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姉の思い

 御徒町の樹里は都で並ぶ者のない美人で、光源氏の君の血を引く家柄です。


 樹里達の集まりに乗り込んできた弘徽殿こきでん女御にょうごは圧倒的で、男達は縮み上がり、女達は恐怖しました。


「姉上……」


 美子よしこ姫は何とか口を開きましたが、


「何も申すな、美子。其方はわらわの思いを果たすのだ」


 姉の鋭い一瞥に美子は漏らしそうになりました。


(我が姉とは言え、あまりに惨い……)


 美子姫は悔しさより悲しさが込み上げてきました。


 弘徽殿の女御は亡き桐壺院の一番の女になれなかったのを恥じています。


 その一番を奪った樹里の母の由里を恨んでいるのです。


(御徒町一族は許さぬ)


 弘徽殿の女御の目つきが更に鋭くなりました。

 



 蘭と亜梨沙は項垂れたまま、自分達の部屋に戻りました。


「私達も戻りましょう」


 樹里が左京の手を取ります。途端に鼻血を噴く左京です。


(樹里殿の命の恩人とは言え、残念過ぎる男だ)


 左大臣は左京を哀れみました。

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