあります。


 それほどの存在ですから、引く手数多です。


 その中でも、関白の藤原ふじわらの道草みちくさは強引でした。


(今、にゃんと言わなかったか?)


 左京はスケベな猫の事を思い出しました。


 道草は咳払いをして、もう一度言いました。


「樹里姫様、今お決めください。貴女の愛しい人を助けたいのであれば」


 次の瞬間、剣を携えた者達が五人現れ、左京を取り囲みました。


 道草は左京の命を利用して、樹里に決断を迫りました。どこまでも卑怯なエロ関白です。


「そうなんですか」


 それでも樹里は笑顔全開です。左京はそれを見て血の涙が出そうです。


(左京様!)


 豚と河童と聖獣が心の中で叫びました。


「前世と混同するな!」


 ストーリー展開がいい加減な地の文に亜梨沙と蘭と美子よしこ姫が切れました。


「ところでさださん」


 樹里が言いました。


「誰が関白宣言だ!」


 道草は切れました。

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